岩手県大槌町蓬莱島
ひょっこりひょうたん島は1964年から1968年までの5年間に1224話、作: 井上ひさし、人形: ひとみ座。歌:前川陽子、NHK総合で放送された子供向けの人形劇です。
この番組は、子供たちとサンデー先生が遠足に行ったひょうたん島がひょうたん火山の噴火活動により海原へ流れ出してしまった後、子供たちとサンデー先生が暮らすようになった島を訪れる個性豊かなキャラクターたちと共に様々な事件が起きる物語です。
火山爆発で大海をあてもなくさまよい始めた「ひょうたん島」の住民に、個性豊かな珍客たちが加わり、漂流の先々で想像もつかない大事件に巻き込まれる夢と冒険の物語。NHKで初めて棒で操る人形が登場。物語の奇抜さから、やがて時代とマッチ、前川陽子さんがまだ中学1年生でありながら歌ったポップな音楽も時代にマッチ、抱腹絶倒のストーリーで人気が爆発、ひょっこりひょうたん島は夕方の15分番組でありながら驚愕の37.5%の視聴率を記録しました。
1964年と言えば新幹線が開通し東京オリンピックが開催された年。娯楽が少なかった時代でテレビの視聴率はものすごく高かった、令和の時代では信じがたい記録ですが1964年、昭和39年の当時はひょっこりひょうたん島が爆発的な人気を誇っていたのです。そんなひょっこりひょうたん島の最終回をご存じでしょうか?最終回ではひょっこりひょうたん島に「国連加盟」の話題が持ち上がります。国連加盟です!国として認められたのです!①国土があり、②国民が存在し、③政府があり、④他国と関係を結ぶ能力があること。この4つが国として認められる要件だそう。
ただしひょっこりひょうたん島が国連に加盟するには一つの条件が突きつけられました。それが国際指名手配の「マガジン・ダンディー」の引き渡しです。ダンディーは護送用の飛行機から逃げ出した元ギャング。シカゴでブイブイ言わせていた過去があるのです。ダンディーを引き渡し国連に加盟するか?ダンディーの引き渡しを拒むのか?ひょっこりひょうたん島が大きく揺らぎます。トラヒゲはダンディーを国連に引き渡し賞金を貰おうと画策します。それに対し子供たちはダンディーを擁護に回りました。ダンディーを擁護する理由は「やむにやまれぬ理由」があってダンディーが国際指名手配された事を知っていたからです。ひょっこりひょうたん島の「国が割れる」島が割れる論争のなか大統領のドン・ガバチョはある決断を下しました。決断とは【国民投票】です!民主主義が成立しています。司法・行政・立法は分かりませんが大統領を中心に政府が出来てます。国民投票の結果は「ダンディー引き渡しを拒否!」。ひょっこりひょうたん島は最終回で国連加盟の偉業を成し遂げるチャンスを失いました。しかし永遠に続くひょっこりひょうたん島の友情と正義を確信した瞬間でした。最終回は大統領ドン・ガバチョの演説で締めくくられます。「みなさん、わたくしどもはこれまでと変わらず、このまま波まかせ風まかせ、この広い大海原を自由に流れていきますぞ」大統領の演説としてはすっきり簡潔で結構良いセリフだと思いませんか?自由で民主主義がありみんなが平等だという理念を感じます。皆さん、滅亡する民族、地域、会社などとあてはめて今一度、自国の歴史を忘れる、すべての価値を物やお金に置き換える、心の価値を失う、理想を失う、ことについて考えさせられる人形劇であると思いませんか?今一つ今の時代に当てはめて、今の世の中を考えないといけませんね。紫曜。
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