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Kentoku Estate Winery ケントクエステートワイナリー ワインテイスティング 結果:あかん

神奈川県相模原市にある「Kentoku Estate Winery」のワイン2本をテイスティングしました。

アルモノワール・ビジュノワール 2019

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外観:ボトルの上の方は比較的澄んでいるが、底の方はそれなりに濁っている。無濾過か。色合いは明るめのルビーといった感じ。

香り:少し青っぽさがあり、鉛筆の芯のようなにおいに赤系果実の酸味を想起させる香り。トータルではボリューム少なめで特に惹かれる点なし。

味わい:残糖は感じずドライな印象。酸がやや強く、タンニンもやや多い。口中に収斂味が広がり心地良さはない。果実感や熟成による複雑さ・厚みの類も特になく、スカスカパレット。もちろんアフターも短い。

まとめ:あくまで個人の感想だが、単純に美味しくない。香りも味わいも構成要素に乏しく、楽しみどころを見いだせない。税込み価格2420円だが、いくらなら、ということはなく、シンプルに購入する価値が感じられない。

ピノ・ノワール 2019

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外観:クリアさに欠ける明るいルビーに若干褐色がかった雰囲気。

香り:紅茶や加熱して砂糖でつめたリンゴ、枯れ葉など。

味わい:少しの甘いフレーバーを伴うエントリー。少々残糖があるか。量がやや多く粗さのあるタンニンがやや強めの収斂味をもたらす。樽の木質なフレーバー。酸は中程度でミドル以降の細さが目立つ。アフターも無論短い。

まとめ:香りは思ったよりそれっぽく、「おっ」となったものの、味わいが物足りない。バランスが悪く一体感が皆無。飲んでて自然さがなく常に違和感がある。単純に嗜好性飲料としてこのワインを美味しいと感じる人はあまり多くないのではないかと思う。

今回のテイスティングについて

酷評、という表現に集約されてしまうかもしれません。

ワインのことをある程度理解している人であれば、現状神奈川県産のブドウを使ったワインが他のワインと同様のフィールドで比較された際、相対的には圧倒的に劣ることが想像に易いと思います。

ではなぜその点を想像できたうえで今回ケントクさんのワインを購入したかというと、「神奈川出身者が地元ワインの現状把握をしておきたかったから」ということに尽きます。

月並みですが、僕は神奈川が、地元が割と好きです。

そんな中、最近神奈川でワイン用ブドウの栽培、ワイナリー起ち上げの気風が高まっており、中でも相模原は、最近ワイン特区に認定されました

なまじワインのことを勉強している僕からすれば「高品質のワインを造るのは厳しいのになぜあえて神奈川で取り組むのだろうか」と思っていたため、そんな僕の浅はかな考えを裏切って欲しいと願いつつ、ケントクさんのワインを購入し試してみました。

結果は予想通り、という感じでした。

考慮する点としては、

①まだ樹齢が若いのでこれから品質が上がる可能性は十分にある
②ノウハウが蓄積していないため今後の伸びしろが大きい

といったことが挙げられはします。

ただ、そうは言っても限界に到達するタイミングはそう遠くない未来に訪れる気がします。温暖化の進行も含めればなおさらのこと。

品質を求めて取り組むならば、ヨーロッパ系のワイン用品種でなく日本の固有品種や交配品種の方がまだ多少は品質追求の余地があるのではと思いますが、それでもとんでもなく望み薄な挑戦になるかと。

よく知らない人は前向きに「がんばれ!」と応援してくれますが、目的を達成するためにはある程度手段を選択するべきと考えます。

具体的には、“耕作放棄地の活用、地域農業の発展”を掲げるならば、“可能性のある”農作物栽培を行うべきです。

可能性の中には持続性、将来性、経済性、etc... 様々な要素が含まれます。

北海道がワイン産地として盛り上がってきているのは、「パイオニア」がドメーヌタカヒコやクリサワブランのナカザワヴィンヤードだったから、という側面は小さくないのではないでしょうか。

まぁ「好きにやってる人にグダグダ言ってんな」とくさされればそれまでですが、不毛の地に文化を持ち込もうとする者にはそれなりの姿が求められるよと、現実世界ではかめはめ波は撃てないんだよと、そんなことを思うわけです。

まとめ

一応示しておきたいのは、僕は何も本記事でKentoku Estate Wineryさんをいたずらに貶めたいわけではないということです。

ただ、僕は1本2420円のワインを2本買い、送料含め6000円弱費やしたうえで散々な想いをさせられた消費者なわけで、それを愚痴る権利、同じような想いをする人を少しでも減らすために発信する使命感が認められて然るべきと思います。

想定できたうえで購入しているとはいえ、広義では一消費者であることに変わりありません。

もし本当は美味しいワインを造っているのであれば、そういった口コミがネットに散見されるでしょうから、もし僕の本記事に著しく正当性がない場合は怒涛の謝罪をかますのでぜひご連絡下さい。

というか、手のひら返したいので本当に頑張って欲しい。

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