なぜ投票率は低かったのか

 若者の政治離れ(本当に若い世代だけ?)、天候が悪かった(九州中心に浸水した地域は確かにありました)、政治への信頼がない(確かに)、よく分からないという人が多い(確かに)、小選挙区で投票した候補の当選率が低い(なるほど)などなど様々な原因が挙げられています。それぞれの理由に問題があり、個別に解消されるのが望ましいと思いますが、ちょっと違う見方から入ってみたいと思います。


投票に行くのがイヤだから行かない

 身もフタもありませんがズバリ、これに尽きると思います。
 行きたくないから行かない。
 これだけなのに行かない人はもっともらしい理由を尋ねられます。そこで初めて「○○だから~」と体裁上の理由を挙げることになります。
 割と正直な人で「行っても行かなくても同じだから」つまり、わざわざ自分が出かける意味はないから行かなくてもいいでしょ?ということです。出かけたくないので、自分に言い訳というか、都合の良い理由が色々と転がっているので活用しているということだと思います。
 さらに行きたくないパッションに拍車をかけたのが、この週の企業の対応です。わざとやったのかもしれませんが…
 前の週が三連休だったので、なんと選挙の前日を土曜出勤にした職場が大手含めてかなりあったようです。
 働く曜日が増えて過密した一週間となった所もあれば間延びして返って疲れた所もあると思いますが、休みが遠ざかるというのは心理的にかなり堪えます。この週は余分な一日を働いて長く感じた事でしょう。週休二日なら金曜日はもう切り上げてラストスパートな気分になっているのに「ああ、明日も出勤だった…」。
 やっと一週間の労働を終えてやってきたのはたった一日の休日、いつも以上に疲れて午前中は寝過ごした方も多かったのではないでしょうか。さぁ、ここからが問題ですが、すでに休日は半日消化してしまっています。この状態で選挙日だと思い出した所で気分が重くなるだけではないでしょうか。人間、なんとか行かなくて済む理由を探すと思います。探しているうちにもだらだらと過ごしてしまい、結局夕方を迎えてしまうかもしれません――――

 (おしまい)


 物語的にはここで終わってしまうのがよいと思います(笑)。皆さんも一日しかない休日のお昼に目覚めた気分で、さらにこれ以上文章を読みたくないのではないかと思います(笑)。
 しかし少しだけ続けます。力尽きた方はここで終了して頂いて構いません。
 この話で「ヤバイ」と思うポイントなのですが

・時間が少ない中で選挙に行くという行為に割きたくない
・圧縮された一週間のラストでさらに予定を考えたくない
・しかも明日は仕事である
・行かなくても何の支障もない

 これで選挙に行く方が聖人だと思います。たいへん問題のある言葉を書きましたがぶっちゃけそうではないでしょうか。考えただけで気分が重くなると思います。

 職場ではやってはいけない・罰則・評価と魂をがんじがらめに縛られて消耗しています。この上、僅かな休みの時間まで選挙は行くべきだなどという精神論に縛られて消耗したい人はいないでしょう。
 後付けでくどくど分析しても仕方ないので、どうすればいいかだけ書きたいと思います。

・投票日を祝日扱いにする
 翌日は休日にします。商用施設には営業を自粛してもらうとなお良いと思います。今回もアウトドアメーカーのショップやラーメン屋さんが休業される所がありましたが、従業員の投票を促すという意味でも妥当と思います。

・選挙に行かない人には罰則
 あまり気持ちのいい話ではありませんが、罰が目的ではなくて行かない言い訳を考えないようにしてもらうための予防措置です。行くのがデメリットだと思っているので行かない方がデメリットになる、と思って頂くのが一つの手です。罰として休日公共奉仕に参加させるのはどうでしょう。

・前後の振り替え出勤は禁止
 投票率が低いと組織票の強い自民党に有利なので、意図的に振り替え出勤にする企業が出てくる可能性がありますので、これを禁止します。
 そもそもこのノートの内容自体が「働き方改革」の一環となる問題である事に明晰な読者のみなさんはお気づきだと思います。

以上です。
お読みいただきありがとうございました。

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