コロナが生み出す新しいエンタメの潮流

 先日、コロナ後初のNetflix決算が発表され、有料会員数、視聴時間を大きく伸ばし、好調ぶりが示されました。一方、オフラインのイベントを軸にしたエンタメ事業者はイベントの中止・延期に伴い、甚大な影響を受けています。

 今日は、これまでのエンタメ(明確に定義するのは難しいので、下記を総称したものとします。)をオフライン・オンライン、みんなで楽しむ・ひとりで楽しむの2軸で4つのカテゴリに整理(企画内容によって複数カテゴリに跨ぐものもありますが)し、これからのエンタメがどう変化していきそうか個人的な見解ですが、箇条書きしていきたいと思います。

オフライン/みんなで楽しむ ⇒ フェス、ライブ、テーマパーク、スポーツ観戦など

オフライン/ひとりで楽しむ ⇒ 映画、観劇、美術館など

オンライン/みんなで楽しむ ⇒ ライブ配信(SHOWROOMなど)、交流系ゲーム(どうぶつの森など)など

オンライン/ひとりで楽しむ ⇒ コンテンツ配信(動画・音楽・漫画)など

前提として、新型ウイルスの蔓延とそれに伴う外出自粛が発生するリスクがこれからも顕在化し続ける。オフラインならではの良さがあるため、すべてのエンタメがオンラインで完結するようにはならないと考えています。

(オンラインエンタメのこれから)
●オンラインイベントが増え、それをサポートするツールも多様化する。
●動画配信する人が増え、配信や販売の場も多様化する。
●友人らとビデオ会議ツールをつなぎっぱなしにしながら共通体験する形のエンタメが出てくる。
●動画配信サービスに加入しているのが当たり前になり、話題についていけなくなる。
●オンラインイベントで人気が出たものが、オフラインイベント化される流れができる。
●オンラインイベント参加に適したデバイス(ユニット)が開発される。
●オンラインイベント用のアバターを持つのが一般的になる。
●オンラインイベント参加用のスペース(ブース的な)ができる。
●オンライン上でスタジオが構成されて番組配信できるようになり、スタジオ(付随して音響、カメラマン、照明さんなど)が不要になる。
●今までオンラインで配信されてこなかったものまで配信サービスになる。(美術展の鑑賞体験や水族館や動物園の回遊体験など)
●オフラインのエンタメのオンライン化が進む。(オンライン水族館、オンライン美術館、オンラインフェスなど)
●オンラインのエンタメが、視覚と聴覚以外も楽しめるようになる。
●オンラインでも遜色ないオフラインイベントはどんどんオンライン開催に置き換わる。

(オフラインエンタメのこれから)
●オフラインイベントのオンライン対応が一般的になる。
●オフラインイベントのオンライン参加チケットが販売されるようになる。
●人をたくさん集めてぎゅうぎゅうで体験、観戦、鑑賞するタイプのオフラインエンタメが少なくなる。
●オフライン参加者が限定され同伴者はオンライン参加となるイベントが増える。
●オフラインのエンタメ会場は複数種類の使用目的を兼ねられるようになる。(映画もミュージカルもライブも対応できる会場みたいな。)
●オフラインのエンタメ会場はエンタメ以外の用途の会場を開催時のみコンバートする形になる。(普段は飲食店だが、上映時のみ映画館になるみたいな。)
●オフラインの会場装飾はAR上で表現され、参加者は全員ARグラスを通して観戦、鑑賞する。
●オフライン参加者とオンライン参加者が交流できるようになる。
●オフライン参加とオンライン参加を当日の気分で選べるようになる。
●オフライン出演とオンライン出演が混在するのが普通になる。
●オフラインイベントにありがちな混雑や待機列がなくなる。
●オフラインならではの非日常感を追求したエンタメが増える。
●オフラインイベントのオンライン参加チケットの販売、サブスクサービスが登場する。

ざっくりまとめると、オンラインのエンタメは競争激しくなりそうですが、新しい切り口もどんどん出てきて広がっていく。オフラインのエンタメはオンライン参加も含めた収支設計する、もしくは、そのエンタメ専用の箱ではなく会場のハイブリッド化(エンタメ以外の用途も含めての)をするが進んでいくのではないか。(特にクラブと映画館が厳しそうです)
事業機会としては、オフラインイベントがオンラインからの収益化もできるよう支援するビジネスやオフラインエンタメでも使用できるハイブリッドなスペースの開発なんかがありそうですね。

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