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2023年5月詠

・靴下の裾引き上げる梅雨曇

・軒下に鶺鴒の白き腹ひらり

・わたしの髪に肩に銀の玉雨の散弾避けてきたのに
・休むとり翼に脚に銀の玉雨の散弾避けてきたのに

・南風(はえ)たちて鉛筆のすみ匂ふ彩画室

・画用紙をはしるステッドラーの墨青く小指の底鈍色(にびいろ)はつもりゆく

・のどにかさぶたがあるみたいあたしことばをきれいにならべられない

・かさぶたを破ってにじむ黄色い体液さよならぼくを守った死
・かさぶたを破ってにじむ黄色い体液さよならぼくの小さな死

・蒸し上げられてアスファルト蹴ゆ

・ドアノブの傘滴りてひたりひたりコンクリに咲く雨明後日も雨


定型に収めたいけれど文字数を17音と31音におさめるだけで精一杯だし、自由律にも整えられないむつかしい……。


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