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人生の分岐路① 浪人 ラランド「点」を観て


春なので

新生活。新しい学校、クラス、職場、環境
やっと冬が終わって、生暖かい風になびく桜
みんなが上を向いて、一歩踏み出す季節

この季節になるといつも思い出すことがあります。
軽やかにうわつく気持ちだけじゃない、
どこかに絶対、寂しい虚しい悲しい
空っぽになるような気持ちがあります。

人生の分岐路

あの時あっちを選んでいれば、
今が全く違うものだっただろうな
っていう分かれ道がいくつもあると思います。

私の場合、そのひとつが大学受験でした。
浪人したのに失敗しました。
本番でコケたというより1年間転け続けました。

浪人

YouTubeで、ラランドの短編映画「点」を見て
自分と重なる部分が多くて泣きました。

社会のどこにも所属していない疎外感
SNSで同級生が新生活を楽しんでいる中
自分だけ置いてけぼりな惨めさ
どんなに頑張っても将来が確約されたわけじゃない
不確かな未来に対する不安

本当に痛いほどよくわかります。
どんどん変わっていく同級生に
馬鹿にしてるんでしょって
当たってしまったこともあります。

10年前の失敗

私の浪人生活は
今考えると不思議なくらいうまくいかなかった。

落ち着いてもっと道筋立てて進めていれば
成績もついてきたんじゃないかなとも思う。

朝から晩まで自習室に篭っていても
全然身についてる感覚がない。

もがけばもがくほど落ちる蟻地獄みたいで
苦しいのに先が見えなくて
気づいたらもう夏が終わって秋も過ぎて冬になった。

医学部に行きたかった。
そんな薄っぺらい努力でいけるわけもなく。

両親はなにも言わず応援してくれた。
帰りが遅くなっても予備校に行かない日があっても
私の好きなご飯を作ってくれた。

そんな両親に
模試の判定も上手くいかないことも
打ち明けられなかった。

もう医学部は厳しいだろう、と理系の生物系に変更。
なのに国立前期がうまくいかず、
後期どうしようかと、
母に看護師とかどう?と提案され
もうどうでも良かった私は言われるがままに願書を提出。
地方国立の看護学科に行くことに。
(実家は都心の方なので地方にひとり暮らしになります)

この一年なんだったんだろう。
頑張ってなかった、とは思ってない。
やった、ちゃんとやった、つもり。

でも
どんなに努力しても結果が伴わなければ
自分すらその頑張りを認められない辛さ

こんなはずじゃなかった。

予想外に地方に行くことになったため、
家を決めて、家具家電を揃えたり、引っ越したり
数日で何もかも流れるままに決めた。

両親と車で実家に帰る途中
夜の首都高から見えるビル群が綺麗で
なんだか悲しくて車の中でひっそり泣いた。

こんなはずじゃなかったのに。

春になるといつも思い出します。

続きます。

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