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&THINGS MAGAZINE #10 : 宇宙=哲学=仏教=BTS=愛

(4月13日水曜日、WINES&THINGSのメールマガジン “&THINGS MAGAZINE” #10の転載です)

娘の入学式に保護者会、息子も新学期を迎え慌ただしくしていたら…1週間、本当にあっという間!でした。毎週ちゃんとやろうと決めなければメルマガ配信も疎かになってしまいそう…今のところ欠かさず配信できていて何よりです。

この1週間は特にインプットもなく…もうひたすら春だな〜ピクニックしたいな〜〜という気持ちのままわちゃわちゃとしておりました。今週からSNSではピクニックに最適なワインと本、というテーマにして投稿をしていこうと、本棚をゴソゴソして手にしたのが有島武郎の「惜みなく愛は奪う」。20代の時に初めて読んだこの本、ものすごく衝撃的でした。大学では天文学の授業が大好きでルームメイトと宇宙論を朝まで語り合ったりしていた私にとって、宇宙と哲学が初めて出会った瞬間でした。正直、哲学って出口ないから好きじゃないんだよね、と思っていたのですが、出口なくて当たり前っっ!!と笑いたくなったものです。そして40代の今、宇宙=哲学=仏教の図式が私を捕らえて逃さない。(あ、ここに=BTSっていうのが加わってます笑)

以前Coursera(無料のオンライン学校)で受けたYale大学の哲学の授業で真っ先に学んだのがデカルトの “I think, therefore I am (我思う、故に我あり)”。この言葉は単純に人間が思考する動物であるという意味以上に、ミクロの宇宙が我であり、マクロの我が宇宙なんだということを私に教えてくれました。でもそれって、紀元前5世紀に既に釈迦が般若心経で説いていたことなんです。アインシュタインの相対性理論も、ニュートンの慣性の法則も、果てはマルクス・エンゲルスの唯物弁証法も…科学も哲学もまるわかり!釈迦万能すぎやろ!!お坊さんに高学歴が多いのも頷けます。

さて!そんなこんなで今回の小ネタは、超個人的にオススメする、哲学的漫画をご紹介!!

ひとつめ!テレビアニメにもなりました、幸村誠の「プラネテス」!この作品、星雲賞を原作(2002)・アニメ(2005)でダブル受賞していて『風の谷のナウシカ』以来、連載中の作品については初!(via Wikipedia)だそうで、何に驚いたかってもう20年以上前の作品なんですね〜、ワォ。舞台は2070年代の宇宙。宇宙空間でデブリと呼ばれるゴミを回収する仕事をしている主人公が、自分の夢と向き合ったり、遭遇した事故による後遺症で自分の内面に深く落ち込んでいったり…宇宙の話が自己の話へとシフトしていくあたりがものすごく哲学的だと思った…記憶があります。読んだの昔すぎて細かいことは忘れてしまったのですが本棚にあるので再読してみたいと思います。
(現在アニメはNHKで放送中、またはhuluで観れるみたいです)


ふたつめ!漫画というかアート作品ですね、井上雄彦の「バガボンド」!ご存知、宮本武蔵を題材に描かれた作品ですが、小次郎が聾だったり原作からだいぶ脚色しているみたいです。強くありたいとただ一心に願い走り続けた挙句、結局刀を通して向き合ったのは、己だった…というような内容だったと思うのですが、こちらもなんと連載開始がもう20年以上前…ワォウ!何より墨で描かれたようなタッチが禅を彷彿とさせ、沢庵から出てくる名言は全て仏教的(当たり前ですが)かつとことん哲学的。連載当時発売が遅くて最後まで読みきれてなかったので読んでみたいと思います。(って37巻もあるんかい!)


みっつめ!哲学的漫画の金字塔、漫画界のレオナルド・ダ・ヴィンチこと手塚治虫先生の「火ノ鳥」!これ以外にないですね。幅が広すぎて説明しきれないのですが、連載中に掲載誌が数回変わっているので絵のタッチや題材が何度か大きくシフトしますね(余談)。そして「火ノ鳥」と「ブッダ」を同時に読むと、トリップします。生きるということ自体が、ただひたすらそれを全うする運命にある我々のかけがえのない苦行であるのだなぁと実感すること請け合いです。

こちらの考察が秀逸なので是非。
https://www.gixo.jp/blog/2612/


と、哲学や仏教について話していたらすっかり疲れてしまいましたので小ネタはこの辺で。

おまけ
2年前に北鎌倉のお寺で受けた哲学者中村昇さんと藤田一照さんの座談会のアーカイヴ映像。

中村先生がそれはそれは楽しそうに哲学を語るのが最高にチャーミングです。
【宗教ってなに?Ⅴ「無心とは何か~哲学の冒険」】|中村昇×藤田一照
「無心」とは、一体何でしょうか。
哲学者の中村昇さんは、ウィトゲンシュタインの「絶対の領域」と西田幾多郎の「絶対無の場所」とを結びつけ、「無心」にアプローチしていきます。これに対し僧侶の藤田一照さんは、禅の修行において目指される「一超直入如来地」の鍵として、「無心」を位置づけます。
哲学の議論を修行の問題にうつしかえながら進められるお二人のスリリングな対談にお立ち会いください!

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