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勝手にマリアージュ【12月】クリームシチュー×シャルドネ

地域を元気にしたいワインエキスパートが、旬の食材と「日本ワイン」を気軽に楽しめるオススメの組み合わせ「勝手にマリアージュ」をお届け。

12月のテーマは、クリームシチューとシャルドネです。
シャルドネは、世界で一番栽培されている白葡萄種ですが、その土地によって味わいが大きく異なります。
例えば、フランスのブルゴーニュのような冷涼な地域では、キリっとしたワインになりますし、南イタリアなどの温暖な地域では、パイナップルのようなトロピカルな香りのワインになります。
日本国内でも、北寄りの地域はすっきりした味わいに、南寄りの場合はややトロピカルな香りが感じられます。

私がこの時期にのみたくなるのは、少し樽のきいたシャルドネです。
控えめに樽で熟成されたシャルドネは、わずかにバニラやトーストのような香りがして、冬のクリームシチューに良く合います。

シャルドネには、酸味の強いシャブリや、カリフォルニアの樽がしっかりきいたワインもありますが、いずれも家庭料理には合わせにくいと思います。よって、私はシャルドネを積極的に選ぶことは少ないのですが、この少し樽のきいた白ワインは、冬のコクのある料理にバランス良く寄り添ってくれて、おうちご飯にも活躍してくれると思います。

最初の写真のクリームシチューは、帆立とキノコのシチューです。
(美味しそうに撮れていないですが。。。笑)

■帆立とキノコのシチューの簡単レシピ

みじん切りした玉ねぎをバターで炒め、キノコも入れてなじんだら、小麦粉をふりいれて、豆乳でのばします。
水を足して沸騰してきたら、帆立(この時はヒモ付)とコンソメを入れ、最後に塩コショウで味をととのえます。

クリームシチューには、帆立の代わりに鮭を入れてもいいと思いますし、カリフラワーやブロッコリー、ジャガイモを入れるのも好きです。
なんとなく、シャルドネにはニンジンは合わないような気がして、あまり入れません。「ホワイトシチュー」って感じの方が、樽のきいたシャルドネには合う気がします。

この日は、立派などんこ↓が手に入ったので、いい旨味がでた気がします。

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あとは、ベーコンを入れると更にコクがでます。
↑上の写真の右半分は、西荻窪の「もぐもぐ」というお店のベーコンとソーセージです。
「もぐもぐ」は、10数年前から、ポトフやグリルソーセージが食べたい気分の時に通っているお店です。先日、1年以上ぶりに、ふと思い出して行ってきました。
保存料を使っていない自家製のベーコン等を製造販売されていて、休日は隣のお肉屋さんとともに、近所の家族連れやご夫婦などのお客さん達で賑わいます。

今回の写真の白ワインは、こちら↓。

■安心院ワイン シャルドネ イモリ谷 2019

レモンや林檎のようなフルーティーな香りと、ほんのり樽がきいていて、スッキリ軽めでドライです。イモリが手足を広げたような形の谷「イモリ谷」で栽培されたシャルドネをつかったワインです。

この安心院ワインより、更に樽のきいた飲みごたえのある日本ワインがこちら↓。

■ミエ・イケノ シャルドネ 2017

昨年、印象に残ったワインです。「ドメーヌ ミエ・イケノ」はフランスでワインづくりをされた池野美映さんが、山梨につくられたドメーヌ(=葡萄の栽培もワインの醸造も自社でするワイナリー)で、とても人気があり、こちらのワインは非常に手に入りにくいです。
私は東急百貨店のワイン売場で、偶然見つけました。5000円以上しますが、もし見つけたら、この12月のホリデーシーズンに是非お試しあれ~♪

ちなみに、先日、ミシュランガイド東京2021で三つ星になった「茶禅華」さんでは、「ドメーヌ ミエ・イケノ」のワインを全種類取り扱っていらっしゃるとのことです!

「シャルドネ」データ(日本ソムリエ協会2019教本より)
①生産量は白用品種では4位。欧・中東系品種ではメルロに次ぐ。

②日本で本格的な栽培が始まったのは1980年代。

③生産量は長野県が最多で、山形県、兵庫県が続く。
 長野県では2000年以降、栽培面積が3倍以上になった。

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