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はるか向こう側だったカナダのこと

向こう側へ行きたい。思えばそんな思いが私を突き動かしてきた。

最初の向こう側は東京。約15年前、育った東北の町から上京した。10代だった。
新幹線は止まるけれど、ほかに特出すべきこともない、そんな地方都市だった。今は肯定的に捉えている故郷だけれど、幼い頃から東京に出たいという思いが人一倍強かった。
年に二回、親の帰郷に合わせて東京に出ては、当時好きだった文房具を買い揃えるのが当時の私の楽しみだった。だから高校を出て東京の大学に進学したのはとても自然な成り行きだったし、実際、東京での生活はとても楽しかった。
田舎で憧れた以上のものが東京にはあって、美しいものを見て、美味しいものを食べ、たくさんの人に出会い、貴重な体験をすることになることを19歳の私はまだ知らない。その東京での生活については、これからどこかで書くかもしれないけれど、今日はその後の話。

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さて、東京での生活が板についてきた頃、趣味で続けていた英語もだいぶ上達し、英語でコミュニケーションする友人も何人かできた。彼らの考え方はいつもとても新鮮で、幼馴染みのようなインターネットの世界は気づけば私を海外の情報へとつないでくれた。
海外に行きたい。ぼんやりと願っていたことが徐々にかたちを帯びはじめたのは、今からほんの1年半ほど前のこと。インターネットの広大な海は、海外に行きたいという朧げな願いをカナダへ行くのだという具体的な目標へ私を導いた。

カナダへ行きたい。

ワーキングホリデーの上限年齢を超えた私にはそれは高い目標だった。インターネットにすらあまり情報がなかったし、わずかにある情報も心許なかった。けれど、カナダに行きたいという目標は私を強く突き動かして、はるか向こう側だったカナダで、私は学生をしている。

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このノートでは、ここでの生活や外国語学習のことをシェアしていきたい。似た境遇にある人たちの少しの手助けになることを願って。


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