見出し画像

「必修」が大事な理由。しっくりきてますか?

前回記事の続きです。
これから2回に分けて、
①「必修が本当に大事な理由」を腹落ちしてもらい、
②具体的に今日(もしくは明日)からのみなさんの国家試験対策が「始まる」ような具体的アクションプランを提示
したいと思います。


そもそも「必修問題」とは?

まず前提として国家試験における「必修」とはなにか?について確認しましょう。
私が過去に受験した医師国家試験でもこの「必修問題」というのは設定されていました。現在の医師国家試験や看護師国家試験においても、その頃と同様のルールで運用されています。

それは「必修問題として出題された問題のうち8割以上正解しないと問答無用で不合格になる」というルールです。

「必修対策が大事」なのは、単に「8割とれないと落ちる」から?

このため、

「一発不合格」になるかもしれない。
 8割とれないと駄目なんて厳しい。

という恐怖が医療系国家試験の受験生たちを襲っています。
そして、この「恐怖」に押しつぶされそうになって「必修怖い」とみんなが口を揃えて言っているわけです。

ぼくの勝手な肌感覚ですが、この「怖さ」だけを理由にみな「必修対策、大事だよね」と言っているんじゃないかな、と思うのです。しかし、「必修対策の大事さ」は、「8割とれないとアウトだから対策しとかないといけないもの」というレベルのものではありません。もっともっと深い理由で大事なんです。

あとで述べますが、ちゃんと短期間にまとめてしっかり対策しておくことが、あとあと自分をグッと楽にしてくれるので大切なのです。

実際の試験で9割以上の受験生が、8割以上正答できている必修問題

実は、医師国家試験も看護師国家試験も、9割の受験生が合格します。そのような試験で「8割以上の正答率がないと問答無用で落とされる」必修問題とはどんな問題なのでしょうか?
「ちゃんと試験対策している学生たちならほぼみんなが正解する」ような問題。それが「必修問題」です。
これはいわば「常識」を問われている感覚に近いのです。下に例を示しましょう。

「日本の20代の9割が正答できる問題を作れ」と言われたらどうします?

これを読んでくださっている方の多くは、受験生だと思いますが、ここであえて出題者の気持ちになってみましょう。
たとえばみなさん、「日本の20代に対して、9割以上の人が正解するような問題を作れ」といわれたら、どんな問題を作りますか?

ぼくだったら「本州最北端の県はどこか?」とかにするでしょうか。
ここでうっかり「日本の都道府県の数はいくつあるか?」なんて問題を出してしまうと、正答率が9割を切ってしまうかもしれません(「嘘でしょ?」と思うような話ですが、それくらい「みんなに正解してもらおう」と思うと気を使わなくてはいけません)。
つまり「9割以上の正答率になるように問題をつくれ」といわれたら、問題を出している相手集団にとっての「常識(アタリマエ)」を問うしかないのです。
出題する側からすれば「これくらいさすがに知ってるでしょ」「さすがにこの問題は解けるよね?」という問題しか出せないのです。

必修問題で問われるのは、「医療系学生にとっての常識」とされていること

だからこそ、必修問題では医療現場において「常識」だったり「知らないと重大な事故に繋がりかねないこと」が問われます。
裏を返せば「極めて基本的」なことが問われます。
だから、必修問題対策をするということは「基礎固めをすること」「土台を作ること」になるわけです。

中学校で数学を学ぶ際、小学校の算数がある程度理解できていることが前提になるのと同様、「一般問題対策をする前に必修レベルの知識が理解できていることは前提」になります。

「理科と社会」の関係ではなく「数学と算数」の関係

一般問題と必修問題は、この数学と算数の関係に近いです。決して理科と社会の関係のように「ジャンルの違う科目」ではないのです!
理科が得意で社会がニガテ」はあるかもしれませんが、「一般は得意だけど必修はニガテ」はありえません!

英単語を学ぶなら「英会話レベル」と、「論文レベル」のどちらから?

もしみなさんが「アメリカに語学留学する」とします。事前に数ヶ月の準備期間があるとして、その期間に何を学びますか?
多くの人の答えが「英語を勉強する」ではないかな?と思います。
医療従事者になるにあたり国家試験対策をすることは、「留学先の語学を勉強する」に近いことです。

そして単語帳を買いに行くとしたら「英会話レベル」でしょうか?「英語論文読解レベル」でしょうか?

「まずは英語で会話が成り立つ」ことが最低限必要だと思います。さらに、「現場でよく使われる」英会話レベルの単語を先に学ぶべきでしょう。
必修対策を先にすること、優先すること。それは、この頻出の「英会話レベル」を先に固める感覚に近いと思ってください。

「必修固め」=「土台固め」

具体例がくどかったかもしれません。まとめましょう。

「必修問題」と「一般問題」の関係は「基礎」と「応用」の関係です。
「算数と数学」のような関係であり、社会と理科のように、分野の違う2科目ではありません。
また、英単語学習において「英会話レベル」と「英文読解レベル」のように「現場でよく使われる知識」から学ぶほうが「役に立ち」ますし試験対策としても効率が良いです。

必修問題と一般問題。それぞれ「別々に対策」するのではなく、「まず必修をちゃんと固める」ことが大事だということです。

そして、必修問題対策を先に固めた人は、「その後の一般問題対策も楽になる」のです。だから、「国家試験対策はまず必修」だということなのです。

「まずは必修」を推す理由はこんなところでしょうか。くどいほどしつこく、「基本を大事に」と教わるスポーツに近い感覚ではないでしょうか?

では、具体的に必修問題をどう対策していくか?
次回をお楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?