総括、あるいは大きくて小さな世界について
遠くで、でも目には見えて、耳をすませば音が聞こえるくらいの遠くで、チリンとベルが鳴っている。わたしは友人たちが店内へと入っていくのを、後ろのほうから見つめていた。
スウェーデンに来て、半年が経った。半年が経ったということは、ちょっとした浮世離れな生活が終わりを迎えるということだった。降り立ったときには、雪と氷が蓋をしていて見えなかった地面にも、いつしか草花が育ち、いまや憎たらしくも花粉を飛ばしている。一日のうち三分の一にも満たなかった日照時間は、丸一日へとのびてしまった