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ニンジャスレイヤーを第4部-AoM-から読みはじめる/シーズン3_8「ヨロシサン・エクスプレス」(後)

こんばんは、AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。 

猫って、石油ストーブ好きですよね(横目でうちのねこを見ながら)。ファンヒーターじゃだめらしいです。石油ストーブの前にしか来ません。むき出しの火が、本能に訴えかけるのかもしれません。しかし火を使える動物は人間だけ……我々は、体よく猫に利用されているのかもしれない。

前回の感想はこちら。

【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識

・6年前に書籍第一部を3巻まで読んだところで中断。だいぶ忘れてます。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・2019年11月~2020年3月にかけてAoMシーズン1を読了。
・2020年5月~10月にかけてAoMシーズン2を読了。
・実況は一度だけ参加しました(20年2月の3部野球回再放送)。

【前提2】感想の方針

・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の知識はあえて入れないようにしています。情報を与えずそっと見守っていただければ幸いです。

◇◇◇

今回のエピソードはこちらです。三分割のラスト!

シーズン3「ヨロシサン・エクスプレス」(後)

桜色の燐光を纏い、真の姿を現したヤモト・コキ。列車のなか、下剋上を狙うシ門下の二人が牙をむいた!
時を同じくして、ネザーキョウの精鋭騎馬部隊がシンカンセンを襲撃する。……内外から暴虐に晒され、客車内は阿鼻叫喚の地獄と化した。壮麗なる観光列車は、尾の如く黒煙を引き、血を撒き散らしひた走る!

 ♯8

サクリリージさんの冒涜極まりないジツが厄すぎる。
もともとは供養のためのジツだったというお話は面白いですね。でも「ヤンナルネ」とか急に変なの出すのやめてください、なんなんですか。

「死にたての新鮮な死体」もすごい言葉遣いである。新鮮とは。
サクリリージさん、厄いし冒涜がすぎるし最悪ですが、単なる好みでいえばこういう趣味の悪いニンジャさんってけっこう好きなんですよね……。一般人を殺すたび違うタイプの武器を使って攻撃してくるのも戦闘スタイルが多彩で読んでいて楽しいですし。(やっていることは最悪ですが)

『ンアーッ0100101』コトブキが居る車両が爆発矢の攻撃を受けた!「ほらみろ!オイッ!応答しろ!平気かよ!

心配してくれるタキさん! 優しい!
タキさん、普段は俺のせいじゃねえとか勝手にしろとか言ってるくせに、通信中に何か起こると咄嗟に「平気か」「生きてるか」「大丈夫か」って第一声で訊いてくれるところが好きです。

「然り、白い糸など惰弱な文明であり、インターネットだ。構うべからず!」

違うよねさすがに?

彼らの乗る黒帯を締めたカラテ馬は肉食であり、凄まじい筋力と判断力、残虐性を身に着けている。

……………肉食の馬なんているわけがないだろふざけるなよ……(馬刺しにしてやりてぇ~と思っている)


列車がトリイ地帯に差し掛かったのだ。等間隔にレールをまたぐトリイは、電子的な増幅装置であり、遠隔電力供給システムでもある。

トリイ地帯……トリイ? トリイ地帯ってなんだ?
(カラテウマに気を取られて初読時に完全に見逃していました)
(冷静に読み返すことで冷静さを失うという二段構えの罠だ……)

ヤモトさんめちゃくちゃ美しくてかっこよかったです。十年にわたる戦いの日々を経て、強くなったんですね……すごい。でもセーラー服は着ているんですね……そうですか…………


 ♯9

イアイ一閃、さらに一閃! 黒煙の噴き上がる列車の背に立ち、ヤモトはネザーキョウの戦士を退ける。列車への襲撃は小康状態となった。
だが列車内の惨劇は止むことがない。次々と血に染まる客室、骨を、心臓を、次々と武器に変えてはニンジャスレイヤーを撃退するサクリリージの残虐行為……奴を一刻も早く止めねばならない! 走れ、戦え、ニンジャスレイヤー!

あらすじのここ(↓)を読んで、

戦え!ニンジャスレイヤー!戦え!ガンバレ、シンカンセンをハックしたタキ!

あれ? 今回ひょっとして久しぶりにタキとマスラダの共同作業戦闘が見られるのでは……と気づいてしまったもなかさんは。ハァ……ハァ……そわそわしてきた……! コーヒー用意しよう、お茶菓子もだ! おかわりのお湯もだ!

「ハアーッ!ハアーッ!ふ、ふざけるなよ!こんな目に遭うなどと聞いとらん!なにがネザーキョウだ。ホスピタリティがなっとらん」

ミステリー空間が消失してなお、全力でミステリの被害者ロールプレイをしてくれるカナスーアさん。いい人だね……(2回目)

安心と安定の文化財盗難行為もしてくれて、なんて読者の気持ちを穏やかにしてくれるんだろう。プロ根性に乾杯🥂

読者の気持ちを穏やかにしてくれるといえばサガサマさんもそうです。善良で頑張っていて応援したくなる……栄養ドリンクとか裏にメッセージ書いた個包装のキッ〇カットとか差し入れしたくなります。概念チカハ社OLになりたくなる。

タキは答える。彼は現在ヨロシンカンセンのメインフレームにハッキングをかけ、車載カメラやスピーカーと同期していた。彼のリアルタイムのオペレーションによって、コトブキ達はヨロシキャノンや機銃を直接操作し、ネザーキョウ撃退作戦を実行に移す事ができたのだ。

タキさん優秀過ぎる! スゲー!! カッケー!! 気分は小学生男子ですよ!!! 俺もハッカーになりてーっ!

ナラクの声はもはや再び闇に紛れる。(待っていろ)マスラダは呼吸を深めた。

ナラクちゃんあまりにもヒロインでは。

マスラダくん、囚われの姫を救出しに行く騎士みたいですよ……(マスラダを呼び続けるナラクちゃんも姫なんだよな…)


ザリ、ザリザリ……彼のニューロンに雑音が紛れ、やがて、困惑した声が繋がった。それは馴染みのある感覚だった。『ニンジャスレイヤー=サン!オイ、死んだのか!?』

あああああああああぁぁぁああああああああぁああああ゛あ゛アアアアア゛!!?!

馴染みのある、な、馴染みのある感覚ってえっちなんですけど……むり、そんな急に、急に復帰しt

ヴワーーーーーッ!!!(頭を壁にぶつける)

ま、マスラダが、死んじゃったのかと思って焦って呼びまくるタキさんにもただでさえ心がぐちゃぐちゃにかき回されているのにちょっとあのむりなんですけどあの、「どうでもいい」じゃないでしょバカ!! どうでもよくないくせに! 「じきに戻す」って言ってたの覚えてるぞ、この通信方法に戻したかったんですよねわかってるんだぞ!!

というか私はテンサイなので気づいてしまったんですよマスラダが「どうでもいい」と口にするとき、表情までどうでもよさそうにしているとは限らない……という可能性に……描写がない以上、可能性は無限大なのです。開け、宇宙への扉。だってタキと通信できるのってマスラダにとってどうでもよくないでしょ!? 少なくとも耳元に馴染みのある感覚が戻ってきて、マスラダひとりだけを「ニンジャスレイヤー」だと思っていてそう呼ぶ男の声がしたとき、傷を癒しながら「生きている」と答えたマスラダが「どうでもよさそうな顔」をしていたわけがないと私は思いたい、なのでそう思うことにします!!

シトカの戦いのあと、土台がない砂の上で、湿った薪を重ねてどうにか火をつけ、懸命に支え消さないようにしていたかのような黒い炎……、だが通信が回復したとたん、砂地は土壌に替わり、力強く深い土に松明を突き刺したかのような……そんな安定感のある炎が瞳の奥に宿ったんですかー!?(だとすればどうなる)(わたしがしぬ)

「どうでもいい」と言いながらマスラダの目力が明らかに強くなっていたら、どうする(わたしがしぬ)

めちゃくちゃ心配しているタキさん最高……もうさあ、タキさんはいつだってそうだよね、シーズン1の初期からそう。どんなに迷惑かけられていても、怪我をすれば「平気なのか」って声かけてくれるんですよ。好き。

だっていうのに、タキさんと脳内通信ができるようになったからってすーぐ無茶言ってさあマスラダは……

ガゴン。再びの震動。今度は後方車両が切り離された。車両それぞれに備わった制動装置によって、後方車両が急停止したのか。

マスラダくん、車両切り離して戦うの好きだよね。わかる。私も好き。

なんか……マスラダくん、タキとの通信が元に戻ったとたんに絶好調じゃん?  松田さんの応援が届いた瞬間の猪熊柔か?

(名シーンですよね……)

「貴様のカラテは理解した」ニンジャスレイヤーの目が光り、深い呼吸に前傾姿勢の背中が上下した。「これから打ち合うたびに貴様は弱くなるぞ。貴様が作った道具の類いは、全て壊し、砕き、剥がす。それで終わりだ。このカンオケから逃がしはしない」 

ノリにノッてるな、マスラダ・カイ……。ネザーキョウ以降、ずっと「不足した力をどうにか引き出して、ギリギリで競り勝つ」みたいな戦闘が続いていたので気持ちいいです。高架に留まった一車両上というステージ、サクリリージさんの邪悪かつ多彩な戦闘スタイルも相まって、実に読み応えのある一戦でした!

実際、シーズン3になってからマスラダがここまで全力で「らしい」戦いを見せてくれるのって初めてですよね?(なお、この戦いがタキとIRCが繋がった直後という事実を直視すると……失神する!)(なので全力で意識を逸らしています)(そ、そんなことが、そんなことが現実に起こってたまるか)

爆発する前に、跳んだ首を介錯してくれるヤモトさんも美しいな……オリガミ共闘、すごくよかったです……。いつかまた見せてほしいです。

 ♯10

ニンジャスレイヤーの回し蹴りが、ヤモトのオリガミミサイルが、サクリリージを爆発四散せしめた。争いの発端となった神器……ニッタ・タカツキはヤモトの元に。シンカンセンは湖を渡り、さらに東を目指す。

ニンジャスレイヤーとヤモトの目があった。彼女の身体の周囲を舞う桜色の霞が散ると、その身にまとうのはキモノめいた神秘的な装束であった。

よ、よかった。セーラー服じゃなくなってちょっと安心した。直視してはいけないような気がしていたので……。

『この通信は維持できるのか?チカラが戻ったって事か?』「違う。だが少なくとも通信はできるようだ。コツは掴んだ。切れたら面倒だしな」

「切れたら面倒」っておま……切りたくないからわざわざ集中して最低限通信だけは維持したくせに、そういうこと言っちゃう?

「シンカンセンを繋ぎ直せ」『簡単に言うけどよォー!』

マスラダくん、タキさんにできないことないって思ってるでしょ。

車体が治って嬉しそうなヨロシンカンセンちゃんも、モールス信号送ってくるコトブキちゃんもかわいいね……。「エンジョイに徹する」とか言ってるアクセルジャックさんも意味がわからなくて元気でいいね……。

ザック少年、けっして旅の危険を甘く見ていたり自分を過信しているわけではなく、ちゃんと目で見て考えて結論を出している感じがあって逞しい。だからマスラダは「世話はしない」って言うんだ……それが信頼の証……男と男の……

敵を引き付けてトリイに留まるシの女王、ヤモトさん。最後まで素敵でした。麗しかった……。(借りを作ったままになってしまったマスラダくん、絶対拗ねる。賭けてもいい)


ミステリにヤモトさん、マスラダとタキの通信復帰、ポンコツコトブキちゃんやオッサンと少年、邪悪ニンジャからのネザーキョウの変な世界観と、とにかく盛りだくさんで面白いエピソードでしたね。
ダイハードテイルズ公式のシーズン3目次を見ると、次は幕間エピソードっぽいのでそれを読もうと思います。

そろそろ未公開分の手書き感想ノートが50枚超えてしまったので、手書きノートおまけもアップしたいですね……。
「カネは公正な尺度」というマスラダの価値観が、タキへの態度と矛盾している、っていう雑談記事を書きたい気持ちがずっとあるんですけど、シーズン3読了を優先したい気持ちもあるので、前回同様に感想記事に画像をくっつけるかたちにするかもしれません。

何はともあれ、今日はここまで。
また次回の記事でお会いいたしましょう。ではでは。


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