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赤ちゃんの予防接種について その3

こんにちは。子育てママのゆきです。皆さんお元気ですか。

今回は、予防接種についてのお話の続きをしていきたいと思います。
前回は0歳の間の予防接種についてお話しました。
今回は1歳以降の予防接種についてです。


前回のnoteはこちら

1歳になったら接種するワクチンは?

では1歳のお誕生日が来たら受けるワクチンにはどのようなものがあるのでしょうか。
1歳になったら最初に受けたいのは、MR(麻疹・風疹)ワクチンです。
麻疹は命に関わる病気ですが、何も特効薬がありません。
罹ってしまえば大変です。

他に受けたいのが、水痘(みずぼうそう)ワクチンとおたふくかぜワクチンです。
それぞれのワクチンと病気について詳しくお話しますね。

麻疹・風疹

麻疹は「はしか」とも呼ばれ、麻疹ウイルスの感染によって起こる感染症です。
麻疹ウイルスは人のみに感染するウイルスであり、人から人へと感染していきます。
感染力は極めて高く、麻疹に対して免疫がない人が感染すると、90%以上が発病し、不顕性感染はほとんどないことも特徴の一つです。 

 また、麻疹は空気感染する感染症です。
麻疹ウイルスの直径は100~250nmであり、飛沫核の状態で空中を浮遊し、それを吸い込むことで感染しますので、マスクを装着しても感染を防ぐことは困難です。
唯一の予防手段は、予めワクチンを接種して、免疫を獲得しておくことです。

風疹は、日本では一般に「三日ばしか」とも呼ばれています。
感染力は麻疹に比べると弱いですが、インフルエンザよりは強いと言われています。
こちらも麻疹同様に、ワクチンによる予防接種のみが、発症の予防手段とされていますが、日本では、ワクチン接種を受けていない成人男性が多く、ワクチン接種機会のなかった30歳以上50歳未満の年齢層に流行が拡大しています。

MR(麻疹・風疹)ワクチンは1回接種すると、終生免疫(一生続く免疫)が得られると考えられていました。
ところが、ワクチンを接種しても麻疹・風疹に罹る人が見られます。

原因の一つは、ワクチン1回接種ではわずかではありますが、十分な免疫ができないことがあるためです。
もう一つの原因は、接種後、年数が経過するにつれて、免疫が弱まるためです。そのため、MR(麻疹・風疹)ワクチンは小学校入学前に2回目接種を行っています。
2回接種した人でも稀に発症しますが、感染力は弱く、症状も軽く済むことが多いです。

接種方法としては、1歳になったらすぐ1回目を接種し、小学校入学前(年長)の1年間の間に2回目を接種します。

先天性風疹症候群って?

それとここで大切なお話をしておかなくてはなりません。
皆さん先天性風疹症候群ってご存知ですか?

妊娠初期に妊婦さんが風疹にかかると生まれてくる赤ちゃんに障害が見られることがあります。
これを先天性風疹症候群といいますが、妊娠週数が早いほど、障害の率が高く、症状も重くなります。

白内障は妊娠2か月まで、心臓の異常は3か月まで、難聴は5か月までの感染で起こるとされています。
これらの障害は、あらかじめワクチンを接種していれば、防ぐことが出来ますので、生まれてくる赤ちゃんのためにもワクチンは大切です。

水痘(みずぼうそう)

水痘はみずぼうそうとも呼ばれ、とても感染力の強い病気です。全身に水泡が出来ることが特徴です。
2014年から日本では定期接種となりました。定期接種の効果は絶大で、小児のみずぼうそう患者は激減しました。

接種方法としては、1歳になったら1回目をMRワクチンと同時接種で接種し、3か月以上あけて2回目を接種します。

現在5歳以上の小児は水痘ワクチンの定期接種の機会がありませんでした。
大人になってからの水痘は極めて重症のため、もし未接種である、罹ったこともないという人は、任意接種にはなりますが、水痘ワクチン接種を検討して頂きたいと思います。

おたふくかぜ(ムンプス)

おたふくかぜは残念ながらまだ、小児の定期接種対象になっていません。(任意接種)

そのため、4~6年に1回大きな流行を繰り返しています。
ここで、あまり知られていないのが、おたふくかぜに罹ると、1000人に1人くらいの頻度で、高い音が聞こえにくくなるという難聴の合併が報告されているということです。

ムンプス難聴と呼ばれます。通常の会話には支障がないため、気が付かずに経過して、たまたま就学時の健診で見つかるということがよくあります。
ムンプス難聴は片側性であることが多いものの、一部の方は両側性難聴であり、この難聴は高度難聴で聴力の回復は難しくなります。

そのため、おたふくかぜワクチンの定期接種化も望まれているところです。
今はまだ任意接種ですが、このムンプス難聴を予防するためにもとても大切なワクチンといえます。

日本脳炎ワクチン

日本脳炎は日本脳炎ウイルスに感染した蚊(コガタアカイエカ)に刺されてうつる感染症です。

人から人へ感染することはありませんが、蚊の活動が活発になる夏には注意が必要です。

実際は、日本脳炎ウイルスに感染してもほとんどの人は症状がなく、気が付かない程度ですんでしまいます。
しかし、100~1000人に1人程度が脳炎を発症します。

発症すると、約20~40%の人が亡くなり、命を取りとめても、多くの人が神経の後遺症(脳の障害)を残す病気です。

日本脳炎ワクチンは生後6か月からでも接種できますが、通常は3歳以後に接種します。
接種方法としては、1~4週間隔で2回接種し、2回目の約1年後に3回目を接種します。
3回の接種で基礎免疫をつけたことになります。
またその後、第2期として9~12歳に1回接種します。

日本脳炎ワクチンの特例措置

過去に使用された古いタイプの日本脳炎ワクチンの接種後に神経系の病気である脳炎の一種のADEM(アデム:亜急性散在性脳脊髄炎)の重症例がおこったとして、2005年5月から積極的な推奨が差し控えられました。

しかし、医学的にみるとワクチンが原因とは考えにくく、WHO(世界保健機関)でも、日本脳炎は重大な感染症であり、そのワクチンが原因という科学的な理由はなく、ワクチン接種は必要であると言っています。
現在使用できるものは、新しい細胞培養ワクチンだけです。
このワクチンの安全性も十分確認されています。

お子さんの年齢によっては、予防接種の機会を逃した方がおられると思いますので、母子手帳を見て、お子さんの予防接種歴を確認してみてくださいね。

また、上記以外に一歳以後には、ヒブワクチン 、肺炎球菌ワクチン、4種混合ワクチンの4回目の接種(追加接種)があります。


いかがでしたか。1歳以降のワクチンも大切なものが沢山ありますね。
かかりつけの小児科さんでぜひご相談いただき、スケジュールを考えてみてくださいね。
また、今一度お子さんの母子手帳を見て、接種し忘れたものがないか確認して頂きたいと思います。

今日もお読みいただきありがとうございました。


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