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いちじくの甘露煮~東北・秋の風物詩

日射しもどこか涼しい初秋です。
いちじくの美味しい季節になりました。

秋田~山形の日本海側沿いでは、この季節、伝統的に「いちじくの甘露煮」を作ります。スーパーではキログラム単位で箱売りしています。すごい。

割ってみると、小ぶりで中身は白と薄いピンク。紫色ではありません。
生で食べられないことはないのですが、固くてあんまり美味しくない。西日本の生食用いちじくとはおそらく品種自体が違うのだと思います。

++

去年は物珍しさに、あちこちでもらったレシピを試してました。
レシピによって、砂糖の量は20%~50%までかなりの幅がありました。コクを出すのに醤油をいれるバージョンも(ご飯のおともになった)

個人的に一番好きだった(子どもにもウケがよかった)のはこちら。

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山形県酒田市の地元スーパー「ト一屋」さんが公開しているレシピです。(引用元のFacebookはこちら
甘さ控えめで、甘酸っぱくとろりとした、いちじくの煮汁がじゅわっと広がってとてもおいしかったです。

(材料)
 いちじく 1㎏
 砂糖 200g(=いちじくの重さの20%)
 お酢 45cc (=いちじく1㎏に対して大さじ3)

1.

いちじく1キロ分を、洗って拭いてヘタを切り、鍋に入れます。

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この両手鍋は22cmだったかな……、鍋底に並べるには多すぎて山盛りになっていますがとりあえずOK.

2.

砂糖200g、とお酢45gを入れます。
砂糖は上白糖。コクがほしければ茶色いの、スッキリ甘さがほしければグラニュー糖。間をとって上白糖にしました。なんでもいいです。
お酢もなんでもいいと思いますが、爽やかさがほしかったので「リンゴ酢40g+レモン汁5g」で。まあこのあたりはね、酸っぱければ種類なんてなんでも大丈夫、ぜんぶお酢です(雑)。

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3.

水を足さずに、煮ます。
沸騰までは強火、沸騰したら落としぶたをしてとろ火。1時間半くらい。短編映画かドラマでもつけてぼんやりしていればOK.

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鍋からあふれそうだった山盛りいちじくが、しばらくするとこんなに小さくなります。いい飴色。

(落としぶたは、クッキングシート+木のふたを使いました。どんな落としぶたを使うにしても、甘い煮汁が乾くとぺたぺたするので、クッキングシートかキッチンペーパーを間に挟んでおくと洗いやすいかも)


4.

殺菌した容器に入れて完成!

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よく見ると、熱湯厳禁の保存瓶だったのに、注意事項をすっかり忘れて煮沸消毒したのでひびが入っています!あーっアウトアウト。アルコールとか焼酎で拭いて消毒するべきでしたね。また買いなおさねば……トホホ。

煮汁もお湯で割って飲むと喉にやさしいです。
ほんわ~~~、からだに効いてるッ!!って味がします。

5.

日本茶のお茶うけに最高に合います。
相性ばっちり。苦いお茶、コクのあるいちじく甘露煮、ほろ苦い温かなお茶、いちじくの甘露煮の汁、往復するたび深い味わいが口の中で混ざり合って、幸福が生まれた。

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庄内に引っ越してくるまで、いちじくを食べたことって多分……ない? ないような気がしますね。なかったと思う。引越ししてしばらくはスーパーに箱で売っていることすら気づきませんでした。人は見たいものだけを見るのである。
というわけで、甘露煮を作ったのも去年が初めてでしたが、一度作ったらもうやめられません。おいしい……おいしいよう……急に風が冷たくなる9月後半、暖かいお茶にいちじくの甘露煮を合わせて食べなきゃ秋を迎えられない……。

秋田県にかほ市では、こんなイベントもあります。

ゆるキャラの「いちじくいちを」がカワイイ。

今年は時勢を鑑みて例年と違う形で開催するそうですが、落ち着いたらぜひ復活してほしいですね!

楽しいことに使ったり楽しいお話を読んだり書いたり、作業のおともの飲食代にしたり、おすすめ作品を鑑賞するのに使わせていただきます。