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急性期のvolume control(前負荷のコントロール)

 前回の記事の続きになります(「前負荷」のコントロールの難しさについて解説しました)。

「前負荷」を上手にコントロールすることは必須なのに、難しい。

 上手に、正確に、丁寧にコントロールしたい場合は、ICUに入室させ、こまめに各パラメータをみるしかありません。

 だけど、あれやこれやのパラメータに踊らされては「木を見て森を見ず」な状態になりかねません。やはり「鷹の目」が必要です。

 そのため、ここで前負荷のコントロールの鉄則2つ述べます。

①前負荷を増やすのは「細胞外液負荷」あるいは「血管収縮薬」である。

②前負荷を増やしたら適切に心拍出量が増えたかどうかを判断するのは「実際に負荷してみる」しかない。

 ②は衝撃の事実なのですが、臨床現場では、要するに「トライアンドエラー」なんです。だから、

補液をしてみた → 心拍出量が増えた。 → オッケー!
補液をしてみた → 心拍出量が増えずに、肺うっ血が進行した。 → 失敗!

 これを、どれだけマメにみるか?が患者さんの重症度や病態の複雑さによって違ってくるんです。だからこそ、本気でvolume controlが必要な患者さんはICUに入室させ、こまめにこれをチェックしていくことになるわけです。

 ①についてはざっくり説明できます。②についてはいろいろな指標があります。別記事に書く予定なので、お楽しみに!


 最後に、僕がよく使うスライドを出します。僕としては「格言のつもり」です。

スクリーンショット 2021-01-05 22.54.42


参考:輸液反応性について(結構アツく、ボリュームのある記事になっちゃいました)。


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