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ニンジャスレイヤーを第4部から読みはじめる/シーズン2_7「ポッシブル・ドミネイション」(前)

出戻り初心者ヘッズの望月もなかです。こんばんは! 
テンポよくサクサク読んでいきたいとお話しましたが、早くもピザタキのターンが来てしまい挫折しました……。シーズン3がクライマックスみたいなので早く追いつきたいんですけど、無理は禁物ってことですね。残念。こつこつとマイペースに行きます。

前回の感想はこちらです。


【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識

・6年前に書籍第一部を3巻まで読んだところで中断。だいぶ忘れてます。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・2019年11月~2020年3月にかけてAoMシーズン1を読了。
・実況は一度だけ参加しました(20年2月の3部野球回再放送)。

【前提2】感想の方針

・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の前知識はあえて入れないようにしています。よって、単語がわからずよく混乱していますがそっと見守っていただければ幸いです。

◇◇◇

今回のエピソードはこちらです!

シーズン2「ポッシブル・ドミネイション」(前)

「ワイズマン」幹部・カークィウスを引きずり出せ……! ソウカイヤの急襲で浮足立つヤクザ組織「過冬」。混乱に乗じて殺戮を重ね、マスラダ&タキはじりじりとカークィウスの情報に近づいていく。だが、過冬のUNIXにアクセスしようとしたタキは逆に攻撃を受けてしまう――!

◇これまでのあらすじ◇

ザ・ヴァーティゴという人がなんか唐突に解説してくれる。けっこうおいしい情報があってニヤニヤしました。

サツガイはナスカに眠る巨大なリアルニンジャを目覚めさせた。(中略)これによりナスカ地域は崩壊して地図から消え、海になったぞ。

なるほど、サツガイのせいだったんですか。特に理由もなく崩壊したのかと思ってました(理解が雑)。

ナラク・ニンジャはこの新しいニンジャスレイヤー、マスラダ・カイに相当手を焼いている。言う事を聞かないのはフジキド同様なんだけど、若くて、さらに言う事を聞かないし、危なっかしいんだね
いっぽうマスラダは他人の迷惑とか気にしないけど、受けた恩は返したい男だ。

公式で「フジキドよりさらに言う事を聞かない」「他人の迷惑とか気にしない」って明言される主人公マスラダ! 笑ってしまいました。(「恩を受けたら返す」が義父ワモンやアユミさんによる教育の賜物だったら大喜びしちゃうな……)

タキはニンジャスレイヤーに命を救われて、以後、無理やり協力させられていた。そして今は……アイツどうして協力してるんだろう?

「腐れ縁」って明言されたのニヤニヤしちゃいました。えへへなんでだろうね~~~なんで協力してるんでしょうね~!! 

ちょっと真面目な話をすると、「自分よりも強い男から『おまえの仕事の腕が、欲しい』と乞われた」からじゃないかと思うんですよね。わりと男の本懐みたいなトコない?
最初は怯えていたタキも、どこかの時点で、「ニンジャスレイヤーは自分を殺さない」ということがわかったはずです(おそらく『ストーム・イナ・ユノミ』以後)。怯えが消えてしまえば、後に残るのは「死神みたいな男だが、おれのスキルがないと何もできない奴」という実感ですよ。やっぱり得意分野で頼りにされるのって、嬉しいと思うのです。幼いころから必死で身に着けた技術ならなおさら、それを生かして世界中で大暴れする男の片棒を担いでめちゃくちゃやれるのって、まんざらでもないんじゃないのかなあ。

あとは単純に情がわいたんでしょうね。ふふ。それはそれとしてマスラダくんはそろそろタキさんにお礼するべき。シトカ土産の2箱3箱送ってもいいと思う。


♯1

「スゲェ。いや違うだろ。いきなり現れてテメェ……オレをあまり侮るなよ」「……」サキュバスは目を細めた。タキは舌打ちした。「まずはホットな衣装だろ」
「あら」「セッティングが大事だ。オレは厳しい。チアリーダーがいい」タキは強く出た。

こら。

ばか。

な~~~にがチアリーダーじゃこのボケ!! という気持ちである。おもしろいなこの人……。

洗車だの泡まみれだの二人に増えろだの、黙って見てればどんどん増えていく陳腐な注文、もうだめである。はあ。サヨナラですよ……。あーあ。


「スケベ・ドミネイター」ニンジャスレイヤーは眉根を寄せ、呟いた。

マスラダくんが「スケベ」の3文字を発声した実績がアカシックレコードに記録された事実、シンプルにすごいな……大事件では?

タキがオンラインでデータにアクセスした途端にこの状態となった。正常な処理とは思えぬ。なんらかの攻撃を受けたか?「聞こえるか!」ニンジャスレイヤーは繰り返しキーをヒットした。反応無し!

ハァアア~~~ッ! はー……動揺してるマスラダ……おいしい……今日作った渾身の夏野菜カレーとどっちが美味いかと比べたらもしかして動揺してるマスラダの方が上回るかもしれないってくらいおいしい……!! 余裕で100回くらい読み返せますねここ、はぁああ……。うへへへ。最高! 最ッ高!!

「クソッ!」ニンジャスレイヤーは状況判断を試みる。LANケーブルだ!彼はケーブルを掴み、引き抜こうとした。だが思い留まる。今のタキはどんな状態だ?確かめぬままに極端な行動を取れば、何らかのニューロン損傷につながるのではないか?
(応答しろ)ニンジャスレイヤーは己のニューロンに強く念じ、タキに対するIRC通信を執拗にコールした。もはやタキが攻撃を受けている事は明白だ。(応答しろ。聞こえるか!)

「決断」→「実行」のみのコマンドしか搭載されてないようなマスラダくんが(これをやるとタキが危険かもしれない)って思った途端、行動に踏み切れなくなって必死で(応答しろ!)しか言えなくなっちゃったのさあ~~~~~! ハァーーーッ!!(溜息) あの、もう、無理、最高ですありがとうありがとう……。 Foooooo!! やったぜ!!!

ニヤニヤが止まらないな……。
たのしい……。

ところでニヤニヤが止まらないといえば、そのあとのシルバーキー氏との会話なんですけど。行間の話なんですけど。

「ハッカーにやられているならハッカーが必要だ。素人に出来る事はない」シルバーキーは言った。「……ないんだが、まあやってみるか」

ここ、一度シルバーキー氏がきっぱりと「素人に出来る事はない」と言い切ったじゃないですか。「タキが捕まった、まずい」と訴えるマスラダに対しての答えです。なお、ここでいう「素人」はマスラダのことでもあります。ここまではいいですよね。

で、あの、その次……。
「……ないんだが、まあ」って続けるところ、めちゃくちゃフォロー入れてるっぽい口調じゃありません? 

「素人に出来る事はない」って言われたマスラダ、どんな顔したんだろうな……。

これを考えると無限に哲学的な気分になり世界の起源とかアガペーとかイドとかについて思いを馳せてしまう(?)のでおすすめです。はぁ……どんな顔したんだろうなマスラダ……。


♯2

『トーメント・イーブン・アフター・デス』を読み返すと、タキさんはデッキなしで通信するために、ブラックベルト(薬)の力を借りてるんですよね。でも、通信を受け応答したマスラダは生身です。デッキとかなにも持ってない。タキさんがよく言う「アイツのIPは変」というのはそういうことだったのかな、とシルバーキー氏の指摘でぼんやり理解しました。
そんなわけで、シルバーキー氏の能力を借りてニンジャスレイヤーはIRC空間にダイブ。タキのIPを救出に向かうのでした。

「マジで最高だぜ。本当……スッゲ……」タキは双子めいてそっくりのサキュバスに挟まれ、恍惚と呟いた。「今のオレは完全にグラントリノだ!」「素敵!」「ゾクゾクしちゃう」「そうだろう!」

なにやってんの?www

ばかだなぁ……タキさん……。

などと言っていられない状態に。

もはやタキは重篤自我科患者よりもなお絶望的な状況下におかれ、ネオサイタマの地下室でデッキに突っ伏した物理肉体の脳波は、たった今フラットラインした。

わああ、ヤバいヤバい。ヤバいです。『ニューロマンサー』履修したから知ってる、フラットラインって最悪じゃないですかこれはヤバいですよ……!

サイバーパンク概念の祖。今読むとそこまで目新しくないんですが、インターネット黎明時代よりも遥か昔、1980年代に書かれたSF小説だという事実を念頭に置いてから読むと(は? いみわからん……作者は未来人ですか?)ってなります。

そんな大ピンチのタキのところに駆けつけるマスラダ。

過冬のニンジャを追うよりタキの蘇生を優先させるマスラダ。しかも蘇生は自分でやる。

えっ、…え? ……うそですよね。さすがにこれは私の願望では。願望が過ぎる。いやまって。うそでしょ。これが。これが公式で。え?

タキは全てを思い出した。そして身悶えした。「忘れろ!全てをな!」「何がだ」

かわいすぎる。
有罪。
残機が一瞬で10機くらい消滅しました。破壊力がスゴイ。

なおマスラダは拷問が始まってから突入してきたので、実際何のことだかわかっていない可能性が高いと思います。でも意識が分断されていた当人にはそんなことはわからないのですよ……。かといって「忘れろ」と叫んだ手前、「オレのグラントリノ見た?」なんて訊きただすことはできない。だからタキは、ニンジャスレイヤー=サンに恥ずかしい一部始終を目撃されていたのかもしれない、と未来永劫悶々とするしかないのです。シュレディンガーのグラントリノ、猫箱の完成であります。なんだこれ?

タキさん、ネオサイタマで意識を吹き返したあとは、これまであんなに好きだった洗車ものやチアガールものがトラウマになっちゃって観られなくなりそうですよね……。常連客が軽率に持ってくるそれに冷や汗ダラダラして断りを入れてそう。かわいそうに。新しいジャンル開拓してね。(※幻覚です)

押し寄せる電子波。剣呑なノイズ。タキは溺れかける。あっという間に謎めいた浜辺が遠のく。タキは100100100010001『コトブキ!』不明瞭なドット画像のタキの顔が音声を発した。「タキ=サン!」コトブキはUNIXデッキを揺さぶった。「どうすればいいですか!」

コトブキちゃんに情報を咄嗟に託すタキ……だと……!!!

まじですか……はぁ……2018年3月の時点ですでにこんな事象が存在していたにもかかわらず観測せずに生きてきた自分に憤りすら感じるのですがコトブキちゃんがしっかりした意志でタキに託されたデータを受け取り「なんとかします」って言うのが愛おしいんだよなあハァまったくピザタキは最高だぜ。

「ここに置いていくわけにはいきません。一緒の方が安全です」「わかった」そうと決まればゾーイは聞き返さない。「窓のこの、鎧戸だよね」

ゾーイちゃん賢い! 物分かりもいい! こんないい子をいつまでも一人にしておくわけにいかないですよね、はやくシルバーキー氏のところに帰してあげたいな。

それはそれとしてハニートラップで殺されかけてるタキのところにマスラダが突入して助けるのってなんだったの?

まだ理解しきれていないというかえっそんな展開が本当にあったのか?みたいな気持ちがすごくて混乱していますね、いやあれ、なんだったんだ……公式でやったのか……そうですか……へえ……。我に返ったら負けだ。そこにあったならあったんですよ。すごいものを見せられてしまったな……。

おちつきます。深呼吸。

「ドグサレッガオラー!」「ヌウーッ!」音圧がビリビリとオーガフィストの装束を鳴らす!「フジミ・ストリートは……<筋>は俺のシマだ。テメェらじゃねえ!」

スーサイドさんカッコイイ!! いいよ! かっこいいよー!!
一触即発な雰囲気が濃くなったのでもしかしてピザタキみたいに<筋>がめちゃくちゃになってしまうのかも、と一瞬心配しましたけどそんなことはなかった! わどるなっけんぐらーの意味はわかりませんが、スーサイドがソンケイに満ち溢れているのはわかります!


♯3

(これまでのあらすじ)タキのピンチにマスラダが焦ったり、ハニートラップで殺されかけてるタキのところにマスラダが突入して助けたり、接続を切る間際に危険を冒してタキがコトブキに大切な情報を託したりしたのでピザタキ組大好きな望月もなかさんが処理落ちした。ピーガー

「ン?ああ、例のアレな。シトカへの例の……ウキハシの」「座標データをフジキド=サンが入手したけど、暗号化されてるんで」

フジキドさんが探偵みたいなことしてるぞ!(探偵です)

「オレじゃなきゃ、まずヤバかったくらいなんだ。ファイアウォールが爆発して、このピザタキごとオシャカになってた。絶対な。だがそれは防いだぜ。そんで……コトブキっていうウチの従業員……弟子だな……そいつがシトカに居て、今、このUNIXを攻撃した奴をソーシャル攻撃しに行ってるから」 7

こら。話を盛るな。

「これが信頼ってやつだ!」じゃありませんよ。どうしてそうトレーシングペーパーみたいな薄さでそういうセリフを言うのかな君は。


コトブキちゃんとゾーイちゃんの作戦会議、とてもいいですね。

二人とも頭の回転速いし余計な脱線もしないからノーストレスで話が進むので読んでいて安心します。和む。そして飴出すのがカワイイ。ポップンキャンディシスターズだ……。かわいいよ~。

「一人で出来ない事も、二人なら出来ます。わたしがしっかり守りますからね」「アタシもコトブキ=サン守るよ」「お願いします!」

天使がふたりいる。

空のオーロラは彼の焦りを煽った。「どこだ」彼は呟く。(略)タキとの通信はいまだ復帰せず。

あんなにサクサク殺しまくってたくせに、タキさんと音信不通になると途端に焦りだすマスラダ……そういうところがズルいよね君は……。

ニンジャスレイヤーは状況判断する。タキがサキュバスのIPを伝えた相手が自分でないなら、コトブキか。コトブキと合流すべきか?

タキが重要なデータを託した相手を「自分じゃないならコトブキか」って判断するところ、流れるようなピザタキ信頼関係でこれもまたズルいですよ。


謎のジャーナリストニンジャさんがでてきたところで、今回はここまで!
また次の感想でお会いいたしましょう。おやすみなさい!


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