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食卓とワイン(2) ~甘い誘惑~

今回は甘みについて話してみよう。

甘いワインを飲んだことがある人はいるかな。多分あんまり多くはないんじゃないかなと思う。普段僕たちが目にする機会の多いワイン、例えばコンビニやドンキとか量販店で売っているワインはほとんどが辛口の味わいのものだからね。買うときにはワイン専門のショップに行くのが一番かな。

でも甘いワインってさ、美味しんだよね。飲んでもらうとみんなびっくりしてこれ好き〜♪と言ってもらえる。もちろん甘いものが根本的に嫌いとか飲まないようにしている人は好みじゃないんと思うけど、ワインの入り口として最適だと思う。特にワイン飲んだことない人、もちろんワインは甘いだけじゃないんだけど、こんな味のワインもあるんだ!と概念を崩して欲しいんだよね。

僕がオーストラリアで暮らしていた時も、セラードア行ってみんな意見一致で美味しいというの甘口ワインだった。もうシンプルに美味しいもの。当時はワイナリーに住み込みで日本人や外国人と一緒に共同生活をしていたんだけど、働いているワイナリーが甘口白ワインを作っていてね。何ヶ月か働いて卒業するときにオーナーから1本ワインをもらえるんだけど、みんなその甘口ワイン選んでたもん。ワイン飲んだことのない子もいっぱいいたし、ワイナリー巡りや料理とかしかやることないからみんなどんどんワインを飲んでいくんだけど、そん中でも最後はやっぱり甘口。食後もデザート食べたくなるし、そんなイメージかな。

でもさ、甘いワインと言っても甘さの度合いというのがあるよね。細かい分類は置いといて、その中で一番甘いカテゴリー。もうすっごく甘いワイン、いわゆるデザートワインと呼ばれるもの。トロっとしてて、甘みも食事のデザートくらいの甘さ。まずそこから行こうか。

そもそも甘いワインってなんでそんなに甘いのかって思わない?甘くするためだけに砂糖入れるのは禁止されている。だからあの甘さはワインの原料であるブドウのみの甘さなんだよ。じゃあどうしてあんなに甘くなるのかということだけども、それは使うブドウの水分量の違いだね。

例えば、ドライフルーツってそのフルーツが新鮮な状態より甘いよね。(ちなみに僕が一番好きなのはフィリピンの7Dドライマンゴー。1袋ペロっといける)それは水分が抜けて甘みが凝縮しているから。これと同じことがワインを作るときのブドウにも言えるんだ。つまり水分が抜けて甘みが凝縮したブドウ果汁は通常の果汁よりも糖分が高く、そこから作るのがデザートワイン。ワインのでき方については前の記事でも書いたんだけども、果汁がアルコールになるには酵母菌が糖分を餌にパクパク食べてアルコールと二酸化炭素を発生させてる。↓


ただせっかくの糖分も全部食べられちゃってアルコールになってしまっては甘くなくなっちゃう。だからデザートワインを作る時は、好みの甘さで発酵をやめる。するとアルコール度数は低くなるけど、甘さもしっかり残る。これが甘いワインの作り方だ。どうだったろう。

ちなみに水分の抜け方は、通常よりも遅く収穫してより完熟させた抜いたり、ブドウ粒に貴腐菌というカビが発生して空いた穴から水分が抜けて甘くなったりと様々な条件下で起こる。手間暇やコストの分だけ値段も変わる。

でもまずは、実際に飲んでみてデザートワインを味わってほしい。まずは行動して入り口に立ってみる。そして飲んで一歩を踏み出してみよう。

あ、美味しいかも。。そう思ってくれればこっちのもんだ。

一緒に学んでいこうね。

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