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辻村ちひろ 不定期配信より 部分文字起こし その4【日本のプラスチック問題〜周回遅れの環境法制】


こんにちは。辻村ちひろさんと自然保護について学ぶ会、略称WithChihiroです。
私たちは自然保護アナリスト 辻村ちひろさんをセンセイに、生物の多様性について、気候変動について、自然保護をめぐる日本の法律について、自然保護の歴史について…さまざまな角度から自然保護や環境問題について学んでいます。

普段は辻村さんの不定期配信などを見たりする自主学習です。辻村さんの配信は内容が多岐にわたり情報も多いのでそこに出てきた言葉を調べるだけでもかなりの勉強になります。
時々オンラインでの学習会を主催して全国・世界中から集まってくださる皆さんと共に学びを深める時間も持っております。(次回学習会は5月27日)

自然保護の現状や問題点、また、それについて私たちにできることはなにか?ともに学びを深めながら、その中で実際の活動におけるヒントがあったらいいな、具体的に動くきっかけが得られる場になったらいいなと思っています。

2023/05/01 不定期配信より その4

今回のnoteでは2023年5月1日の辻村ちひろさんの不定期配信より、部分抜粋して文字起こしをしました。その4になります。

配信の全文の文字起こしは難しいので、全体を知りたい方はぜひ辻村さんYouTubeをご覧ください。また、5月27日開催のWithChihiro第6回目の学習会は「プラスチック」をテーマに、より掘り下げ、より幅広い内容でお話ししてもらいたいと思っています。(WithChihiroの学習会はオンラインで行いますが、質疑応答の時間もしっかりとっています。ぜひ、一緒に辻村さんのお話を聞いてみませんか?参加申し込みなどはこちらの投稿の最後にもご案内しております。)

まだまだ勉強が至らず、もしかして辻村さんの意図したことではない文字起こしをしてしまっているかもしれません。間違いがあった際は「ここはこう言ってるんじゃないの?」と教えていただければとってもありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします!

https://www.youtube.com/watch?v=so_ntEZM-xc



日本はやっぱり世界中から様々なことを収奪する形で成立している、経済成立している国になっていますので、そこをいかに収奪をしないようにしていくかってことを考えなきゃいけないですよね、僕はそう思っています。
まあ、だからね日本一個分の暮らしをっていう言い方をしてましたけれど、でも日本一個分の暮らしっていう考え方っていうかキャッチフレーズもそのなんか、ともすれば日本は素晴らしいに結びつけられそうで嫌ですけど…私は日本の持っている自然環境のポテンシャルの中で出来る事っていうのが一つのやっぱり、何だろうな、上限になるんじゃないかなっていう風に思っています。

それを目指していくっていうことの部分に、まだまだ日本経済の成長の過程というか、要素があると思ってるんですね。だからなんか、ともすれば成長の限界みたいな部分と、いわゆる経済成長を諦めて、豊かな幸福な世界を求めようっていうこと、そうじゃないのかみたいな対立軸みたいな感じになってますよね

脱成長っていうようなことっていうのも言われてますけど、僕はまだまだ日本っていうのは、要するに環境面では、環境政策面でものすごく遅れてるので、ここを持ち上げていけばまだまだ成長する余地があるっていうふうに思っています。

で、それも日本一個分でみんなが回るようになってきた時に、本当に脱成長を求めた方がいいのか、それともそうじゃないのかっていう議論は出てくると思うんですけれど、今の段階ではやっぱり、これだけずっと不景気が続いている日本、いわゆる不景気というのはお金が市中に廻っていない状態ですよね。そのいわゆる経済成長が止まった状態、その経済成長が止まっているわけですよ、沈んじゃってるわけですからそれをもう一度戻すっていうところにはその分の伸びしろがあるわけだし、更にその産業構造を変えていくとか、それから遅れている環境に関することで、本当に環境に関してのお金ってほとんど使われてないに等しいと思いますから、だからそういうところで、まだまだ脱成長を目指すよりは環境を伸ばしていく、環境保全がもう当たり前という状態の技術というのを伸ばしていくっていうところに
まだまだ伸びしろがあるって僕は思っていきます。

それの最たる面はプラスチックもでもそうだし、まずは世界から非常識とされている部分っていうのを常識に近づけていくということです

そうすると、何でもかんでも外国がいいっていう見立てしてるんだっていう風に見られがちなんですけど別にそうは思ってなくて、ただ環境に関しては本当に周回遅れなので。環境問題に関してはだからこそもっともっと成長伸びしろがあると思います。

なぜ環境に対してものすごく周回遅れになってるのかっていうのは、日本の持っている環境に関する法律が周回遅れっていうところに表れてると思うんです。

例えば環境影響評価っていうね、(工事など)何かをやる時に環境への影響評価していかに環境が壊れないようにするのかっていうシステム自体も、遅れてます。

環境裁判所っていうものもないので環境問題で裁判を起こしてもほぼほぼ原告適格がないと言って門前払いですっていう状況な訳ですよね。

よく環境問題で中国とかを引き合いに出す方いるんですけど、中国でさえっていう言い方をすると中国に失礼ですけど、中国には環境裁判所がありますから、環境問題に特化した裁判所っていうのがあるんです。日本にはないですね。

日本は、例えば僕がいた日本自然保護協会のように日本の自然環境を保全することを目的に掲げた、で、それで認可された公益財団法人にさえ訴権がないという状況ですね。

リニア中央新幹線の時も、その沿線住民の方たちが裁判を起こしましたけど、その原告に名前をたくさんの方が連ねましたけど、多くの方たちが適格なしにされました。それはその完全に線路が通るその上とかっていう限定されたところに土地を持ってるとか住んでるとかそういう人たちしか適格がないとされたわけですよ。

なので、例えば奄美の時は奄美のクロウサギを原告にしたり、北海道では林道計画のときにスーパー林道の時にナキウサギを原告にしたりとか、弁護士さんとしてはもう一生懸命知恵を絞って裁判に持ち込んでる、そういうやり方しか、今、日本はできないという状況があるわけですね。

だから周回遅れでしかなんでもないんですよ。
だからその日本の自然環境っていうのは壊されても、誰もその壊したことの責任を取らないっていうことになるわけですよね。

絶滅危惧種を、その天然記念物を棄損したら罪に問われますけれど、普通に天然記念物とかになっていない絶滅危惧種数も減っているものを棄損しても誰も罪に問われないですよね。
だから環境開発開発行為をして、例えばダムとかでもいいですよ、壊してしまいましたということをしても誰も罪に問われないですよね。それも僕は周回遅れだと思います。


今回の文字起こしは以上です。

プラスチック問題から始まり、日本の環境法制がいかに世界から遅れたものになっているかについて、またその遅れた環境分野を伸ばしていくことが日本の経済成長にもつながる、という話題につながっていきました。
環境問題は遠いどこかで起こっていることじゃない、自分たちの生活そのものに深く関係しているということを改めて考えさせられます。


5月27日(土)よる8時より、ZoomにてWithChihiro第6回学習会「プラスチック」を予定しております。チケット販売準備中。もう少々お待ちください。

Yahoo!のサービスの一つの「パスマーケット」での販売、および、パスマーケットが利用できない方に向けては直接販売も行います。

パスマーケット利用方法についてはこちらからご確認できます。

学生さんは無料ご招待です(withchihiroshizenhogo@gmail.comまでメールでお申し込みくださいね。参加アドレスをお伝えします。学生証などの提示は不要です。)


WithChihiroオンライン学習会の特徴!

  • 質疑応答時間あります

  • 参加予定者さんのテーマに関した事前質問受け付けます

  • 録画配信します(終了後、約1ヶ月見れます)

  • 録画配信を見ての質問がある場合もメールにて質問受け付けます

  • 文字起こしチームによる当日の文字起こしを参加者にシェアします(希望があれば)

  • 学生さんは無料招待


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