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まず全体、次に個別

 月・火曜は、学校教育の話です。今回は、私流の学級のまとめ方を紹介します。
 15年くらい前、もしかしたら20年くらい前からかもしれません。その頃から、学級に「難しい子」が増えてきました。
 この「難しい子」とは、教師の立場から見た言い方です。イメージとしては、「指示した通りに動いてくれない子」となるでしょうか。何せ、教師は1人で30人前後の子供たちを動かさなくてはなりません。指示した通りに動いてくれない子が複数人いる学級だと、場合によっては授業が成立しなくなります(「学級崩壊」ですね)。
 だから、一般的な教師の考える「難しい子」は、授業中でも自由に立ち歩く子や、物凄くお喋りな子、教師の指示に従わない子、乱暴な子…などとなります。
 この様な「難しい子」が学級に増えてくると、どうしても学級内の秩序が乱れてきます(それが進むと「学級崩壊」です)。そのため、学級内の秩序を何とかするために、「難しい子」に対して、担任の教師は色々と指導を行うようになります。
 特に、これが入学したばかりの1年生だった場合、周囲からの圧力も強くなります。「どうして全員座らせられないんですか」とか、「(教師の指示に従わない)あの子を放っておくんですか」など、直接、厳しい事を言われる事もあります。その結果、「難しい子」を何とかしようと、何度も指導を試み続ける事になります。
 でも、「難しい子」を変化させる事は並大抵ではありません。A級教師なら簡単に出来るかもしれませんが、私の様なB級教師は何ヶ月もの時間がかかります。
 その間、担任教師は「難しい子」ばかり見ている事になります。その結果、「自分たちの事を見てくれない」と不満を感じた、「難しい子」以外の子供たちの心が離れてしまって、結局、学級が荒れる…そう言う事例は沢山有ります。
 これは順番が逆なのだ…と私は思います。
 まず、「難しい子」以外…つまり学級全体への指導をしなくてはなりません。「難しい子」以外の子供たちの心をガッチリ掴んだら、そこから「難しい子」に対して指導していきます。教師と子供たちの心がしっかり繋がっていれば、指導に時間がかかったとしても、心が離れる心配はほとんどありませんから。
 つまり、まず全体に指導を行い、それから個別の指導を行う訳です。
 長くなってしまいました。続きは、また次の記事で書きます。

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