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ベトナム縦断記。その4(ホアンキム湖の夕食)〜高額紙幣とカオラウ

ベトナムに行く前、ぼくは2つのベトナム料理を食べ尽くそうと決めていた。
一つは麺料理。フォーに代表される麺類がベトナム全土に200種類以上もあるらしい。せっかくの縦断旅行、それぞれの地域の麺を食べよう。
もう一つはバインミー。要するところ、フランスパンのサンドイッチである。小さい頃からおやつにフランスパンをかじっていたぼくとしては、非常に気になるところだ。

初日の夜、ぼくはバインミースタンドにいた。水上人形劇の開演までにサクッと夕飯を済ませようと思ったのである。

湖の近くのスタンドは、チェーン店のような清潔な内装で観光客の人だかりができていた。少し待って注文をする。メニューに写真と値段が表記されている店は安心できる。英語表記も嬉しい。


オススメされていたバインミーと、サイドメニューとして添えらえていた麺類を頼んだ。Happy Noodleと書かれていたので、正式名称はわからない。
可愛らしい制服を身に纏った若い店員が、テキパキと近代的なレジスターを操作していく。値段をディスプレイに表示させ笑顔を見せた。

ベトナムの通貨VND(ドン)は、0の数が多い。日本円に換算すると250倍の差がある。その上物価も安いので、値段がよくわからない。(例えば500mlのミネラルウォーターは10,000VND)
いちばん額の大きな紙幣は500,000VND。社会主義国あるあるだろうか、ラオスも似たような感じだった。

レジスターは半端な数字を示している。出した金額が足りない、なんてことになったら恥ずかしいので、とりあえず500,000VND札を出した。(空港で大きな紙幣でしか両替してもらえなかったというのもある)
すると、店員の若い女性は突然笑い出した。そして片言の英語で何かを言っている。どうやら額が大きすぎるようだ。小さい紙幣を出せと言っているらしい。
渡航数時間でいまいち金額感が掴めていなかったぼくは、何度もディスプレイを睨めっこして、なんとかお釣りが小さくなるように支払いをした。

お釣りを差し出しながら、若い店員は後ろで作業をしていたマネージャーのような店員に声をかける。呼ばれて出てきたマネージャーはお札を見せながら、この紙幣は金額が大きすぎますよと丁寧に教えてくれた。
この時点で支払いは終わっている。店員さんたちならではの優しさなのだろうが、かなり恥ずかしかった。
初めから金額を確認して支払えばよかった。

というか、そもそも高額紙幣しか持っていなかったらどうするつもりだったんだ。

サイドメニュー感覚で頼んだ麺は、そこそこのボリュームだった。スープではなく甘辛いタレがかかっている。
後で調べたが、カオラウという中部の料理らしい。そしてそのルーツは、醤油味の”伊勢うどん”にあるという…。

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