物語る私 #ツボやさん

うちにはほぼ休みなく「ツボや」がやってくる。

夕食後じろさんが「あっち行く?」と言うと、ツボや出店の合図。

寝室に移動してじろさんがベットにうつ伏せになると、「ツボや呼ぶ?」と聞いてみる。

私はツボやにへんしんする。

「ツボやでーす。ご利用ありがとうございまーす。
 今日もいつものにしときますか?
 特別に腰コースと肩コースもありますけど。」

いつものコース。足つぼもどき。

腰コースのみでツボやの営業は始まったが、最近の定番は足つぼコースだ。

うつ伏せのじろさんのお尻の上に座ると、じろさんの足の裏にタオルをかけて準備万端。

指の節でグリグリ押す。手が疲れたら指で足の裏や指をフニフニと揉む。

じろさんは研究者だけれど、実験用に一斗缶や重い原材料を運ぶことも多く、いつも腰が痛い足が痛いとぼやいている。

「あーそこそこ〜」と催促するじろさんに「お代は100万円です〜」とふざける私。

遊んで欲しくてふざけて始めたツボやはすっかり人気である。

さて、今日もツボやの出勤時間だ。

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<物語る私>
妻。紀伊の国出身。三姉妹の長女。最近の趣味は、アルゼンチン音楽手帖で紹介されている音楽を端から聴くこと、shufoo!アプリでスーパーのチラシチェック、漫画アプリ徘徊。スタジオの日が近づかないとベースを練習しないので怒られる。得意料理はナスの揚げ浸しとゴーヤチャンプル。求職中。社労士勉強中。喜怒哀楽がおおげさ。ペンギンマニア。

<じろさん>
夫。東海地方出身。3人兄弟の末っ子。最近の趣味はジャズギターレッスン(めちゃくちゃうまい)、フリマアプリでエフェクターチェック、ハライチとかオードリーのラジオ。本人曰くフィジカルが大事なので毎日無窮動でギター練習してる。得意料理はローストビーフ。現在うつ病と戦闘中で、慣らし復職中。研究職。いつもニコニコ優しい。音楽に対しては評価が厳しい。ラッコが好き。私より2歳年下なのでたまに敬語。


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