ニンジャスレイヤーを第4部から読みはじめる/シーズン2_16「ドラゴン・インストラクション」(中)
早く先まで読んじゃいたい~という気持ちと、感想を書いて頭を整理してから落ち着いて続きにかからないと精神がもたない!という思いがないまぜになって私のなかで喧々諤々争っております。とりあえず、今は感想を書いちゃいます!俺はやる!
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前回の感想はこちらです。
【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識
・6年前に書籍第一部を3巻まで読んだところで中断。だいぶ忘れてます。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・2019年11月~2020年3月にかけてAoMシーズン1を読了。
・実況は一度だけ参加しました(20年2月の3部野球回再放送)。
【前提2】感想の方針
・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の前知識はあえて入れないようにしています。よって、単語がわからずよく混乱していますがそっと見守っていただければ幸いです。
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今回のエピソードはこちらです。三分割でいきますね。
シーズン2「ドラゴン・インストラクション」(中)
憤怒と悲嘆に身を灼かれ、フジキド・ケンジがニンジャスレイヤーとなった時代。復讐鬼と化した彼を人の世に留めてくれたのは、センセイ……ドラゴン・ゲンドーソーの教えであった。破滅に向かう若きニンジャスレイヤーに、未熟なる己は何を伝えられるのか――。赤黒と黒橙のニンジャは、各々の決意を胸に抱いてエッジカム火山島を目指す。仲間とともに。
♯3
フジキドさんとシキベさんの「知り合い」感あふれる会話のテンポが好き。 なんといいますか、こう、挨拶とか前置きとかなしに会話が始まって終わる、自然な空気感が良い……!
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「大丈夫です。ミヤモト・マサシいわく、身体が元気でも首を刎ねれば死ぬ。つまり、ニンジャスレイヤー=サンがこれからシンウインターをやっつけるので、うまくいきますよ!」コトブキが力こぶのジェスチャーをした。
コトブキちゃん映画脳でかわいい!
しかしシキベさん頼りになりますねえ、操舵もできるし荒事にも慣れてるし。カラス所長もついてるし。
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「ザッケンナコラー!」「スッゾオラー!」「タマトッタル!」ジェットパックを背中に背負い、額に信管を埋め込んだサイバネヤクザ……ロケットヤクザである!
…………。
もうそろそろやめにしないか? 新概念で我々の度肝を抜くなら登場時の一回だけで充分だったと思うんですよ。ね。「なんたるヤクザ兵器!」じゃないんですよ。ロケットヤクザなんて存在しない。存在しないんですよ。ニンジャの化石が存在しないのと同じですよ。ね、そうですよね。
(それはそうと爆発炎上した船から飛んだサツバツナイトが「シキベを抱えて着地した」描写ににウワーーーッ!!!ってなりました、はわ……、)
「ザッケンナコラー!」「スッゾオラー!」ナムサン!岩礁を駆け来る馬上の者達!
馬上クローンヤクザ達が駆けながら弓矢を構えている!ヤブサメヤクザだ!
これ以上新たなクローンヤクザ概念を読者に植え付けてどうするつもりなんでしょうねえ……。
ボンド&モーゼズは脳の皺の溝に狂気の種を複数種播いてどれが発芽するのかわくわく実験タイムでもしてるんです? マッドサイエンティスト農夫なのか? ぼくたちの脳は畑の土ではないのですが?
遠い目になっている。
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一方、乗り手を失ったサイバー馬が走りくると、コトブキは見事に手綱をとらえ、ひらりとまたがって自分のものにした。「追いましょう!」もう一頭の手綱をとらえ、シキベに手渡す!「すごいッスね……?」
コトブキちゃんスゲーー!! 馬にも乗れるんだ!?
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コトブキ&シキベ組を先に通し、ニンジャスレイヤー&サツバツナイトは城の桟敷(『鬼滅の刃』でお館様が座ってた場所、みたいなイメージ?)でカークィウスを迎え撃ちます。
カークィウスは黒橙のニンジャに睨みを移した。「お前が各地で残した情報は断片的なものばかりで、短時間でさほど得られるものはなかった。無名のニンジャよ、何故この物狂いのニンジャに力を貸す。聞いておこう」
あ~……実はニンジャスレイヤーの隣にいる黒橙さんもだいぶ物狂いなので……その質問に答えるのはちょっと難しいかなって…(目を逸らしつつ)
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「アダナス社のシステム・オマークを用いた、人体由来のエメツ人工精製。真実か?」サツバツナイトは単刀直入に問い返した。
ふむ。
「オマーク」システムは結局、アダナス社の単独開発ってことでいいのかな。てっきり『エリミネイト・アナイアレイター』で出てきた「デクタ・サキモノ(以下略)社」なのかと思ってましたが……おさらいしますか。
「アダナスってのは何だ」「……デクタとは提携関係。機体を調達してる……シッ」DZは会話を切り上げた。(『エリミネイト!アナイアレイター!』♯7より)
デクタ・サキモノ社とアダナス社は業務提携していると。アダナス社がシステムを開発して、稼働実験&フィードバックをデクタ・サキモノ社が担当していたのかな。たぶん。
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そして来ましたサイグナスさん!! わーいわーい!! サイグナスさんが来ると私のテンションが上がります。カッコイイ!
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ザルニーツァさんの昔のお部屋に入れられてるゾーイちゃん。
心細いだろうに頑張ってる……偉い。シーフードピザ差し入れしたい。
「ここはエッジカム火山の中だ。ニンジャスレイヤーがお前を取り戻しに来た」ゾーイの表情に、ひととき、歓喜と心配が入り混じった。
ゾーイぢゃん゛!!!!(涙)
シルバーキー氏だけじゃなくニンジャスレイヤーのことも助けてほしいって思ってくれるの……なんていい子なんだ……。
と思ってたら胸元がリテ・ラトバリタ・ウルスしたんですけど!?
ゾーイは泣きながらザルニーツァを睨み、息を吐いた。首元が赤く光っていた。 ゾーイの怒りが苦悶に変わった。彼女は熱いものから身を離すように、首飾りを外した。
サツガイのスリケンが飛行石みたいなことになってる! いったい何が起こっているんでしょうか!?
♯4
海のほとり孤児院から、過冬に引き取られた娘。ボスのために尽くさねばならない幼い娘……ザルニーツァは、少女ゾーイにかつての己を重ね手を伸ばすが、激しく拒絶される。そのとき、ゾーイが胸元に下げた「お守りのスリケン」に異変が起きた……!
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ゴーン……ゴーン。奇妙な音が聞こえた。この場所で聞こえる筈のない音だ。ザルニーツァの視野にノイズが走り、見えないものが見えた。それは何処とも知れぬ荒野であり、黒いトリイの光景だ。
サツガイさん来る? 来ちゃう!?
ザルニーツァはゾーイの手を引き、床のスリケンはそのままに、部屋を飛び出した。等間隔にカドマツが飾られた冷たい通路を、足早に進む。
えっ、なぜカドマツ……。お正月でもないのに……。
(オモチ食べる振袖姿のコトブキちゃん見てみたいな)(似合うと思う)
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そしてやっぱり、鉄面皮の奥には感情が揺らめいていたザルニーツァさん。父を信じていたというより、言うとおりにしないと生きていけなかった彼女が初めて大きく父への反発を覚えているところ、すごくいいです。ゾーイちゃんに「とにかく耐えて言うとおりにすれば生きていける」(要約)とアドバイスしたあたりにも、本心からそうしたくてそうしていたわけじゃないという彼女の人生が透けてみえるような気がします。
「しかし……!」ザルニーツァは躊躇した。脳裏に黒いトリイの光景がフラッシュバックした。ゾーイを待ち受ける運命に一片の希望も無いであろう事はいやでもわかった。
自分と同じ扱いを受けると思っていた少女が、ただの餌にされると知ったとき、ザルニーツァさんの背筋に冷たいものが走ったでしょうね……。言葉にならない……。
シンウインターは彼なりに「家族」というものを大事にしているのでしょうが、「娘の心」を大事にしたことは一度もないのでしょうね。
「子は親に従えば、それでよい」というシンウインターの態度、♯2で真摯に悩み、マスラダの事情を決めつけず、案じる想いを如何にして伝えるべきか考えに考え抜いて声を搾り出したフジキド・ケンジとは好対照だなと思いました。
フジキドは、もし悲劇が起こらず、トチノキが成長しても「従えばそれでよい」なんていう父親にはならなかったと思うんですよね。まあ口下手だから普通に反抗期の塩対応されてヌゥーッって悩む未来が訪れたんじゃないかと思いますが(笑)、フジキドがそういう人間だからこそマスラダも「大体わかった」と話に耳を傾けてくれたわけです。
ピザタキ組も、明らかに一番弱いのはタキですが、コトブキもマスラダも彼を信じています。家長はいませんが、誰が誰に従うということではなく、皆で話し合って協力しています。
シーズン2のシトカ編って、
過冬という強大な一家
vs
マスラダを取り巻く家族と似たひとびと
という構図でもあるんだな~と思ったりしました。
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しかしサツガイさんはもう祝福を与える力がないのってなぜなんでしょう?
ブラスハートと合体したから?
まだまだ実態がつかめませんね……
♯5
シンウインターはサツガイの「祝福」欲しさに、ゾーイをサツガイに与えるつもりである――己と同じ境遇の少女が、得体の知れぬおぞましいものに餌として与えられようとしている。ザルニーツァは反射的に、ゾーイを守って父の腕を跳ね除けてしまう!
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「混戦じみた他者の記憶」ってこれ、ゾーイちゃんのものかシルバーキー氏のものか、どちらなんでしょうね。そしてなぜザルニーツァさんの記憶に混入しているのか。よくわかりませんが、意味のある描写なのかも……一応覚えておきたいところ。
「お前は強い……実際強い!サイグナスのカラテとカタナの技術がお前を真の戦士に変えた!だが!」
!!? あ、あの、じゃあひょっとしてこれ、これは、幼いザルニーツァちゃんにカラテを教える若きサイグナスさんという、そういう構図があったということですか!? そしておそらく事切れた時の「心配だ」発言からしてスノーマン氏もそうだったんですよねコレ? サイグナスさんとスノーマン氏は、孤児院から引き取られてきたボスの娘が冷徹なカラテマシーンになっていくさまを、時に導き時に見守り、成長していく様子をずっとそばで見ていた……ということになりますか? そういう素晴らしい過去編がこの世に現存しているんですか? はわ……はわわわ……震えてしまう……。
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「ドシタンス!」
やめてください
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ふたたび舞台はニンジャスレイヤーの戦いへ。
カークィウスさんの「羽根を変じたクナイ」カッコいいですね~! はぁ、手に汗握る。
スリケンと羽根刃、二つの嵐が衝突、弾け、相乗効果の小爆発を生じ、白砂を天に撒く!
も~ここの文章! 素ン晴らしい!! 「白砂を天に撒く」って表現が最高じゃないですか!! あ~好き!!!
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最後まで読んではいるのですが記事が長くなり過ぎちゃうのでいったんここで切りますね。いよいよ緊迫する二対二の戦闘!
ではまた、次の感想でお会いいたしましょう。近いうちに更新できると思います!
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次の感想はこちら。
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