日本統一、リフト業界の話
こんにちは、今日は私が所属する会社の背景についてお話ししていきます。
私が所属するファスニング・ディワン(株)は千葉県松戸市にあるネジやボルトを作る会社です。
2019年2月にM&Aでリフト関連の会社を取得し現在に至ります。
さて日本にはリフトメーカーが何社あるかご存知ですか?
スキー場に足を運ぶ方にとってはとても身近な乗り物ですが案外知られていません。
国内トップシェアを誇る日本ケーブル、第2位の安全索道あたりはご存知かと思います。
それでは現在のリフトメーカーがどのような状況かお話ししていきましょう。
東の日本ケーブル、西の安全索道といった構図で長年日本のスキー場開発期を支えた2社ですが大きな転期がありました。
2004年度に資本関係のあった三井物産が安全索道の株式を手放し、日本ケーブルオーナーの大久保関家関連の会社が出資した事で事実上両社のライバル関係が終焉してます。
ネット上では「索道観察日記」にその表記がある以外情報はありません。
また東京索道というリフトメーカーもありますがこちらも日本ケーブルの資本が入ってます。
その他にも現在でもリフトメーカーを名乗る会社は存在します。
スノーマシーンで存在感のある樫山スノーテック、川鉄時代から参入しているJFEは自社でのリフト製造実績がありますのでメーカー系に分類されます。JFEはニセコ花園のPOMA製のゴンドラとリフトをコロナ禍に建設した事は記憶に新しい所です。
ですが噂ではもうPOMA製のリフト建設はこりごりだとの声も聞こえており、今後の新規建設は難しい気配です。
樫山スノーテックも新しいリフトの開発を現在行っておらず、海外メーカーとの提携も難しい状況です。
(海外メーカーに関してはまた別の機会にお話しします)
タイトルの割りになんだか歯切れの悪いような文章になりましたが、大人の事情があります。
トップメーカーの創業家に関連のある会社が株主になっただけなので直接的な資本関係になく、対外的には別会社という位置づけのままリフトメーカー3社が結ばれたのです。
国内でのリフト製造メーカーとしては間接的な資本の注入で広義的にはグループを形成し独占禁止法に抵触しない形でリフトメーカー天下統一を実現したのです。
最近の新規架設リフトのほとんどが日本ケーブル製になるのは以上のようなr理由です。
さてここからは、私の所属するファスニング・ディワンのルーツについてお話ししていきます。
M&Aで取得した前身の会社も非メーカー系のリフトメンテナンス会社でした。
ただし源流は解散した太平索道というリフトメーカーにありました。
太平索道解散時に技術データはJFEへと引き継がれましたが、当時設計部門にいた人間が独立し興した会社が同じ松戸市に所在していました。
小さいとはいえ元メーカー技術者の会社なので技術力もありましたし、非メーカー系として機能する数少ない索道関連会社という事で一定のニーズはありました。
むしろ小回りが利き、廉価でありながらメーカーと同じサプライヤーを従えているなど利点も多くありました。
このような点から市場に必要とされると判断され取得にいたりました。
私は取得時には在籍しておらずこの半年後にふとしたきっかけで合流する事になります。
既に天下統一のなされた索道業界において非メーカー系の小さな会社に何が出来るか、何をしているかはまた別の機会に。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
きっとスキー場が好きな方だろうと思います。
貴方の好きなスキー場が長く続くように支えるのが私の使命です。
応援していただけるとより頑張れます。