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量が質に変化する時

 月・火曜は学校教育の話です。今回は、令和5年12月11日(月)に聞いたVoicyから刺激を受けたので、それに関連して書いています。
 刺激を受けたのは、「田中淳子の『人材育成』応援ラジオ」の「#371 『量か質』問題を深掘り。『量』を『質』に転換するために必要なことは何だろう?」と言う題名の放送です。
 この中で田中淳子さんは、「ただ漫然と量を積み重ねても、質的な転換は発生しないだろう」と仰っています。そして続けて、「質的な転換を発生させる条件」として以下の2点を挙げていました。

1.自分で振り返り、検討を加え、改善していく。
2.それなりの立場の第三者から、意見をもらったり、
  指導を受けたりする。

 特に、2番目については非常に重要ではないか…と仰っていました。
 この2点が重要という事は、私自身の経験を振り返っても、その通りだと思います。この2点は、量が質に変化するため絶対に必要です。
 では、「私自身の経験」で何をしたか。
 若い頃に「研究授業を100回やれば授業技術が向上する」と知り、それに挑戦したのです。
 「授業」自体は、小学校教師ですから毎日5~6時間行っています。年間で800~1000時間になりますが、これだけでは量が質に変化する事には繋がりません。先程の田中さんの言葉で言えば、漫然と量を積み重ねているだけだからです。
 量が質に変化するためには、「研究授業」…つまり、通常の授業とは異なる授業を行う必要があります。
 「研究授業」は、自分なりに検討し、工夫した授業でなくてはなりません。しかも、簡単な文書…ペラ1でも良いから指導案(指導計画)を書いて、発行する必要があります。更に、授業後は同僚や上司(管理職)から授業への意見をもらう必要もあります。
 私は、この様な授業を100回やる事に挑戦したのでした。
 具体的に書きます。
 まず1です。研究授業として行った授業では、指導案を必ず書いていました。ほとんどはA4用紙1枚で収まる内容でしたが、主張点が明確になる様に書きました。
 因みに、研究授業として行ったのは大きく3種類です。「校内研究で行った全校研授業や部内研授業」、「年に4~5回の参観授業」、「月に2回の教育研修サークルで行った模擬授業」です。校内研究は当然ですが、参観授業も模擬授業も指導案を書き、保護者や管理職、サークルメンバーに配っていました。
 そこで2です。校内研究は同僚や管理職から意見をもらうのが当たり前ですが、参観授業でも指導案を配っていたので、授業を参観した教職員や管理職から意見をもらう事が出来ました。模擬授業では指導案を配った場で授業を行い、サークルメンバーから意見をもらいます。これが厳しくて、同僚や管理職は多少オブラートに包んだ言い方をしてくれますが、サークルメンバーは容赦ありません。時には、その場で修正して再度模擬授業し、更に意見をもらう…などと言う事もありました。
 こんな感じで、年に30回くらい研究授業を行い、概ね4年くらいで100回を達成しました。年齢で言うと30代半ばです。
 実際、この頃から自分の授業がスムーズに流れるようになり、成長を実感出来る様になりました。量が質に変化した訳です。
 長々と書きましたが、田中淳子さんが挙げていた2点は、量を質に変化させるための必須条件である…自分の経験から、そう私も言えます。

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