●性別を行き来したい。

小さい頃、男の子が良かったなーって思ってた。
なんでだろう?
わかんないけど。

でも私は、女であることにも疑問はなかった。
男の子になりたいとかって、みんな思うじゃん。
自分が置かれた状況と違うことに憧れたり。
そういうやつ。

だって私は女の子らしいとされる物が好きだった。
フリルのスカート
リボン
女の子のアニメ
少女漫画

ただ、私は背が高いし可愛くないから、ピンクの物はだめだ。恥ずかしい。似合わない。
と思っていた。
違う。今思えば、あれは、「そう決めた」んだ。

中学生になった時、突然、体育が男女別れることになった。
え?なんで?
男子と女子、そんな違うの????
と思った。
ちらっと男子の体育が見えた時、とんでもない衝撃が走った。
いつもやるラジオ体操にプラスして、筋トレがメニューに加わっていたのだ。

無理!!筋トレとかやりたくない!!
あーーーよかった女子で!!

と、心から安堵した。
けど、待って?
あの気持ちは変わらない。
「え?なんで?男子と女子、そんな違う????」

だって細くて小さくてか弱い男子もいるし。
大きくて元気な女子もいる。
性別だけでこんな分けられたらたまったもんじゃないな、と、思った。


それから、私は女子であることを謳歌した。
フリフリの服を着たり、着たい服がなければ作ったり。
パステルカラーのものを集めて、可愛いステーショナリーやぬいぐるみに囲まれて、可愛いで周りを固めた。
でも、可愛くないのは、自分。
私の中の可愛いが、一番似合わないのが自分。
おかしい。
おかしいぞ、こうありたいのに、かなり遠い。
それでも私は、似合う似合わないよりも着たい着たくないを優先したかった。
誰のためでもない私のために、私はフリフリの服を着るんだ!と、かなり強い意志を持ってきた。

でもそれって、大変なこともいっぱいあった!
なんかよくわかんないけど毎日戦うみたいな気持ちで服を着てた。
意地でもズボンに足を通さず過ごし、指をさされようとフリフリの服で歩いた。
誰とも目を合わせません、みたいな顔でいた。
疲れてたかも。
でもそんなことには気づいてなかった。
だって流されない私最高!
自分があるって最強!
と思ってたから。
もちろん今でも後悔はしてない。

それから色々あって、ある時ボーイッシュな格好をする機会があった。
そんなイベントがなければ、ありえないことだったんだけど、それはそれはしっくりきたらしい。

今まで褒められたことなんてなかった。
(男性に褒められることがあったけどそれは半分以上下心だったんじゃないかと思う)
なのに
とにかく褒められた。
お世辞かもしれん。
でもそれでもよかった。
嬉しかった。
とにかく嬉しかった。

褒められた。
「イケメン!」
と。

そうそう今思えば私はその言葉をとても自然に「褒め言葉」と受け取ったんだ。

背中あたりまであった髪を切り、ベリーショートにした。
ワックスをつけて、男の人にセットの方法を習った。
髪を切ったら可愛い服がより一層似合わなくなった。
メンズの服のがしっくりきた。
よく考えたらメンズの服のが背丈にも合う。
袖も裾も、つんつるてんにならない。

まじか。
これじゃん。

私は可愛いフリフリを捨てて、メンズライクな格好での生活を始めた。

毎日は戦いじゃなくなった。
フリフリした鎧だったのが、普通に服になった。
すれ違う人に見られない。視線を感じない。
指も刺されない。
めっちゃ楽じゃん。
普通って楽じゃん。

たまに女子トイレに入ると男子に間違われるのか二度見される。
けど別にそれが嫌なわけでもなかった。
もちろん男性になりたいわけでもなかった。
もう体育はないけどね。
筋トレも自由だけど

なんか自分の楽なところに、私はたどり着いた。

なんで楽してるのかっていうと、あの戦闘態勢にも、いつでも戻れるから。
フリフリの服で、長い髪のウィッグでも被れば、私はいつでも「私の可愛い」を纏えるから。
できない、と、できるけどしない、は大きく違う。
私の価値観や美学が変わったわけではない。
今の私は今いいと思うものを、全身で表現している。

私の好きな人が
「お洒落は一番身近な自己表現」
と言っていた。
フリフリの時のそれと
いまのそれは
なんとなく内容が違う。
解釈が違う。
でも中身の私は同じ。


上手く表現できないかもしれないけど、自分のために整理しながら書いてみようと思う。

ひとまず自分の性別やファッションに対するここまでの流れは、こんな感じ。

私は女性だし女性であることに疑問も違和感もないけど、男性だったらいいなとも思う。
でも多分だけど、男性だったら男性で、女性になりたいと思ったと思う。

だったら両方行き来して
いいとこ取りみたいに
おもしろ楽しく生きていくのがいいのでは???
という、私のあれこれを、これから書きますね。

また見てくれたら嬉しいです。

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