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とある漁村の仕事

こんにちは、ぷりごろたです。
僕は漁業を経験するために、宮城県のとある漁村で暮らしています。

今日は養殖ワカメの刈り取り作業を詳しくご紹介したいと思います。
日ごろ食べているワカメがどんな風に届けられているのか、面白がってもらえれば嬉しいです。

まず、漁は夜明け~朝方にかけて行います。
海の上から眺める日の出や、沈みゆく満月は本当に絶景です。

それぞれの漁師さんが持っている漁場に着くと、下のように浮きが配置されています。

●=浮き ー=ロープ

色付きの浮きを目印として長いロープが張ってあり、その下にワカメが植え付けられています。
1ロープあたり150株ほどのワカメが付いている体感でしょうか。

ロープを船上のクレーンに巻き付け、引き上げると海中のワカメとご対面です。(以下は参考画像)

https://hitakamiichiba.com/?mode=f23


ワカメの大きさには個体差がありますが、大体60~100cmくらい。
色は茶色で、見た目通りにヌルヌルしています。

さて、ここから刈り取りスタートです。
左手でワカメの根元を掴み、右手の鎌で切り離します。
ペラペラな見た目の割に、意外とどっさり重みを感じます。

次に、切り離したワカメたちを左手で持ち、先端を切り落とします。
ワカメは先端から枯れてくるので、悪い部分をカットするのが目的です。
枯れたワカメは縮れて邪悪な色になっているので、見分けるのは簡単です。

後はひたすら繰り返し。
鎌でケガをしないように、船員総出でワカメを刈ります。
歴戦の漁師さんは信じられないスピードで刈り取ってしまうので、ウカウカしているとあっという間に自分の仕事がなくなってしまいます。

船上のカゴに約2tのワカメを載せたら、一度港に帰ります。
クレーンを使って船からワカメを運びたし、加工業者のトラックに積み込めばひとまず任務完了です。
天候や船員数の条件が良ければ、2回戦、3回戦に突入します。

こうした収穫作業を3月初旬~4月下旬にかけて行います。
漁師さんは漁場内のワカメの状況を完璧に把握しているらしく、どのロープでどこまで刈り取ったか、生育状況はどの程度かが頭に入っているそうです。

何も目印のない海の上で、なぜ正確に記憶できるのか聞いてみると、「経験だな」とのことでした。
カッコいい⚓

僕は収穫作業をお手伝いさせてもらっていますが、ワカメの質・量を決めるのは、やはりワカメのタネ付けだそうです。

上質なタネを目利きできるか、目利きしたタネを適切なタイミング・間隔で植え付けられるかが漁師の腕の見せ所とのことでした。

なんとも奥が深く、普段食べているワカメがこれほどの技術の結晶だとは思いもしませんでした。
実際に仕事を体験することで、当然のように美味しいごはんを食べられる環境がどれだけ有難いことか、切に実感しています。

もうすぐここでの暮らしは終わりになりますが、お伝えしたい経験は山ほどありますので、帰ってからも続きを書きたいと思います。
それでは、また👋

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