原体験いろいろ

社会人3年目くらいで父の会社に就職し、車のオーディオパネルの組立ラインを任された時のこと。

10名程度の組立ラインにパネルを流して、ボタンを圧入する人やビスを打つ人、シールを貼る人、検査をする人などが並び、手練の主婦たちが機械のような速さで自工程を終え、隣に流していく。

毎日何百台も生産し、某人気ハイブリットカーに関しては国内ほぼ100%を請け負っていた。

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ラインの最後は知的障害の女性。あだなは『まっちゃん(まちこさん)』

彼女の仕事は検査まで終わったパネルを袋に入れ、その袋を折りたたみ、出荷箱に入れること。

他の人のどの仕事よりも見た目は簡単そう。

とある忙しい日の休憩中、ひとりのパート女性(いずみちゃん)が言ったひとこと。

いずみちゃん『まっちゃん、あんたのところはラクでいいね~(悪気はなく冗談交じりに)』

するとまっちゃんが笑いながら答えた。

まっちゃん『あたしバカだからあれしか出来なくて。ごめんね~いずみちゃん』

(二人は基本的に仲良し同士)

別の日。

まっちゃんが私用で休み。

作業者変更の指示を出す。

俺『いずみちゃん、今日まっちゃんの替わりにラスト入って!』

いずみちゃん『ラッキー!楽チン!』

30分後

いずみちゃん『主任!間に合いません!!手伝ってください!!!』

翌日

いずみちゃん『まっちゃん!あんたすごいね!よくあのスピードに間に合うね~』

まっちゃん『ありがと~!でもいずみちゃんたちの方がすごいよ~』

俺『あなた達、みんなすげーよ(心の声)』

うちの会社いいな って思ったいくつかある原体験のひとつ。

#原体験

#福祉

#障害者雇用




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