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研修医の日常の疑問を解消するためのマガジン

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病院の後輩研修医達に向けて、有用記事をまとめています。 「研修医一年目の、辛かったあの頃」 右も左も分からないまま、難解な医学書を買い漁るものの、 「研修が忙しすぎて読んでい… もっと読む
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2021年6月の記事一覧

「行動モデル」を理解し、機械的に習慣をコントロールする

〜どんな「コード」を書けば、より良く自分をプログラミングできるか?〜 習慣 超大全 本の紹介です。みなさんに紹介したい本はたくさんありつつ「出し渋り」しておりました。が、今回は一足早く紹介です。「あらゆる方」を対象におすすめできる本です。 「行動デザイン」で習慣化を「仕組み化・自動化」できる 研究に基づいた方法論で、かつ実際に現場で成果も出している手法「タイニー・ハビット」の理論と実践が書かれています。自分の行動習慣を「改造」する仕組みを作ることができるため、どんな人でもす

不整脈の種類と重症度スペクトラム②

 前回、独断と偏見による、「モニターで不整脈出現時の考えかた」をざっくりお伝えしました。初学者に特におすすめの内容になっています。 前回の復習 実はまだ、この図の詳しい説明はしていません。縦軸が患者さんの重症度、横軸が不整脈の種類だよ、縦軸と横軸の「判断」はベテランになるほど正確になるし、初心者や新人は「ざっくり」でいいよということをお伝えしてきました。 不整脈の種類と、重症度スペクトラム では、この図の詳しい中身に入っていきましょう。不整脈の種類が、あちこちに書かれてい

不整脈の種類と重症度スペクトラム(独断と偏見)①

出ました、独断と偏見シリーズ!だけど現場で役立つ自信はメチャメチャありますので最後までお付き合いください! まずはこの図を「じっくり」見て解釈してみてください! ちゃんと「にらめっこ」できましたか? 2年目の研修医くらいであれば、自分で解釈して人に説明できるところまで読み込むことができると思います。「もう少し」この下の文章を読む前に、我慢してじっくり図とにらめっこしてほしいと思います。その方が、「絶対」タメになります! また循環器病棟に勤める3年目以上くらいの看護師

不整脈の種類と重症度スペクトラム

強心薬、DOBとMILどっちにしたら良い?

強心薬の使い方は難しいですよね。強心薬が必要な場面を判断し、「ちゃんと効いているか」を判断するのは経験を要すると思います。過去に記事を書いていますので、ぜひ参照していただければと思います。 では、強心薬が必要な場面が判断できたとします。 次に、強心薬のうち、β刺激薬(ドブタミン)を優先すべきか、PDE-3阻害薬(ミルリノンやオルプリノン)を優先すべきか、悩みますよね。 今日は、その話をします。 結論からいえば、まずドブタミン(DOB)を使い慣れろ いろいろ考える

心電図読影で大事なのは、ホームランを打つことではなく、「三振をしない」こと

「もしも心電図が小学校の必修科目だったら」 「もしも心電図が小学校の必修科目だったら(香坂俊 先生 著)」をご存知でしょうか? 香坂先生の「わかりやすく、かつぶっちゃけた話しぶり(書きぶり?)」に感銘を受けたことを(わかりやすいけど、小学生にはキツイよなとかツッコミながら読んでいたことも)覚えています。 あの本が出て8年も経つと知り、早いものだなと感じています。 なぜこの話題が急に出てきたか?といえば、、、本屋で偶然出会ったからです。手にとった瞬間「第2版」であるこ

降圧薬の種類

降圧薬について、1年目研修医向けに記事を書きました。「ぶっちゃけ内服ならアムロジン少量だけ使えれば良いんじゃない?」みたいなことも書きました。 では、今日は次のステップにいきましょう。今日は中年男性の高血圧という具体例を通して内服をメインに話します(が、点滴薬も概ね種類が同じであれば作用機序は一緒ですから安心してください)。 外来でのシチュエーション 例えば、すでにアムロジンを10mgくらい飲んでいる人が、最近また血圧手帳の血圧をみると、 1日 朝:144/92mm

利尿薬の種類 〜導入編〜

 前回の「降圧薬」に関係して利尿薬の話もしておきましょう。  教科書に載っているような厳密な分類はさておき、利尿薬を、臨床での役割を考えた上で分類します。 使用する「場面」ごとに整理された知識というのは臨床で「すぐ使える」知識になりますよ! WING先輩「流」、利尿薬の分類まず本記事では、分類の紹介をしましょう! 利尿薬グループ① 体液量のコントロール目的(いわゆる心不全・腎不全・肝不全による体液貯留に対して)① ループ利尿薬(体液コントロールの「主力」② トルバプ