音速の鷲乗りα 20



〜訓練空域〜

樹〔今日は基本の動きをやる、教育航空隊時代を思い出しながらやれ。〕

風子「り、了解ですッ」

櫻井〔了解〕

今日、俺たちはT4練習機を使って飛行訓練をしている。
俺の後席には熊岡3佐(副隊長)が搭乗している。 キャンディ(伊吹3尉)の後席にシャロン
(森2尉)が搭乗しているが、なぜF-15を使用してないかと言うと…副隊長曰く新設されたばかりで機体の補充が追いついていないようだ。
実を言うと、このT-4も浜松基地から借用してきた機体らしい。

櫻井〔エルロンロール実施します。エルロンロール now〕

風子「now!」

2機は編隊を組んだまま、エルロンロールを実施する。

樹〔よし良い感じだ、次!〕
 
櫻井〔了解、スプリットS実施します now〕グッ

風子「now!」

ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーー

樹〔よっしゃ、基本は出来とるな。そのままコースを周って基地に帰ろか。〕

櫻井〔了解〕

風子「了解です。」

ノゾミ〔あの…副隊長〕

樹〔どしたん?シェリー〕

ノゾミ〔い、いえ…何でもありません…〕
(何だったんだろう今のは…)

樹〔了解 帰投する。〕

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜ブリーフィングルーム〜

樹「2人とも基本は出来てるから、維持するように。後はF-15さえ足りてればね…空戦の訓練が出来るんやけど…」

風子「仕方ありません…」

櫻井「副隊長は、306にいらしたんですよね?」

樹「うん、せやで」

ノゾミ「直枝くんは元気にしてましたか?」

樹「お、森は理樹の事知ってるんや。アイツは元気やでアグレッサー行って鍛え抜かれて帰ってきたで。」

ノゾミ「え!?そうなんですか?出向したとは聞いてたんですけど…」

樹「そうなんや、そういえば伊吹も豊と知り合いだったやんね?」

風子「そうです!風子と緑川さん、佐貫さん、は航学で同じでした。」

樹「おぉ、皆仲がええねんなぁ」

櫻井「副隊長は班長とも同期でしたよね?」

樹「そうそう、渓ちゃんは航学の同期よ〜中々おもろい奴やでアイツは 」

櫻井「良いですよね同期って」

樹「良いよね〜」

ノゾミ「ふふっ、副隊長って地上と空では全然人が違いますよね…(笑)」

樹「そうかいな?そういえば…俺、君らのこと書類でしか身上把握してないからさ軽くここで自己紹介してや、俺も最後にするから。」

3人「分かりました。」

まずは、俺から自己紹介することとなった。

櫻井「2等空尉 桜井舞斗です。ここに来る前は那覇の204飛行隊に居ました。家族構成は妻と娘が1人居ます。パイロットを目指したきっかけは、自分の叔父が民間のパイロットだったからです。日本防衛のために日々頑張りたいと思います。」

樹「うん、よろしく。しっかりな」

櫻井「はい!」

次は伊吹の自己紹介だ。

風子「はじめまして。3等空尉 伊吹風子です。好きなものはヒトデです。一緒に着任した新人ですがよろしくお願いします!ちなみにですが…熊岡3佐の事は小松基地に居た頃から知ってます。」

樹「うん、俺も君のこと知ってる。一人称が風子で有名だったもんねw」

ラストは森か…美人だよな。

ノゾミ「2等空尉 森ノゾミです。家族構成は両親と姉が居ます 306飛行隊の直枝君とは同期です。実家は神主やってます。自慢じゃありませんが人のオーラ的なものが見えます。」

舞斗「凄いね森さん、俺はどんな未来が見えてる?挫折しそう?」

ノゾミ「え、いえ…占い的な要素に当てはまるかどうかは分かりませんが…色で判別してます。例えば、赤色なら良いことが起こる前兆、青なら少し不安があると言った感じです…」

樹「へぇすげぇ〜今度俺の未来を見てや。」

風子「風子もお願いします!」

ノゾミ「分かりました…」

ノゾミ(実は今…絶賛観てます…桜井君は、近いうちに良いことが起きそう。
伊吹さんは挫折がありそうだけど、乗り越えられそうね……熊岡3佐は…何だろう…凄く不吉な色だわ…あの時も同じ色だった。
何もなければ良いんだけれど…)

この数ヶ月後、私はあの時何故伝えなかったのか後悔する日が来ようとは誰も思わなかった。




      
          続く…



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?