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小中学生の音楽づくり体験ワークショップ

今年度、千葉県佐倉市内にて夏と秋に小中学生を対象とした音楽づくりの体験ワークショップが行われました。ワークショップでは私、ゆうなみが講師を務め、ピアニスト・作曲家の益山真理子さんにサポート講師をしていただきました。このワークショップでは作詞ステップに沿ってグループごとに歌詞を作り、完成した歌詞にその場で講師によって曲をつけていきました。メロディをつける際も参加者の小中学生の皆さんに細かいニュアンスを尋ね、最後には曲が完成します。

1.音楽×教育×心の健康

ワークショップを行う目的として、下記のようなことを掲げました。
・作詞作曲を身近に感じ、音楽で表現することの楽しさを知っていただく
・コロナ禍による日常の変化を改めて考え、未来へ繋げていく
・気持ちを表現する機会を設け互いの気持ちに気づき思いやりの心を育む

2.夏の音楽づくりワークショップ

1回目は夏休みの8月7日に開催し、市内の小中学生8名が参加しました。
▽みんなで作った曲がこちら「光の花」

テーマは「コロナ禍におけるこの2年間の変化、そして今ここから…」

このワークショップは一般公募のため、ほとんどの参加者が初対面です。だからこそ余計な遠慮はせずに、子どもたち同士で心のうちを伝え合うことの大切さがありました。
大人でさえこの2年間の変化はとても大変だったのではないでしょうか。子どもたちはきっと大人よりも自由がない中で、変化する環境に時に我慢したり、時にホッとしたり、きっと揺さぶられつつもたくましく頑張ってきたと思います。

歌詞「光の花」が完成しました

曲の構成を【Aメロ】【Bメロ】【サビ】に予め設定し、具体的なシーンやテーマを講師から提示し、グループごとに歌詞を作っていきました。最初のうちはなかなかアイディアや言葉が浮かばないグループもあったので間に入って一緒に考えたりしていましたが、歌詞を紡いでいくうちに、子どもたちからこだわりや意志がはっきりと出てくるようになりました。

「光の花」

登校でのマスク
息切れするはずなかった
帰り道のマスク
外してみたら懐かしい

友達と会えないけど
ひとりも好き 寂しい気持ち

また見たいな いつかの思い出
光の花 小さい頃見た
この光がまた 届きますように

作詞:8名の小中学生、ゆうなみ/作曲:ゆうなみ、益山真理子

例えばAメロ歌詞は同じ「マスク」という言葉が続いていますが、それぞれに微妙なニュアンスがあるからあえてこのままにしたいと言う意志だったり(歌詞を作るアドバイスとして、なるべく同じ言葉は使わない方がスマートとお伝えしていました)、Bメロは思春期の自分達の微妙な空気感を表現したくて、寂しさとひとりで過ごすことの気楽さの中で揺れている感じを出したいなど、心の中の繊細なところを素敵に表現してくれました。サビでは一番年上だった中学生の参加者が、他の小学生の参加者の意見を取りまとめてくれながらも、共通の「夏の花火」の思い出を歌詞として印象的な言葉で残してくれました。

その場で作曲

ピアニストの益山真理子さんと私による共同の作曲の過程を参加者にお見せしました。歌詞の具体的なニュアンス…例えば「ひとりも好き」と言うのは、本当は寂しいけど強がっていってるのか、それともテンションが上がってワクワクとした好き!と言う気持ちなのか…などを確認しながら、時折メロディの選択肢を提案して曲づくりを進めていきました。

3.秋の音楽づくりワークショップ

2回目は11月13日に開催し、市内の小中学生6名が参加しました。
▽みんなで作った曲がこちら「虹色の世界へ」

テーマは「どんな未来にしたい?もう一人の自分との会話」

「もう一人の自分が、現実の自分の悩みごとを聞いてあげる」といった設定で、歌詞づくりをしました。
この2年で日常に変化があったけど、今どんなこと感じていますか?
希望に溢れていますか?それとも悩んでいますか?
もし悩みごとがあるとしたら…想像の中で、もう一人の自分をつくって励ましてみよう、という感じに進めていきました。

歌詞「虹色の世界へ」が完成しました

歌詞づくりを進めていくにつれて、【Aメロ】【Bメロ】【サビ】の前後の雰囲気をあわせたいと子ども達自身で思うようになり、それぞれのグループごとに様子を探って完成していきました。

「虹色の世界へ」

群青色の空の下 白い月の
輝きを見た 君の横顔

ページをめくる様に一歩ずつ
やさしく寄り添いながら
怖がらないで
今も元気にしているよ

虹色に世界が染まりながら
悲しい気持ちに終わりを告げ
隣の君が笑っていられる様に
今日も私は歌って行く

作詞:6人の小中学生/作曲:ゆうなみ、益山真理子、岩切信一郎

Aメロはどんな雰囲気でスタートするのが良いのか…曲の初めの印象はとっても大事だと考えて最後まで悩み抜いて作っていました。Bメロは読書が好きな小学生の女の子が素敵な言葉の表現をしてくれました。サビはこれからについて語っている部分ですが、今も続いているコロナ禍や世界で起きている問題などを踏まえつつ、どんな未来にしたいのかを想像しながらサビらしい「虹色」という印象的な言葉で描いてくれました。

4.はじめての音楽づくり体験ワークショップを終えて

私は音楽をはじめアートに正解はない、と考えています。自分自身が素直に表現したいことをリリースする。でもそのリリースしたものに責任をもつ。これはプロでもアマチュアでも一緒だと考えています。一番避けたいのは、自分自身に嘘をついてしまうこと。だからこそ自分の心の内を見つめることは大事なのだと、コロナ禍で時間ができた時に感じていました。子どもたちの素直さや無邪気さが音楽に表現されていく過程は、大人の私も見習いたいと思う部分がたくさん有りました。

今回、地元企業の株式会社東照電気様・株式会社常磐植物化学研究所様・岩渕薬品株式会社様にご支援を受け、佐倉市教育委員会後援・ファインディング佐倉主催のもと開催することができました。ありがとうございました。

主催:ファインディング佐倉
後援:佐倉市教育委員会
協賛:株式会社東照電気
   株式会社常磐植物化学研究所
   岩渕薬品株式会社
場所:SobaCafe301
映像制作:官林春奈(夏開催)・下川洋輔(秋開催)
協力:岩切信一郎
サポート講師:益山真理子
講師:ゆうなみ

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