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10人に1人が兆候あり 「産後うつ」かなと思ったら?

こんにちは。
子育てママのゆきです。
今日は産後のママについてのお話をしたいと思います。
子どもが生まれてすぐは嬉しい半面、体調が悪く、子育ての不安も加わりストレスも増えます。
専門家は「どんな健康な人でも産後うつになる可能性がある」と言います。
今回のコラムはぜひママだけでなくパパやご家族の方も読んでいただきたいなと思います。

産後うつってどんな症状?

気分の落ち込みが続き、嬉しいことも喜べなくなります。

産後3か月以内は注意して

「赤ちゃんが生まれて嬉しいはずなのに、気分が落ち込んですぐイライラしてしまう」
「赤ちゃんの世話をしたくても、だるくて身体が動かない」

もしそんな状態が続いていたら、用心したいのが産後うつです。
産後うつとは、子育てを始めたばかりのお母さんがなりやすい心の病です。
産後うつが起きる時期は人によって様々です。
多いのは産後1~2か月以内ですが、出産後、数か月してから起こることもあります。
ある研究センターで、産後3か月以内の女性を対象に、産後うつのリスクを判定する「エジンバラ産後うつ質問票」による調査が実施されました。
すると、およそ10人に1人という高い割合で兆候が見られたといいます。
具体的な症状は、冒頭にあげたような気分の落ち込みやイライラ、倦怠感などです。
もっとも、産後間もない時期は出産による身体のダメージがあったり、生活が不規則で疲れたり、慣れない育児の不安もあって気持ちがふさいだりするのはよくあること。
では、その状態と産後うつとはどこが違うのでしょう。
精神科の先生が診断の際に、特に注意することは2つだそうです。

  1. 持続する「抑うつ気分」

  2. 「興味または喜びの消失」

つまり1日中気分が落ち込み、その状態が何週間も続く点、また、赤ちゃんがにこっと微笑みを浮かべてもかわいいと感じない等、本来なら嬉しかったり楽しかったりすることがそう思えない点。この2点が産後にあって、日常生活に支障をきたしているようであれば産後うつが疑われます。

マタニティーブルーとの違い

この産後うつと混同されやすいのが、マタニティーブルーです。
マタニティーブルーは、3~4割の人が経験するともいわれ、訳もなく悲しい気持ちになって涙が出たり、寝つきが悪くなったりと症状は産後うつとよく似ています。
ただし、マタニティーブルーは妊娠中や出産直後になりやすく、続いても10日程度と一過性のものです。
対して産後うつは長期にわたって心の不調が続きます。
放っておくと重症化することもあります。
こじらせると育児ができなくなるなど日常生活に支障をきたし、そのために赤ちゃんの情緒が十分に発達せず、将来にまで悪影響を及ぼすという研究報告もあるといいます。
さらに、非常にまれではありますが、最悪の場合、衝動的に赤ちゃんを手にかけてしまうことや、自殺に至ることもあるため深刻です。

何が原因なの?

ホルモンバランスが大きく変わることが原因かも

産後うつの原因として、最も影響が大きいとされるのが、ホルモンバランスの乱れです。
出産で胎盤が体外へ排出されると女性ホルモンの一つ、エストロゲンが一気に減ります。
エストロゲンは精神を安定させる脳内物質、セロトニンの効きに関わるともいわれており、減少すると感情が不安定になりやすいのです。
またストレスも産後うつの原因と指摘されています。
産後間もない時期はあたふたしがちです。
おっぱいが足りているか、おむつかぶれはしていないかなどと、心配事も山積み。
しかも3時間おきの夜間の授乳も待っていて、睡眠は細切れになります。
ホルモンバランスが乱れているところに、そうした心身のストレスが重なるとダメージは倍増してしまうのです。

特にかかりやすい人はいるの?

「独りぼっち」と感じている人は注意を

産後うつは誰にでも起こり得るものですが、その中でもかかりやすい人の傾向が調査で指摘されています。
まず多いのは、初めてお産をする女性です。
第2子、第3子の出産のときと違い、すべてが初めてのことばかりですから、不安やプレッシャーは大きいのでしょう。
さらに、産後うつとつながりがあるのが、精神障害(精神疾患)の既往歴です。
妊娠中にうつ傾向がみられた人は、産後うつのリスクも高いようです。
妊娠期間でも特に初期のころはつわりによって気分が優れず、精神的に落ち込みがちです。
精神的に繊細な特性がある人は、出産や育児で負担が増えたりすると、うつになりやすいかもしれません。

かかってしまったらどんな治療をするの?

軽いならゆっくり休むことでよくなる

産後うつは、症状が進むと気力が著しく低下するため、自分からSOSを出すことすら難しくなってしまいます。
家族など周りの人たちが兆候を察知して、助けの手を差し伸べることが不可欠です。
実際、早い段階で対処すれば軽度で済むことが多いようです。
通院や投薬をしなくても、母親の育児や家事の負担を減らし、ゆっくり休めるように環境を整えることで快方に向かうことがほとんどなのです。
例えば、ママがゆっくり寝られるように夜中のミルクはパパが担当したり、家事はおじいちゃんやおばあちゃんにお願いしたり、家事代行サービスを利用したりと、家族の状況に応じて工夫するといいですね。
周囲の人の何気ない一言が、育児に関して強いプレッシャーになり、悪化させてしまうことがあるから注意したいですね。
疲れてだるそうにしているときに、夫や両親から「母親なんだからしっかりしなさい。」「大変なのはみんな一緒。」「頑張りなさい。」などと声をかけられると、「他の母親はできていることが自分だけできない。もっと頑張らないと…」とどんどん追い詰められていきます。
こういうケースは周りに気づいてもらえないことが多く、重症化してしまうことも少なくありません。
姑との不和はよく聞く話ですが、実母との関係が悪い場合も気をつけたいところです。
身体を休められるように里帰りをしたら、逆に精神的に病んでしまったというケースもあり、里帰りをすればいいというものでもないようです。

早めの対処で完治しやすい

重症の場合は、環境を整えるだけでなく、医療機関で適切な治療を受ける必要があります。
先にあげたような心の不調で、日常生活や育児に大きな支障が出てているようであれば、医師の診察を受けることをお勧めします。
産後うつになってしまった場合には、つらい気持ちを周りの人に受け止めてもらうことが大切です。
つらい気持ちを抱え込んで我慢するのはよくありません。
また、本人の負担を減らしてできるだけ休めるような環境調整も必要です。症状がある程度重ければ抗うつ剤などの薬を使って治療をしていきます。
長くても数か月で良くなることが多いです。
産後うつの治療には、母乳への影響に心配のない薬を使いますので、投薬中でもおっぱいをあげられます。
適切な治療を受ければ、ほかのうつに比べ完治しやすいのが産後うつの特徴です。

どこに相談するといいか?

重度のうつ症状がみられるときは、精神科の専門医に診てもらうのが鉄則ですが、病院にいくべきかどうか判断がつかないなら、まずは自治体の保健師か、産院の助産師に相談してみましょう。
近年は、妊娠して母子手帳をもらうときに、保健師と面談をする「妊婦面談」を行う自治体が増えています。
妊娠や出産の相談に乗ってくれたり、サポート制度を説明してくれたり、子育てを応援するグッズをプレゼントしてくれたりする場合もあります。
一度話をしている保健師さんになら相談しやすいですよね。

産後うつの相談先の例


○地域の保健師…妊婦面談や新生児訪問で面識のある保健師さんに相談してみましょう。面識がなくてももちろん相談に乗ってくれます。

○産院の助産師…子どもを出産した産院に相談を。担当の助産師さんがいれば相談しやすいです。
○かかりつけ医…母親自身のかかりつけ医は相談しやすいです。

○母乳外来…授乳の方法や、子どもの母乳の飲み方など、母乳についての悩みを相談できる場所。主に助産師が担当している。

○産後ケア施設…産後のお母さんの体を休める施設。育児のアドバイスや相談ができるほか、マッサージを受けるなど、お母さんが身も心もゆっくりできる。

万が一、産後うつになったときに備えて、自分が住む地域の相談窓口や産後ケア施設を出産前に調べておくと安心です。
もちろん、その内容は家族とも共有しておきましょう。
自分からアクションを起こす気力がわかないのが産後うつです。夫や家族などのサポートが必須です。


本日もお読みいただきありがとうございました。

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