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桃の花

来月はひな祭り。
昨年、ひな人形を出し忘れたので今年こそは!と重たいダンボール箱からお雛様を取り出す。
せっかく部屋に飾ろうとあくせくしている私に対し手伝って!と声を掛けても手伝うどころかスマホに夢中で全く関心のない二十歳超えた娘。
こりゃ縁も遠くなるだろな(余計なお世話)と思いつつお内裏様とお雛様と細々した小物を飾り付けてからはたと気づく。
お雛様の冠が、ない。
たぶん箱から出し忘れた!

貧乏性の私はひな人形を取り出したダンボール箱に赤い布で覆い隠してその上に人形を乗せている。

あちゃー笑

今さら人形や小物をどかして箱の中から冠を探すのは面倒くさい。
これじゃあ娘のこと、言えないじゃないか。
ま、いいか。また来年。
今度は忘れないできちんとすべて箱から出して飾り付けよう。

ひな祭りと言えば桃の花だ。
今年は新居のリビングに飾っている。
私がまだ二十代の頃、仕事帰りに桃の花買いに行きます、と職場の人に告げると
えっ、お母さんにあげるの?
と訊かれ頭の中が?となった。

どうやらその人はハンドクリームの桃の花だと勘違いしたらしい。
私もすぐ、違いますよ~お花ですよと返したがそんなことを毎年懐かしく思い出させてくれる。

桃の花って梅や桜に似ている。
梅はもっと花の形がコロン、としていて枝が黒くてカクカク?している。どことなく品格があって“和”そのもの。
どちらかというと桜の方が似てる。

枝はぴんっ、とまっすぐに伸びているけれども濃いピンクが河津桜のように柔らかな雰囲気。だけど桜より花びらが本当に散りやすい。
ほんの少し触れただけで花びらがひらり。花ごと、蕾でさえぽろん、と落ちてしまう。
梅のように丈夫でなくてもいいけどせめて桜のように上手く?散ることは、、できないみたい。

桃の花って繊細なんだね。
何だか親近感。

そんな桃の花が好きです。

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