innocent world
今年Mr.Childrenはデビュー30周年を迎えた。
私はフロントマンの桜井和寿と年は一つ下であり、ミスチルのデビューの年の1992年、私は大学4年生だったことになる。
当時好きだった音楽は佐野元春やRCサクセションであったが、ユニコーンやレピッシュなどの個性的なアイドル要素もある(当時)バンドも出始めた頃。高校ではギター部だったこともあり、大学では必然的に音楽サークルに入りバンドを始めた。
1994年。社会人になって2年目の夏休み、初めての北海道家族旅行。実は生まれて初めての飛行機。機内では特にすることもなく備え付けの簡素なヘッドフォンでラジオ番組を聞いていた。
DJが曲目をいい曲が流れる。あっ、テレビで聞いたことある、スポーツドリンクのCMの曲だ、と思いながら歌詞を聴く。
「まどにうつる~あわれなおとこが~いとしくもある~このごろ~では~♪」
、、、だれ?この男。
、、、もしかして自分のこと(私は女だけど)?
歌詞を見ればわかるが「窓に反射する(うつる)哀れな自分(おとこ)」というフレーズ。
文字にすると誰のことを指すのか当て字でわかるのだが、曲だけで歌詞を耳に入れると頭の中が一瞬?となるがすぐ!に変わるという発見。
その時初めて私がこのバンドの歌詞に驚き、このバンドの歌詞を書く桜井和寿を意識し、このMr.Childrenというバンドの虜になったわけです(クドイ)。
最近になって昔の音楽バラエティー番組の特集を見て今は亡き尾崎紀世彦が歌う「innocent world」を聴いた。
失礼ながら「えっ、この歌ってこんなにいい歌だったっけ?」不覚にも泣いてしまった。
桜井さんが歌うオリジナルの方が断然いい!という異論はもちろん認めます。しかしこの紀世彦(呼び捨て)の「innocent world」は歌詞はメロディーを生かし、メロディーは歌詞を生かしている。
本当の名曲ってオリジナルの歌詞やメロディーを忠実に歌えば例えカバーでも十分に心を打つものだと思う。
ミスチルの好きな曲はまだまだ他にもいっぱいあるが、この明るく爽やかなメロディーとそれに相反する自分と社会に感じる矛盾、愛する人との別れの切なさとかすかな期待を表現した歌詞のこの曲はまさに本物の「名曲」といえるだろう。
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