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本と映画と秋の空


すっかり秋の空気に包まれた9月下旬。

ようやく、私も
Covid-19のワクチン2回目の接種が完了した。

ソファでごろりと転がってnoteに接種後の症状でも書き記しておこうと思ったが..

接種後24時間経過。腕は痛いが、発熱もなく
軽く拍子抜けしている。
多少の頭痛があるので引き続き横にはなる。
(1回目も後々異物混入ロットであった事が知らされ驚愕したが、発熱もなく腕の痛みは2日で取れた)


コロナがなければ
何をして過ごしていたのだろう。

少なくともこんな風にワクチンの副反応に備えて
公休を取るなんて事はなかったはずだ。

子供達の秋の運動会の練習に合わせ
体調管理に、ビデオカメラのバッテリーの確認
お弁当の内容について考えるなど
何一つ怖いものがなかった時間が
今は遥か遠くで幻想のように揺れる

それでもソファで横になる時間は有意義かもしれない。

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私のいる自治体の医療機関は
ダイヤモンド・プリンセス号による
コロナ感染者をいち早く受け入れた。

恐らく日本の殆どの地域では、
まだ対岸の火事のような空気が流れていた頃、
わたしたちは第一報とほぼ同時に周りの医師や看護師の友達を心配し始めた。

海にあの船がいるのは事実だった。
ヘリもよく飛んでいた。

「みんな防護服着ていたよ」
「あの病院、休業した、感染したんだ」

噂が羽を生やしどこまでも飛んでいく。
只ならぬ空気と嫌悪感に包まれ
そこから学校の臨時休校、緊急事態宣言、
今までの平和ボケ生活に終止符が打たれた。

2020年の出来事は今後も忘れないだろう。


それでも今日も生きている。
ワクチンを打って、きっとまわりの人を守れるはずだと信じ、生きている。

それでもここ数日。
もしこのワクチン接種後何かあったらと思い、子どもたちに卵焼きの作り方やカレーライスの作り方を教えてみた。
もし私が明日消えても沢山食べて生きていってほしいから、よろしくね。


そんな事を伝えながら
結局、今日も生きているので引き続き卵焼きを焼くのもカレーを作るのも私だ。


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最近みた本と映画の話を。

映画【グリーンブック】を観た。

気づいたら公開からもう3年も経っていた。

観たい!
から鑑賞まで時間がかかるのは
子育て世代あるある、か
私の計画性のなさか。

それでもここ数年は
劇場で観れなかった映画が
自宅で観れるようになるスピードには
本当に感謝している。


ネタバレしないように書くのは難しいので
予告編を貼らせて頂く。


お恥ずかしながら
感覚として人種差別の事は認識しているものの、1962年のアメリカについては
ほとんど無知と言っても過言ではなかった。

グリーンブック:
1936年から1966年までヴィクター・H・グリーンにより毎年出版された黒人が利用可能な施設を記した旅行ガイドブック。ジム・クロウ法の適用が郡や州によって異なる南部で特に重宝された。


差別の正当化と戦う強い勇気。

この事柄の根源を理解するには
本当に不勉強で申し訳なくなるほどだが
まだ観ていない方々には
トニーのハッタリとドクの天才的なピアノを楽しみながら観てほしい。
くすりと笑える場面もたくさん。

これが実話と言うのだから
尚更二人の友情に拍手を捧げたい。

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本の話も少しだけ。

【海をあげる】 上間陽子


【海をあげる】の作中にも登場する荻上チキさんが星野源さんのラジオにゲストでいらしていて、
そこで源さんが読んだと仰っていたエッセイ集。

ここでもまた、私は沖縄の切り取られた美しい面だけを感じながら生きてきた事に面食らう。
本当にどうしようもないなと、我ながら呆れる。

ここに綴られた文章は
過去の話ではない。今の話だ。

この本についても私ごときが文章にするときっとうまく伝わらない。
沖縄が抱えている事、抱えながら沖縄で生きている人たち。今すぐに飛んでは行けずとも、知る事が必要だと思う。
ぜひ読んでみてほしい一冊。



【グリーンブック】と【海をあげる】を
偶然にも同時期に目に入れる事が出来たのは
自分の中で何か意味があるように思う。

きっと、自分の中にある
差別意識やどこかで優劣をつける感覚
全てを捨てろと言われている

冒頭に記した〝コロナがなければ〟
はもう来ない。
だとしたらやるべき事は削ぎ落とされていく

こうなったら、そうなったら。
そんなものが何も意味を持たず
争いや苦しみだけを生み出し
今日も傷ついている人がいるということ

これを書いていることによって
傷ついた人がいたら言ってくださいね。

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