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樽熟成水出しコーヒー (2019.03.08)

話題の「スターバックス リザーブ ロースタリー」に行ってきた。

確かに建物自体が洒落ており、目黒川沿いということで、これからの季節お花見をするにも最高のロケーションだろう。しかし、私はお洒落な雰囲気に浸るためではなく、明確な目的を持ってここに来た。

私の目的は、バーボンウィスキー樽で熟成したコーヒー豆から淹れた水出しコーヒーを味わうことだ。私は新設された中目黒店で味わうことが出来ると知って以降、訪問機会を伺っていた。ウィスキー樽で熟成したコーヒー豆は割合簡単に入手できる。しかし、まだ3月初めで寒い時期だというのに、何故コールドブリューという形で売り出すのかが気になっていたのだ。

コーヒーを注文する際、レジのお姉さんに「何故通常のホットではなくコールドブリューにしたのですか?」と聞いてみた。「ウィスキーの風味を味わって頂きたいからだと思いますが、次回までに確認しておきます」、お姉さんは申し訳なさそうに答えてくれた。笑顔を絶やさないスターバックスの店員さんを困らせることは中々難しい。悪いことをした。

商品受け渡しカウンターでコーヒーを受け取ったとき、疑問は一瞬で氷解した。これは正にウィスキーのロックではないか!カウンターのお姉さんも、「ウィスキーを味わう感覚でお楽しみください」とのこと。

氷塊が鎮座した姿が美しい。まさに、オン・ザ・ロック。鼻を近づけると確かにウィスキーの甘やかな香りに包まれる。口に含むとシロップのように濃密で甘い。果実や花などのエステル香も心地よい。クリーミーな舌触りで、チョコレートや黒糖、バターの風味。後味にようやくコーヒーの風味が感じられる。

ブラインドで出されたらコーヒーだと認識できるだろうか?アルコールが入っていないので、ウィスキーやリキュールでないことは分かるだろうが、果たして「じゃあ何?」って、自分の場合はなりそうだ。

このコーヒーを一言で例えるなら、品が無いのを承知で言うと、「ノンアルコール・ウィスキー」。一枚板のカウンターでしっぽりグラスを傾けたいけど、アルコールが飲めないとき、酔える気分ではないとき、そんなシチュエーションに最適なコーヒーだ。

最後に一言付け加えるとすれば、このコーヒーは味も抜群の存在感があるゆえ、個人的には1人で飲むには量が多かった。価格も1,200円と高いので、2人で1杯がちょうど良いのではないかと思う。

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