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将来と予備校どっちが大事なんだ?

今日は大学時代に同じ学部だった友人たちと、久しぶりの女子会でした。いや、もう「女子会」なんて言っちゃいけない歳なのかもしれませんが……なんて呼べばいいのかわからないので。今日のところは許してください。

ゼミがどうだったよねとか、サークルの話とか就活の話とか……懐かしい話に花が咲いて。もっと遡って大学受験そのものの話にもなりました。

小論文のお題にセーラームーンの話が出たよね!なんて話題で今でも盛り上がれる友人たちがいるのは、なんだかとってもありがたいなーと思いつつ。

私は一般受験する気満々で高校1年から予備校に通い詰めてたのですが、結果的に自己推薦という形で試験を受けて、合格をいただきました。

高校の成績と、小論文&英作文の試験で受けられる「自己推薦」。文学部限定であまりメジャーな試験ではなかったのか、私がそんな形式の試験があると知ったのは応募締め切りギリギリのタイミングで。

急いで必要な書類を揃えないといけなかったのですが、当時母が交通事故に遭った直後で入院してたこともあり、バタバタな日々で。

今日書類を取りに行けなかったら、応募が間に合わないかも……!くらいのギリギリ感で準備をしてた気がします。

そんなある日、夕方までに書類を取りに行く必要があるけど、その時間は外せない予備校の授業があってどうしよう……と一人悩んでいたことがありました。

今思えば予備校の授業は振り返えでもなんでもして、書類を取りに行く一択。何を悩んでるんだ?ってかんじですが。

当時は恐ろしく厳しい予備校の先生に欠席するなんて言い出せなくて、その恐怖心のあまり正常な判断ができなくなっていました。

そんなうじうじ悩んでいた私に喝を入れたのが、父で。

父は私に口うるさく何かを言うことはなく、一定の距離から「好きなようにすればいい」と常にクールに穏やかに見守ってくれるタイプ。

私に良くも悪くもあれこれ口を出してくるのは、昔から母の役割でした。

そんな母が不在の中、父が突然声を荒げてこう言ったんです。

「将来と予備校どっちが大事なんだ?」

あまりに厳しい口調に驚いて、しばらく心臓が痛くて、ドキドキして、止まらなくて。

父がこんな口調で私に何かを言ってくるなんて。信じられなかったけれど、その分、父の「本気」を感じて。しばらく何も言い返せませんでした。

父が声を荒げたのはこれが初めてではなかったけれど、数えられるほどしかなくて。だからこそ「満を持して」感があって、それに従わない選択肢は私にはありませんでした。

その日以来、自分自身が自分の将来のために、どうしてもこの大学に行きたいんだ!という意志があらためて固まって。受かるためだったらなんでもする!と受験へのギアが一気に上がりました。ああ、私全てをかけてこの大学受験に臨もうとしてるんだ……と。

結局行きたい大学に行くことができて、今こうして同じ学部だった友人たちと大学時代を楽しく振り返られてるのはあの時の父のおかげな部分も大きいかも、と思います。今まであまり意識したことなかったけど。

目の前のことにとらわれすぎて、本当に大切にしたいことがなんなのかを見失う。
これは今の自分にも言えることで、また同じ失敗をしてしまいそうで怖い気持ちもあります。

将来と仕事どっちが大事なんだ?

今ならそんなふうに聞かれるのかな。
あの頃の「将来」には自分一人しか含まれてなかったけれど、今の「将来」には夫もいるし、まだ見ぬ子供も含まれるかもしれない。

本当に大事なものがなんなのか。ちゃんと考えて向き合って、それを大事にしなさい。

もう父は喝を入れてくれないかもしれないから、今度は自分で自分に問いかけてみたいと思います。

あなたにとって本当に大事なものは何?
ちゃんとそれを、選べてる?

答え合わせはもう少し先かもしれないけれど。
笑って自分が選択した過去を振り返られたらいいなと思います。父にもちゃんと、胸を張れますように。



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