人身とライブ。

先日Mr.Childrenデビュー30周年記念ライブ「30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス」に行った。日産スタジアム公演の2日め。

前日は友人とflumpoolと高橋優の対バンへ。連チャンライブで体力にはあまり自信はなかったが、やっぱり行きたいものは行きたい!観たいものは観たい!病弱かつ運動不足気味の老体に鞭を打って(無理すんなよ)いざスタジアムへ。

以前スタジアムには25周年記念のライブで娘と行ったのでちょうど5年ぶり。今回は一人参戦。寂しくないといったら嘘になるが、元々映画もカフェもカラオケも一人で平気なタイプ。

2日続けてライブに行く罪悪感を持ちつつ夕飯の準備をし、旦那と娘に「いってくるぜ。後はよろしく。」と捨て台詞を吐き、電車を乗り継ぎスタジアムへ向かうY線に乗ったのだが、、、。

「急停車します。ご注意ください。」のアナウンス。何故?どうやら人身事故。通勤時は事故のあった後に電車が遅れる事態は遭遇したことはあったが、自分が乗っている電車ではたぶん初めてのことだった。

ライブが始まるのが午後5時。急停車したのはちょうど4時を過ぎたばかり。何もなければ4時半にはスタジアムの最寄り駅に着くはずだった。もう少し早く家を出ていれば最初からライブが観れたのに、チケット取るの遅くてたぶん後ろの方だけど、、、。

車内では外国人の母子がいて小さい男の子が愛嬌たっぷりに車内をチョロチョロ歩きだした。知的障がいの青年もいて、彼もぶつぶつ独り言を言いながら車内を歩き回っていた。

私が乗っていた車両がちょうど一番後ろの車両で急ブレーキをかけたものの徐行も間に合わず。どうやら私の座る席の少し後ろの位置の線路に負傷者(遺体)が横たわっていたようだ。車掌さんたちや警察の方々が車体の下を覗き込んでいる。

車内では誰一人様子を覗き込もうと立ち上がる人がいない。私もあからさまに覗き込むのは下世話かな?と思い、座ったまま窓越しにキョロキョロ。私と同じ様子の人もいたが、始めから立っている人も窓から下の辺りをチラッを見るだけ。私の両隣に座る若い女性二人も全く動じず、コスメや炊飯器などの検索に夢中でずっとスマホをいじっている。何故そんなに無関心なのか?Y線ってそんなに人身が日常茶飯事なの?

「桜井さ~ん、助けて~!!」と自然と心が叫んでいた。せっかくの記念すべきライブにこんなことが起こるなんて。私の日頃の行いが悪いからだろうか(たぶん)。何があったか知らないがいくらなんでも雨上がりのこんな眩しい昼下がりに、太陽の光を浴びて飛び込まなくてもいいじゃん、、、。

今頃私の好きなあの曲やこの曲も演奏しちゃってるんだろうな。でも、どんな曲も大好きだし、どんな曲でも聴くことが出来たら泣いてしまうな、、、。

やっと電車が動いたのが6時前。「桜井さん、待ってて~!!」と心の中で半泣きしながら叫んでいるうちに駅に着く。着いたと同時に改札へと急ぐ姿をみて私だけじゃなかったんだ、と変な安心感を持ちいざスタジアムへ。

演奏途中だったが自分の席を探す前に後ろのお客さんに邪魔にならないよう立ち止まる。一昨年の紅白で歌っていた曲で涙が溢れた。今日何とか無事にライブにたどり着いた。そしてこの2年の間に亡くなった実父と義父のことを思い出す。

そしてふいに今日あれほど迷惑だと思っていた飛び込んじゃった名も知らぬ人のことを思い出してしまう。どうしたんだろうな、誰か止めてくれる人がいればもしかしたら、、、なんて複雑な気持ちになってしまった。

死ぬのは勝手だけど最後まで人に迷惑かけんなよ、とは正直思ってしまう自分がいた。だけど死にたい、と思う時は周りの人のことなど考えてはいないだろう。でもそんな時にチラッとでも自分にとって大事な人、人じゃなくても物、時間、想い出なんかが浮かんできたら思いとどまるんじゃないか。それを打ち消してしまうほど辛いことがあったのだろうか、、、。

結局どんな曲を聴いても泣きそうになってしまう単純な私。あげくにアンコールの最後の曲は「生きろ」。

桜井さんがそう歌うんだったら私、生きます。


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