見出し画像

日本語上級者の授業とイチロー

担当するはずだった先生がつかまらず、急遽引き受けることになった上級者向けクラス。

「新聞記事などを読み時事問題を語る、、、。」

言っておくが上級者を教えたことはない。さてどうする!?

とりあえず日経新聞デジタルの無料メンバーに登録。月に10本まで鍵付き記事が読める。

とにかく探す探す、笑

そして初回は、この夏の熊本豪雨。災害を多数経験している自治体がタイムラインを作成し「いざ」に備えてきたにも関わらず、住民への周知に課題が残ったというもの。

タイムラインを作ることで非常事態レベルが上がればすぐに発信できる。しかし受け手側である住民にどのように素早く情報を届けるのかまで考えが及んでいなかったのではないか。

2回目はコロナ禍における「セルフ」経済圏の拡がり。こちらも日経から。

バーミキュラという調理器具ブランドなどの企業のこだわりとステイホームが産み出した「セルフ」志向との関係性を読んだ。

3回目は、先週の続き。後半は「藤井新棋聖にCMオファー殺到」のニュースクリップをyou tubeから拾い、動画を見ながら聞き取りもやってもらった。

藤井さんのモゴモゴインタビューを聞き取れるのか?!

You tubeのいいところは、スピードを変えられること。まずノーマルで聞き、その後0.75、またノーマルスピードに戻って聞く。ということを教えてみた。

逆に速めて聞いてからノーマルも耳の訓練になる。

そして今週、、最後の授業は。。

日本で先生になったと仮定して、生徒からの質問に応えて下さい。と、4つの質問を課題として出しておいた。

宿題のある意味はなんですか?

運動会でリレーに選ばれるにはどうしたらいいですか?

親孝行ってどうやればいいですか?

夢が決まっていないまま、進路を決めてもいいですか?

いずれもyou tubeで配信されている「おしえて! イチロー先生!」でイチローが回答したものだ。

これらの回答を生徒それぞれに出してもらい、意見交換。そしてその後、you tubeでイチローの回答を見せた。

日本的な要素も含まれるイチローの名回答に、文化や考え方の違いにも触れることができたように思う。

「滑舌がいい」「意志を貫く」「えこひいき」「納得がいってない」「極論をいえば、、」などところどころ拾って意味を確認。

とくにマラソンなどで「ごぼう抜き」する、の使い方、、本来ならこれは誤用であるが、今では認められている。

言葉はうつり変わる、、のだ。わたしが好きではない「ら抜き言葉」もそのひとつ。

さて、ちょっと余談だが、親孝行、、の回答でイチローの目に薄らと光るものがみえた、、。私の生徒もそれに気づいた!

イチロー、、お父さんのことが頭によぎったのだろうか。

イチローは確かお父さんに野球を教わったはず、、。もうちょっと彼のことを調べておけばよかったかな。あれはどんな涙だったのだろうか。

新聞記事でのいい回し、ニュース・インタビューでの話し言葉、会話スタイル、、

ともかく、日本語というものに改めて向き合い、私自身もいろいろと勉強になった4週間だった。

お疲れ様!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?