躁鬱日記④躁鬱の春が来る

無事卒業が決まり、何とか4月からの職場が決まったところで、母が私のアパートに来ることになりました。

母にとって、実に4年ぶりの訪問でした。これまでずっと「いや、部屋綺麗だから来なくて大丈夫だよ」と言い続けていました。
本当はその逆で、めちゃくちゃ汚いから見られたくなかったというのが事実です。

母が来る前の週から、とんでもない量のゴミを捨てました。
見られたくないもの、見たら悲しくなっちゃうもの、全部捨てました。
捨てすぎてアパートのゴミ捨て場をはみ出る量のゴミが出て、管理する不動産から電話が来ました。
他の住人も引越しや断捨離をする時期ですので、たくさんゴミが出ても仕方ないと思ってます。

沢山物を捨てたとはいえ、いろんなことが間に合わないまま母はナントカコントカ駅(最寄り)に降り立ちました。
白髪は増えましたが、大量の食材やシーツを持っていることを感じさせないきびきびとした歩き方で登場しました。私とは真逆です。

アパートについて母は私の汚すぎる部屋を見渡して、部屋が汚いことには触れず、
ご飯食べよっか、とだけ言って支度を始めました。
味噌汁だけその場で作ってくれて、あとは母が持ってきた大根の千切りやたけのこご飯を二人で食べました。祖母が作って母に託したものです。

仕事をしていたときもらった大量の缶ビールが、冷蔵庫にありました。
ビールは飲めないのですが捨てるのももったいないし困ったな、と思っていたのですが、母があっという間に全部飲み干しました。


次の日から、母と部屋を大掃除する日々が始まりました。

一緒にご飯に行くという名目で呼び出された一個上の姉も、文句も言わず手伝ってくれました。
姉は片付け中に発掘された小銭(600円くらい)をすべて持ち帰りましたが、時給換算すれば100円にも満たず、申し訳ないです。

部屋はみるみるうちにきれいになりました。
あれだけあった洗濯物の山は綺麗に収納され、冷蔵庫もより生活感が増しました。
ほこりだらけだった冷房も換気扇もぜんぶ綺麗になりました。

母は私が仕事を辞めてしまったこと、適応障害ではなくて躁鬱だったことを知ってからめちゃくちゃ優しくなりました。
実は片付けている間も、私だけ昼寝をしたり、私だけぼーっとしたりする時間がけっこうありました。
それでも、これやったら寝ていいよ、と最低限だけ提示して、あとは好きにさせてくれました。
そして朝昼晩と何かしら作って食べさせてくれました。

母が帰る日、通っていた大学までふたりで散歩しました。
6年前の今頃、入学式の大学は桜満開で、たくさんの親子で溢れかえっていたけれど、
コロナの影響もあり、大学にはほとんどひとがいませんでした。

まだ咲きはじめたばかりの桜の前で写真を撮りました。
ストレスと大幅に乱れた食生活のせいでわたしは入学当初より20キロくらい体重が増えました。服装もジャージでした。
それでも母は嬉しそうに写真を撮っていました。

入学したころにはまだなかった新校舎、
わたしが初めて大学に来た時「こんなところで友達なんてできるわけない」と泣いた食堂、
わたしが万引きを目撃して罪悪感でいっぱいになった書店、
留学したときたくさんお世話になった旅行代理店、
いろんな建物の前を母ととおって、当時のことを思い出しました。

散歩が終わって、母はナントカコントカ駅から電車に乗り、実家に帰っていきました。
本当は劇団四季に連れて行ったりしたかったけれど、出来ませんでした。
6年前に上京したときと同じように、ホームへ向かう母のきびきびとした後姿をみて私は泣きました。
1人でろくに生活もできないまま大人になっちゃってごめん、と、申し訳なくなりました。


あれだけ片付けでにぎやかだった家に、今は一人です。
同棲する予定も結婚する予定もずっとないので、これからまた一人で生きていかなきゃいけないということです。

本当に当たり前というか、人間として最低限のことなのですけれども、
生活することの大切さを母から改めて教わりました。

気持ちが落ち込んだ時も、生きることを最初に大事にしようと思いました。
養ってくれる家族も、世話をしてくれる人も居ないからこそ、自分を一番大事にしたいです。
周りに悩んでる人がいたら、自分を一番大事にしなよと言いたいです。


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