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4足の草鞋

2024年4月から、4足の草鞋で活動しています。
履いた(?)順番から言うと

2013年4月〜インストラクター(業務委託)
2021年9月〜NPO法人日本プール利用推進協会代表理事(無報酬)
2022年7月〜NPO法人二枚目の名刺事業管理(業務委託)
2024年4月〜NPO法人サンカクシャ広報・ファンドレイジング担当(業務委託)

たまに、「他のNPO法人で活動せずに、自分のNPO法人の活動に時間を割きたいと思わないの?」と聞かれます。
これに対しては「他のNPO法人からインプットしたことが、自分のNPO法人に活かせるんです」と答えています。
これ、嘘ではありません。でも100%の理由ではありません。

私が他のNPO法人のスタッフでいるのは、ただ単に「やりたいから」。
始まりは自分のNPO法人をどうやって運営していくかでした。
実際の運営を知りたくて、二枚目の名刺で事務局に応募し
資金調達方法を知りたくてファンドレイジングスクールに通い
自分の団体の運営とは別に「ファンドレイジング」をしたくなってサンカクシャに参画しました。

フリーランスインストラクターとして働き始めた時は、まさかこんな働き方をしているなんて夢にも思っていなかった。

ただ近年は「パラレルキャリア」「副業」「リスキリング」など必ずしも1つの仕事、1つの生き方を選ぶ必要はないという考えが広まっていて
業務委託という複数箇所で働く働き方をしてきた私には、それがプールの外になっただけなので、自然な事だったのかもしれません。
(余談ですが、最近「キャリアアンカー診断」をしたら、私は業務委託の働き方がベストと出ました。フリーになってから働きやすくなった感覚が証明された気がして少し安心&スッキリしました。)

非営利組織に関わるキャリアを始めてから
「社会貢献活動をしているなんて、すごいね!」
と言われるようになりました。
そう言っていただけるのは光栄だし、興味を持っていただけるのも嬉しい。
私自身も関わる前は「社会貢献活動をする人って、偉いな。」という感覚でした。
でも、私を含めソーシャル領域で活動している人の話を聞くと、ちょっと違うようです。
彼らは(私も含めて)ただ単純に「やりたいからやっている」だけ。
自分を犠牲にしてというのはあまり感じたことがなく、「楽しい」という言葉すら聞かれます。

NPO法人を含め非営利組織が取り組む活動は、いわば「最先端の課題」です。
公的に仕組みや制度があるわけでもない(まだ仕組みや制度が出来上がっていない)し、複雑に入り組んでいて仕組みや制度を作ったからといって解決できるものでもない。

私は、自分が代表を務めるNPO法人はどちらかというと「価値創造型」に近い領域だと思っています。
マイナスをプラスにするというよりかは、0もしくは小さな数字を1や大きな数字にしていく。
対して「課題解決型」は、まさにマイナスをプラスに変えていく作業。
しかもどのくらいのマイナスなのか、何をすればプラスになるのか(なっているのか)もわからないことも多いです。
それを、市民団体がお金を含めたあらゆる資源を自分たちで獲得しながら自分たちの力で解決しようとする。
大変でないわけはないんです。
団体の存続に頭を悩ませたり、組織運営がうまくいかなかったり
不安の種はそこらじゅうにたくさん落ちています。

NPO法人に関わる人は、「善人」だとか「慈善事業をしたい」というわけではなく、「そうすることが楽しく、自分らしい」と思っていると感じます。
それは、他の仕事をする人と何も変わらない。
(創始者や代表は、プラス「(いい意味での)変態要素」が入っていると個人的には感じます。)

やりたいことを選んでも、苦手なことやしんどいことはたくさんあります。
でも、「しんどいこと」は「楽しい」と反対側にあるものではない。
しんどいけどやる、それはそれを含めた今自分が気持ちを込めていることが「楽しくてやりたいこと」だから。

社会に出てから、今が一番ベストな働き方ができていると思っています。
多分、自分でNPO法人を作ろうと思わなかったら出会わなかった価値観や働き方、そしてそこにいる人々との出会いで、たくさんの刺激と新しい世界を見ることができたから。

先日、大学時代からゆかりのある岩手の山奥を仲間とともに訪ねました。
そこは「冬は雪かき作業員、夏はカフェ経営」など、自然と「パラレルキャリア」が実践されていました。
最先端の技術があるところが必ずしも最先端ではない。
自分の在り方を自在に変えられる生活をごく自然に行なっている人たちの姿が、そこにはありました。
一瞬、ワンシーズンくらいをそこで生活する自分を想像したり。

「やらねばならぬ」ではなく、あくまでも「やりたい」を基準にして、今年から始まった4足の草鞋生活を満喫していこうと思います。

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