見出し画像

夏になると思い出すナイスな思い出

実は昔一瞬だけテレビに出たことがある。
高校生クイズの地方予選。
そこで偶然にも京都ベスト3まで残ったのだ。


一応その時のチームメンバーを紹介しよう。

声をかけてくれたSはハッキリした顔立ちで女の子からもモテるタイプ。通学途中にラブレターをもらったこともある猛者で、男子校ヒエラルキーでは最上位。チームリーダー。

Nは非常に個性的で我が道を行くタイプ。普段からあまり何を考えているか分からないし、もしかしたら家で爆弾くらい作っていたかもしれない。でもマニアックで知識はありそう。知らんけど。参謀。

マイトンは非常に一般的で無個性な高校生。趣味があるわけでもなく、得意なものと言えば人と仲良くすることくらい。おそらくNが暴走した時のストッパーとして呼ばれたものと思われる。モブ。

ここではチーム方位磁針と名付けよう


とにかく夏の思い出を作ろう!をコンセプトに3人は集まった。

Sが「ちょっとでも目立ってテレビ映ろう!」と言うのでNと一緒に人生で初めて髪の毛をスプレーで赤く染めて参加したのだが、Sは1人だけ赤のアフロで登場し、いきなりチーム方位磁針の空気が悪くなったことを覚えている。



特にクイズの勉強をして臨んだ訳でもなかったので、一回戦の◯✖️クイズ3問目あたりであっけなく間違った我々は開始30分で早くも思い出終了となった。



と思いきや、敗者復活戦が始まりなんやかんやで我々はそこから京都ベスト3まで残ったのだ。


近畿地方の各府県代表3チームを前に福澤朗アナの声が響く。

「おまえたち、淡路島にいきたいかーー?! ファイヤーー!!!」

当時ジャストミートの掛け声で有名だった福澤アナに高校生はテンションMAX。
全国大会に向けた最後のクイズは早押しクイズだった。

自分たちが何問正解したのか、他のチームに勝っているのか分からないくらいたくさんの問題が出題される。お昼のロケ弁を食べた後もカメラが回っていないところで問題を解かされた。

そしてようやく早押しクイズを終えた3チームはそれぞれ違うバスに乗り込む。


勝ち残ったチームの乗ったバスだけが明石海峡大橋を渡り、淡路島に到着して全国大会への切符を手にするのだ。


我々は前から2台目のバスに乗り込んだ。


先頭のバスが明石海峡大橋の手前で早速Uターンして帰っていく。どうやら彼らは脱落したようだ。




沸き立つ車中の高校生たち!


そして我々の乗ったバスはまっすぐ明石海峡大橋を進む。


またまた湧き上がる歓声!


そしてそのまま淡路島に到着!!


お互い抱き合って喜んだ!
和歌山代表の女子高生たちともドサクサ紛れに抱き合う!うひょー!



みんな満面の笑顔でこれで全国大会だ!と騒いでいると、再び動き始めるバス。



え、なに?どうゆうこと?



動揺する高校生たちを乗せたバスはそのままゆっくりと再び橋を渡り神戸へと戻り始める。



そして目の前からは3台目のバスが淡路島に上陸してすれ違う。その車中では大歓声を挙げてこちらに手を振る高校生達!




テレビのウザい演出にまんまと踊らされ、歓喜から絶望へと突き落とされた我々はその一部始終をカメラに撮られ、失意のうちに帰路へ着くのだった。



世の中に悪い人はいないと思ってすくすく育っていた私は、そこで初めて大人の汚い世界を見たようですごく悲しかったことを覚えている。




そしてとうとうテレビで放送される日。

結果は残念だったけど、それでも京都ベスト3だ。
早押しクイズもめっちゃやったし、バスの中でもずっとカメラに撮られていた。
さぞかしたくさん画面に映っているだろうと見てみると、ものの見事にチーム方位磁針はSのカットばかりだった。
これがイケメン金棒アフロってやつか。


頑張って探したけど私とNの出番は30秒くらいしかなかった。



それでも母親は喜んでくれたし、私にとっても記憶に残る思い出となった。





それから何年か経って実家に帰った時、テレビ台の引き出しに高校生クイズというラベルが貼られたビデオテープを見つけた。


うわ、懐かしい!久しぶりに見よう!とビデオデッキにテープを入れて再生ボタンを押してみた。



するとそこに映っていたのは









全裸監督で有名なレジェンド村西とおる氏が淑女をねっとりと愛撫する大人の映像だった。





おやじ人の思い出にナニ上書きしてんねん!!




「ナイスですねぇ」
今でも高校生クイズと聞くと、村西とおる氏の上擦った声が脳裏に鮮明に蘇る。


なんのはなしですか


ナイスな23日目

#なんのはなしですか
#66日ライラン
#高校生クイズ
#夏の思い出

この記事が参加している募集

サポートいただきありがとうございます😊嬉しくて一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー