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陽の当たる道の真ん中を歩きたい

「maiさん絶対好きだと思うから見た方がいいよ」

まだ夫が彼氏だった頃。そう言って、録画しておいてくれたNHKのプロフェッショナル。

彼にそんなことを言われるのは初めてだったので、驚きつつ。再生したら出演されていたのが、ブランドプロデューサーの柴田陽子さんでした。

企業や商品の価値は何か?について徹底的に向き合い、本質的な良さを引き出して人々に愛されるブランドをつくる。

そんなブランドプロデューサーという仕事を知ったのも、ブランディングという言葉を知ったのも、このときが初めてだったかもしれません。

夫の予言どおり、仕事の内容そのものにも、柴田さんの仕事に向き合う姿勢そのものにも一気に引き込まれて。

柴田さんが立ち上げられたブランディング・コンサルティング会社「シバジム」のビジョン「道の真ん中を歩こう」は今後生きていくうえでのモットーにしたい!と思うほどグッと刺さるものがありました。

シバジムのみなさんは小手先で仕事をしない。徹底的に、真正面からクライアントと向き合い、正攻法で直球ど真ん中の方法で提案をする。

柴田さんの「正々堂々と、陽の当たる道の真ん中を歩いてほしい」という願い。

時に厳しい柴田さんですが、メンバーのみなさんへの愛が感じられるのはこの揺るぎない思いがあるからなのだな……と。

ブランディングって一見華やかな仕事に見えるけれど、地道に、愛を持ってクライアントと向き合った結果がそう見えるだけなのだろうな。

私もそんなふうに真摯に仕事をしつつ、自分の仕事や自分の生き方に自信を持って、陽の当たる道の真ん中を歩けたら。

いつしかそんなふうに思っていました。

柴田さんのプロフェッショナルを見たのが2018年。それから結婚して、5年が経ちました。この間、私は正々堂々と道の真ん中を歩けていたか?そう問われたら……残念ながらそうではなかったと思います。

デジタル系サービスのプロジェクトマネージャーという仕事は、とってもやりがいがありました。あたたかいクライアントと素晴らしいチームのみなさんに恵まれて、二度とない貴重な経験をさせてもらって。未熟だった私も少しは成長できたと思います。

それでも、常にどこかで感じていた「私が本当にやりたいことはこれなのか?」「私の居場所はここでいいのか?」という疑問と違和感。

そんな中、プロジェクトがひと段落した昨年末に思い出したのは、柴田さんの存在とブランドプロデューサーという仕事でした。

「ブランドプロデューサー」はまだまだ遠い憧れの存在だし、未知の世界だけれど。自分の会社のブランディングは身近なテーマだし、自分にも何か貢献できることがあるかもしれない。

そう思ったときに目に止まった、会社の「ブランド戦略室」の公募案内。

社内外に向けたブランド戦略を練る仕事。
これってまさに、自分がやりたかったことなのでは。

これだ。
今を逃したら、きっと後悔する。

そこから社内で公募経験がある人に話を聞きに行き、書類選考を受けて、面接を受けて。

12年ぶりに就活生に戻った気分で不安と緊張に包まれながらも、なんとかやりきりました。

結果が出たのは今年の2月。
上司から呼び出されて内々示をいただいたときには、なんだか実感がわかなくて。

後から倍率が13倍だったと聞いて、ますます実感がわかないながらも……選んでいただけたことへの感謝が止まらず。

選ばれたからにはやってやるぞ!と今は身の引き締まる思いです。

あのとき、夫がなぜ「絶対好きだと思う」と柴田さんのプロフェッショナルを見せてくれたのかはわかりません。

でも、夫との出会い、彼が教えてくれた柴田さんとの出会いが今の自分をつくっていることは間違いなくて。

人生の転機って、意外とそんなささやかな出会いがもたらしてくれるのかも。

今度こそ、陽の当たる道の真ん中を歩けるように。4月から新たな一歩を踏み出します。

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