見出し画像

「売れっ子漫画家×うつ病漫画家」

Twitterで朝話題に登っていたので、pixivで「売れっ子漫画家×うつ病漫画家」という漫画を読んだ。

朝から号泣してしまった。

私は休職こそしているが、「うつ病」ではない。私が言われたのは「適応障害」という診断だった。もっと言えば、私は漫画の主人公のようにゴミ屋敷で極限状態の生活を送っている訳でもない。だが、涙は止まらなかった。

私はあの主人公が置かれた状況と、似た状況に置かれたことがある。似たとは言っても、私は漫画家ではないので自分の作品をどうのこうの、と言われた経験はないのだが。

私が経験したのは、自分自身に関する罵詈雑言を言われた時に、なにを言われたのか覚えていない、ということ。

それを一番最初に経験したのは、おそらく小学校の頃だった。

あれは100%私が悪かったのだが、携帯電話の通信費を使いすぎて叔父に散々怒鳴られたことがあった。……だが怒鳴られた、という記憶しかない。具体的になにを言われたのかは、思い出そうとしても思い出せないのだ。

次にそれを経験したのは、中学生の頃。

教室に通うことができず、相談室に通っていた時のことだ。ある時、学校の教頭先生が相談室に現れて私に教室に通うよう、なにかを早口でまくし立てたことがあった。……ここもなにを言われていたのか、まったく記憶がない。ただ、教頭が去ったあとで号泣したことだけは覚えている。

こんなことが、今までの人生で何度もあった。つい最近で言えば、仕事で様々な原因が重なってミスになりかけた時のこと。私だけが上長に咎められてしまった時も、なにを言われたのか前後の記憶がない。

私はどうやら自分のキャパシティをオーバーした時、その前後に言われたすべての言葉が記憶からすっぽりと抜けてしまうようなのだ。おそらく防衛本能なのだと思う。

漫画の主人公も、自分の描いた漫画についての批評ですらない悪口を言われた時、ただのノイズのようになにを言われたのか記憶が抜けてしまうという経験をしている。なんとなく、他人ごととは思えないのである。



Twitterでその漫画について検索してみると、どうやら「売れっ子漫画家×うつ病漫画家」を書いたのはアマチュアではなくプロであるらしい。だが商業に描いている名前ではなく別名義で、しかもこっそりとpixivという媒体に作品をアップしているのだ。それ以上の詮索は野暮というものだろう。

私はこの「売れっ子漫画家×うつ病漫画家」の続きを、終わりまでを読みたい。それ以上でもそれ以下でもない。だからこっそりと、その作者のアカウントをフォローした。

現在作品は4話までアップされているが、作者曰わく3~40話程度になる予定という。終わるまでどれくらいの時間がかかってもいい、最終回まで座して待ち続けようと思う。

もし興味が湧いたという方がいればpixivで無料で(!)読めるので、「売れっ子漫画家×うつ病漫画家」と検索してみて欲しい。きっとなにか、感じるものがあるはずだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?