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ニンジャスレイヤーを第4部-AoM-から読みはじめる/シーズン3_20「タイラント・オブ・マッポーカリプス◆後編」(前)

こんばんは、AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。 

道路の氷を剥がしてどける作業をしていたら左肩が痛くなってしまいました。運動不足ですね……。春が待ち遠しいです。

前回の感想はこちら。

【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識

・7年前に書籍第一部を3巻まで読んだところで中断。だいぶ忘れてます。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・2019年11月~2020年3月にかけてAoMシーズン1を読了。
・2020年5月~10月にかけてAoMシーズン2を読了。
・実況は一度だけ参加しました(20年2月の3部野球回再放送)。

【前提2】感想の方針

・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の知識はあえて入れないようにしています。情報を与えずそっと見守っていただければ幸いです。

◇◇◇

今回のエピソードはこちらです。

シーズン3「タイラント・オブ・マッポーカリプス◆後編」(前)

神聖な一騎打ちは、突如飛来した六つの弾丸によって破られる。飛び出したのは鋼鉄ニンジャ、イチバンとか年収とか変な呪文を呟いている。怖い! オムラ・エンパイアの侵略行為なのだ! 時を同じくして父に反旗を翻したジョウゴ親王操る3体の巨人が街へ攻め入る。諸勢力入り乱れるなか、ニンジャスレイヤーはタイクーンを打ち破ることができるのか。

 ♯1

それはオムラ・エンパイアのニンジャ運搬テクノロジー「オムラ・リボルバー」であった。

オムラ・エンパイアのニンジャ運搬テクノロジーという字面だけでHPが半分になり、回復に時間を要しました。つらい。冒頭からつらい。


「オムラ・ダカラ。オムラ・イチバン」ニンジャは呟いた。
側転回避したゲニンも追尾され無意味爆発四散!

泣きそう。

凄まじい水柱が立ち、ヘグイや水中のシュノーケルゲニンがズタズタに切り裂かれて吹き飛ぶと、オムラのニンジャが高く飛び上がった。

ネザーキョウもだめだ。

然り!中庭を囲む城壁の上には、半人半馬のニンジャがオムラ旗竿を背負い、年収24万オムロ表示を壮大に輝かせる。彼の名はハヴォック!

…………

…………もうやだ、もうやだよ~~……ネザーキョウとオムラ、私の目の届かないところで相打ちになって双方共に滅びてほしい……異常な世界観に精神が耐えられないんだ……もうオムラの呪文とか見たくない……(布団に潜る)。

タイクーン、クセツの正体に気づいてはいたんですね。ふむ。なのにジョウゴ親王に何も言わなかったんですか。それってどうなの。

オムラの攻撃。実の子のムーホン。決して軽んじてはいない。

軽んじてはいない……本当でしょうか。 

だって、続けての心情描写がこれですよ。

そのうえで、敵は今、ニンジャスレイヤーだった。何故ならば、ここへ至るまで、タイクーン=アケチ・ニンジャは、不足なき相手との果し合いを完遂する機会を得られなかったからだ。オダ・ニンジャはひとり満ち足りて果て、ソウルはネザーのどこかへ逃れた。吉宗の世においてはどうだ。柳生ウォンジは一騎打ちを愚弄し、惰弱な封印技に逃げた。
(中略)
太古の怨霊ニンジャスレイヤーが他ならぬ彼に挑まんとする。アッパレであった。受けて立つ。

もっともらしいことを長々と仰っています。
でもこれ、意訳すると大体こうですよね?

ずっと全力のカラテ一騎打ちがしたかったのに、オダは勝手に一騎打ちの途中で切腹するし、柳生は小細工を弄して我のやりたかった一騎打ちをやってくれなかった。卑怯だ。ようやくニンジャスレイヤーが我のやりたかったルールで我のやりたかった遊びをやろうと言ってくれたのだ。ハッピー!

【要約
別にジョウゴを軽んじてるわけじゃないよ。
でも今はニンジャスレイヤーと遊ぶ。

ってことですよねえ!? 軽んじてるじゃないですか!!

ナラク争奪戦の真っ只中においてなお、ハマヤが放たれた瞬間に我を忘れて「逃げろ!」と叫び続けたマスラダとの対比がエグすぎませんか……ちょっと……父親ァ……。たたみかけるように「惰弱文明を滅ぼし……オダを……そして……!」とか言い始めるのも最悪すぎる! オダをどうするんですか。復活でもさせるんですか。それで2人でいまさらどうする気なんですか。おい父親ァ!! いま息子が一世一代の謀叛のさいちゅうなんやぞ!!!


コトブキちゃんとザック少年を「信じる」と決意するマスラダくんが最高でした。当の二人はコスプレしながらなんか調子に乗っていますが。小姓姿のザックくん良いね。

「……タキ=サン!危なかったです!」ゲニンをやり過ごし、廊下を曲がると、コトブキは通信で咎めた。

タキさんを咎めるコトブキちゃん!
珍しい。これまでタキさんのミスを「指摘する」ことはあっても「咎める」ことって少なかったですよね。

ちなみにS1でタキさんがミスった場面の例。

『お前らがヘマしたんじゃねえか? オレのせいじゃねえ!』(略)「タリスマン発行のシステムと、警備システムが別々に走っていたんだと思います。後者をうまく騙せなかったのでは」コトブキが言った。『誰が失敗したかをあげつらうより、脱出が先だろうが! 未来を見ろ』
(S1『ザイバツ・シャドーギルド ♯3』より)

コトブキの発言は「分析結果」に過ぎません。指摘が耳に痛いのでタキは言い訳を始めますが(笑)、ここ、コトブキちゃんにはタキさんを咎める意図はないと思うんですよね。

でもシーズン3(特に後半)になってから、コトブキちゃんからタキさんに対する態度って明らかに雑になっているといいますか、タキさんが雑な指示を出せばプンスカするし、間違ったときは咎めるんですよ。明らかに「タキ=サン専用の反応」であり、一期一会のニンジャさんたちには見せない顔を見せてるんですよね。

コトブキちゃんの自我もまた、確実に成長しているのだなあ。


 ♯2

ヒャッポ・ニンジャに並々ならぬ感情を持つモモジ・ニンジャ。UCA対ネザーキョウの戦場に乱入したモモジは、空気を読まずにネチャネチャムチョムチョと仮面の将軍・インヴェイン(ヒャッポ)に絡み始める。物陰から見守るグラニテ。奇妙な一騎打ちは、彼女の人生を大きく変えることになる。

モモジさんの戦い方、初めて見るタイプなので面白いです。毒煙を噴き出すと痩せるんだ!? 

短い同行であったが、グラニテはこの力あるニンジャに興味を持つようになっていた。それが彼女の預かり知らぬ情動によって破滅に至ってしまうならば、とても悲しい。

いい子すぎる……。

モモジさんが破滅したら悲しいって思ってくれるんですね。いい子だ。ヒャッポ・ニンジャの素顔に思わず顔を赤らめちゃうのもかわいい。

「漸く己を思い出したか、ヒャッポよ!そしてその冷たく美しき刃こそ……ヒャッポ!だが……あの小動物はならぬ!ワシの弟子ゆえにな!

仙人級の偉大なニンジャが、なんだかんだと同行してきた取るに足らない小娘のことを「小動物」「弟子」って呼んで、身体を張って守ってくれるのにファー!? ってなってしまいました……そわそわする。そわそわ。

いいですね。とてもいいですね。


 ♯3

好き放題やっているオムラにヘヴンリイが怒りの電撃&パンチ!ふっとぶオムラのニンジャ! そこを後ろからグサッとやるKATANA社のスパイ!  KATANA社までがなぜここに!? その答えを知るには、イギリス本社を訪れねばなるまい!!

ほんとうに猫がいた!

CEOが女性なのは意外でした。『ギア・ウィッチクラフト』でブラックヘイズさんとお話してたのは「彼」だったのでこのCEOとは別人……なんですよね。たぶん。

大陸間弾道ニンジャキャリア「黒馬車」の実験過程で殉職した英雄的ニンジャ社員達の像である。

弾道ニンジャキャリア……オムラといい何故そんなものを作っているのか。はぁ。この文字列を見つめているだけで心がパリパリとキャラメリゼされていきますね。

もうブリテン島に高飛びして新しい悪だくみしてるんですか。まったく元気なコンサルタントですねケイトーさんは!

ミズマル姫に匿われ、危機を脱したコトブキ&ザックは、なぜ王敵を助けてくれたのかと訊ねる。ミズマル姫は、かつてタイクーンに召し抱えられ自殺した寵姫の妹であった。

「でも、私は彼を殺せない」ミズマルは震えた。「彼を憎む事ができない……!彼は姉さんを死なせてしまった事を悔いていた……!」 41

悔いていたじゃあないんだよ……。ミズマルの姉だけじゃない、これまでムラサキ姫含めて何人の姫が死んだんでしょうか、明らかにその二人だけじゃないですよね。悔いた様子を見せるだけなら誰にでもできるんですよ、死なせないための努力を明智はしていたのかって話ですよ。絶ッ対してない、賭けてもいい。


 ♯4

天守閣を目指すコトブキ達を匿ったのは、タイクーンの寵姫・ミズマルであった。彼女は姉を死に追いやったタイクーンを恨み、同時に愛していたのだ……。

コトブキとザックはここで別れることに。ザック少年イケメン!!

「それでは……ミズマル=サンの事、お願いできますか」「勿論だぜ。お姫様を守って、ぜってえ生き延びてやるよ」ザックはサムアップした。

オッサンを続々と落とし、さらに男を上げていく少年。推せる。この勢いでお姫様を守って褒美の簪とかもらってくれ!

「オダだと?権威だと?惰弱な譫言を吹き込みしはランマルであろう。ワシはオダを討ち、ネザーを旅し、シテンノを得、センシを得、軍を得、国を得た。これ即ちゲコクジョ也。我が歩みに一点の曇りも無し」「……!」「否……曇りはひとつ。逃げた惰弱者のソウルよ!」

明智……己の過ちをまずは一度でいいから直視しろよ……という気持ちになった。オダを討ちの時点でもう過去が改変されてるじゃないですか。

思い込み故に会話が足りず、親友を永遠に失ったこと。
曲がりなりにも愛した寵姫たちが死を選んだこと。
これまで罪のないすべての者たちを数限りなく踏みつけてきたこと。

それらの罪に向き合わなくてよいための理由付けとして、「惰弱」で思考停止するという便利なシステムを脳内で構築したのかもしれない。ネザーキョウって、そのシステムを国家レベルまで引き上げて、壮大な逃避行動をしているだけなんじゃないですか。

「惰弱」=「我はその事実を見たくない」 という意味だったのでは?
これまで明智が使ってきた「惰弱」という言葉、ほぼこれで置き換えが可能だったりしませんか。

タイクーンの目の炎がひととき失せ、彼は瞳でジョウゴを見据えた。然り。憎きオダと瓜二つの息子に、アケチが何の屈託も無く接することなど、できようか。

……やっぱり息子を直視できずに逃げてたんじゃないですか。過去を隠して。蘭丸が仕えているという事実を息子に知らせず。息子の屈託も読み取ろうとせず。どの口で「跡継ぎ」などと言っているのか。惰弱なのは貴様では? という……気持ちになり……。

彼が見上げるのは、翼を生やし、手足の先を猛禽めいて刺々しく歪めた乱れ髪の男。(略)脆い羽を翼から振り落としながら、彼はカラテを保とうと努力した。梟頭を形成できぬ不完全な姿に、彼は羞恥を覚える。顔を猛禽爪で覆いながら、彼は次に殺すべき敵を探る。

!?!??!??????????????

(フィルギアさんの乱れ髪半翼人姿の衝撃で親子喧嘩がふっ飛んだ)

?!

えっ羞恥で……顔を猛禽爪で覆い…ティアマトさんと場外お色気対決でもなさってきたらいいんじゃないでしょうか……いい勝負できると思う

黒装束のニンジャは銃弾が貫通した左腕を押さえ、遠く肩越しに、ニンジャスレイヤーの赤黒の影を睨んだ。「これで借りは……借りは返したぞ。ニンジャスレイヤー=サン」

あれっヘラルドくん!? まだストーカーしてたのヒマだね!? いや、違う、違いますごめん。意地悪を言いたかったわけじゃなく、私はその、別にそこまでする必要ないんだよって言いたいだけで、

マスラダくんがヘラルドくんに全然気づいてくれてないところもなんだか居たたまれない気持ちになります。まあヘラルドくんの気持ちが済んだならそれでいいんですけど。

タイクーン配下、ジョウゴ配下、そしてオムラ。三勢力が混乱する戦の中にふらりと現れたティアマトさん(ヤモトさん無事!?)。彼女が黒い勾玉を取り出し、掲げると……

ゴーン。鐘めいた音を伴って、そこに黒いトリイが出現した。

うわーーーーーーーーーー!!

サツガイさんが! サツガイさんが来ちゃう!? えっどうなっちゃうんでしょう、このクライマックスでまたもやサツガイさんが来てしまったら…!

 ♯5

タイクーンとジョウゴの親子喧嘩に身を滑り入らせたのは、艶美な黒髪の女であった。彼女が勾玉をかざせば鐘が鳴り、荒野に黒いトリイが出現する。ティアマトが行使しようとしている力を、ニンジャスレイヤーは即座に理解した。サツガイの、力だ。

「何の真似だ!ティアマト=サン!」タイクーンが叫んだ。

いやあからさまに罠だったじゃないですか。


(((マスラダ。此奴は……ドラゴン・ニンジャ……否。ドラゴン・ニンジャではない。……否。ドラゴン・ニンジャ……だ……ヌウーッ……殺せ!とにかく殺すべし!))) ナラクの怒りがマスラダのニューロンを焼いた。

ナラクちゃん混乱してるwww かわいいね!!!

そっかコレ、ある意味、仮想サツバツナイト戦でもあるわけですね。AoM予告編で描かれたニンジャスレイヤーvsサツバツナイトの絵、まだ具現化されていないのでいつか対決することになるのかな~とぼんやり思っているんですが、そのささやかな予行演習になりえるのでしょうか。(ところで改めて予告編読み直したら、血の涙を流して死体の山の上で憤怒に燃えるニンジャスレイヤーと、対峙するサツバツナイトの図だったので怖くなっちゃいました。どうしようピザタキの二人を失って復讐に狂うマスラダくんをフジキドさんが殺しに来た図とかだったら……泣いちゃう……)

怖い未来予想図は忘れよう。そんなわけない。
予告編時点は話の詳細がまだ決まってなかっただけなんだ。そうに決まってるんだ。

(身体はやらんぞ)(((バカ!)))(力を貸せ。こんな奴にやられてたまるか)(((……ワガママめが!)))

「やらんぞ」「バカ!」ってそんなジェラート屋さんに来たバカップルみたいな。イチャイチしよって緊張感ないな。かわいいね。

「昔はお前の暴走に迷惑させられたもんだ」「いつの話だ。クソジジイじみてんじゃねえ」「イヒヒヒヒ!」

シマサーも……隙あらば過去をちらつかせながらイチャイチャする……。

頭突きがジョウゴを襲う!「ムーホンは入念な下準備の上にやるものだ。ウツケめが……百年早いわ!イヤーッ!」

織田信長の入念な下準備にまるで気づかず参謀気取りしていた本人が、上から目線で何か言い始めたんですが。今回だってジョウゴ親王の急ごしらえな下準備にすら気づかなかったんじゃないですか。明智……あのさぁ……。

ティアマトさんわりとあっさりチャドー奥義を看破されてやられてしまったのでかわいそうになりました。ごめんねティアマトさん、マスラダくんのカノジョ(ナラク)が前に付き合ってたの、チャドー使いのつよつよおじさんだったから……情報ダダ洩れなんだ、ごめんね……。


オオカゲは親王の青銅巨人を破壊し、ニンジャスレイヤーに怯んだティアマトをあぎとに捉えた。ニンジャスレイヤーとタイクーンは、邪龍の背で再び真正面から向かい合います。徒手空拳、獲物での打ち合い、そして空中戦。決闘は第三ラウンドへ進みます。

燃える舞台になってきました!
では今回の感想はここまで。後半の感想でまたお会いいたしましょう!


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