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ゲームマーケット2023秋行ってきたレポート 〜アナログゲームのいまとこれから〜

この記事は、筆者が国内最大規模のアナログゲーム・ テーブルゲーム・ボードゲームイベントである「ゲームマーケット」に参加した感想について書かれています。
出展作品で気になったゲームを紹介しているほか、昨今再燃しているアナログトイ市場や、アナログゲームのデジタル化に関する私見も書いてみました。


「ゲームマーケット」とは?

ゲームマーケットは、“電源を使用しない”アナログゲームのイベントです。

ゲームマーケット公式HP「ゲームマーケットの概要」

ゲームマーケットとは、アナログゲーム・ テーブルゲーム・ボードゲームの制作会社やサークルが多数出展する即売会イベントで、いわば”アナログゲーム版コミケ”です。

個人的には今回初参加だったのですが、初開催は2000年と”伝統ある”と言って良い長い実績があり、春・秋年2回の東京ビックサイトでの開催のほか、関西でも年1度開催されています。

2023年秋は12月9,10日(土•日)に開催され、天候にも恵まれ沢山の来場者が見られました。

開場30分後に着いたところ、この行列!

友人数人と参加されている学生の方のほか、ご家族で来られている方や、(多分)海外から参加されている方等、老若男女幅広い層からの参加が印象的でした。

私的・気になったゲームの紹介

1.『てのひらダンジョン』(JELLY JELLY GAMES)

1つ目は今回の個人的な戦利品・『てのひらダンジョン』です。
まず世界観設定が好き。

あなたはヘタレな冒険者
王様の命令を受けてこの島まで来ましたが、
とてもダンジョンに入る勇気が出ません。
酒場で悩んでいたあなたは、いいことを思いつきました。
「他の冒険者を雇い、自分の代わりに行ってもらおう••••••!」

『てのひらダンジョン 遊び方説明書』より引用
ゲーム性・イラスト共にどストライク

ゲーム性としてはターン制カードバトルの墓地利用ピーピングサーチ効果を持った冒険者を駆使して報酬(勝利点)を稼いでいく形で、1回の手番の行動がカード1枚と非常にシンプルながら、戦略性と逆転可能性が併存しておりかなり楽しめました。

↓オンラインストアでも販売中です!

2.『ラフレシアン』(SzpiLAB)

2つ目は六角形のゲーム箱を組み立てるとゲームのステージになる『ラフレシアン』。デザインがおしゃれで飾りたくなる!

コンポーネントを物理的に投げ入れるというゲーム性ながら、分かりやすさだけでなく戦略性も兼ね備えた、みんなで遊びたくなるゲームです。

コンポーネントもしっかりとした造りで安心!

3.『toreros』(ピーナツデザイン)

続いてはコンポーネントと布製のフィールドが素敵なゲーム『toreros』。
囲碁+牛と闘牛士として動けるようになった碁石というと伝わるでしょうか、”盤”になる赤い布が闘牛士のマントみたいでこだわりを感じます!

いただいたポストカードのデザインもおしゃれ

4. 『偏見プロフィール』(ゲーム工房カコムタク)

4つ目からは若干ネタ枠になります『偏見プロフィール』。
AIで生成された架空の人物の顔写真をネタに大喜利をするゲームです。

”ゲーム開発におけるAI技術の活用”みたいなテーマのトークセッションが様々なイベントが見られ、そういうのも好きではあるのですが•••
肩の力が抜けた”AI活用”を見て、ちょっとほっこりしました。

↓(初めは)こういうのでいいんだよ

5.『Osetter〜青い鳥vs X』(AZB.STUDIO)

これが最後で良いんだろうかと紹介するのが『Osetter〜青い鳥vs X』。
バカバカしさが愛おしい。

ネタ枠と侮っている訳ではありません。『密ですゲーム』や『Crabhouse』など、"時流を掴んで形にする"ってすごいことだと思います。

通った来場客を笑顔にする魔法

ボードゲームに思うこと

"多彩"と"個性"のゲームデザイン

「ゲームマーケット2023秋」では沢山の企業・サークルが出展しており、公式HPの検索ベースによると、2日間でなんと1,113件のブースがありました。

ブース数≠サークル数とは思いますが、すごい数!

これだけの数が出展していれば、正直な話「あれ、このゲームさっきのサークルのと似てるな•••」というのもありはするのですが、とはいえ、それぞれのサークルが自分たちのアイデアやこだわりを形にしたゲームは個性的で、”癖”が見えるのもこういったイベントの良さであると再確認しました。

今回のイベントはもちろん“電源を使用しない”ゲームですが、面白さの根源はデジタル・アナログ問わず共通です。アイデアの勉強という意味でも参加して良かったと強く感じます。


デジタルゲームにおけるアナログゲーム

デジタルゲームになくてアナログゲームにあるものはその”質量”です。
デザインに優れた作品や、思い出の詰まったボードゲームは飾ったり手元に置いておくこと自体に意味が発生します。

逆にアナログゲームにはなくてデジタルゲームならではの良さとはなんでしょうか? アナログゲームのデジタル化に成功した2つの例から考えてみたいと思います。

1つ目が言わずと知れた国民的カードゲーム『遊戯王』のデジタル版『遊戯王 マスターデュエル』。
これまでも『遊戯王ADS(Automatic Dueling System)』という非公式のシミュレータや、スマホプレイに最適化された簡易版である『遊戯王 デュエルリンクス』があったものの、マルチプラットフォームやリッチなエフェクトは全決闘者(デュエリスト)が待ち望んでいたと言っても過言ではありません。

そしてデジタル化によって実現された”ソリッドビジョン”は、まさにアナログゲームでは難しい領域をデジタルゲームで補完した例だと考えています。


2つ目の成功事例として紹介するのが『レッツプレイ!オインクゲームズ』。
こちらはボードゲーム制作の大手である「オインクゲームズ」のアナログゲームをオンラインプレイ可能なデジタルゲーム化した例です。

デジタル化にあたってのこだわり、あるいはアナログゲーム会社としての矜持について詳しくは上の記事を読んでいただきたいのですが、アナログゲームの良さであり欠点でもある”集まらないと遊べない”を解消しつつ、アナログゲームの”ライブ感”を残すことに成功した好例と感じました。

会場で一際賑わうブース
に、ひっそりと置かれたダウンロードカード


再燃するアナログトイ市場

最後にゲームから少し離れて「アナログトイ市場」という観点で少し言及したいと思います。
昨今「ガチャ」というとソーシャルゲームのガチャを思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、実は元々の語源である「ガチャガチャ」あるいは「ガチャポン」、カプセルトイも近年大きく市場規模を伸ばしています。

コロナ禍による飲食店や衣服・雑貨屋が閉店した空きスペースに出来たガチャガチャエリア。
確かにガチャガチャの筐体は電源を使用せず、基本無人で営業が可能という点が、とりあえず空きスペースを埋めたいテナント所有者のニーズにマッチしたことは間違いないと感じますが、感染収束以降も規模を拡大しているようです。

先ほど「アナログゲームの良さは”質量”」と書かせていただきましたが、現在ガチャガチャを遊ぶ人たちは、”何が出るか分からないワクワク感”に対してお金を払っている”コト消費”であると捉えると、インバウンド需要含めてアナログトイ市場”再燃”と表現して差し支えないと考えています。

この項を書いていて、小さい頃旅行先のお土産屋さんで売っているご当地ストラップが好きだったのを思い出しました。まだ実家にあんのかな•••

筆者雑感

まとめ

おもしろいもん観たいじゃん

pixivision「pixivisionとは」


※一部偉そうなことを書いていますが、筆者はゲーム制作が趣味のただのサラリーマンです。アナログゲームに詳しい方、是非コメント欄で教えていただけると嬉しいです!

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