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ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読む/S4_12「デストラクティヴ・コード」(前)

こんにちは、望月もなかです。 
秋の晴れ間にチューリップの球根を植えました。季節をひとつ飛び越えて、次の春の支度をしたわけです。不思議でもなんでもなく、もともと人生ってこういうものなんですよね。現代では食料も燃料も当日買い出しで何とかなりますけど、人類の長い歴史においては特異点にすぎません。私たちには、長い冬を生き延びるための支度がすべて。食糧と薪を確保するために、春夏秋があるといっても過言ではありませんでした。フジキドさんがまじめにコツコツと一足飛びに変な行動をしているのも、きっとより優しい未来への備えであり…本当にそう思うか???

前回の感想はこちら。(幕間とPLUSエピソード)

本編、前話の感想はこちら。


【前提】望月のニンジャスレイヤー知識

・書籍第一部を3巻まで(中断)
 →6年経過(ほとんど内容を忘れる)
 →『スズメバチの黄色』読了
 →AoMシーズン1〜3読了+後、PLUS加入
 →AoMシーズン4実況+旧三部物理書籍12巻(今ここ)

◇◇◇

今回のエピソードはこちらです。シーズン4の5話目。

シーズン4:「デストラクティヴ・コード」(前)

ネオサイタマ上空に現れた黄金立方体。赤紫ネオンに染まる空を市民は見上げ、訝しんだ。ニンジャスレイヤーが狩人を退けるたび数を増すオリガミ・オブジェクトもまた、道ゆく市民の興味を集めていた……

 ♯1

日夜このような迫真映像をお送りするNSTVノルマが冒頭から。

「恥ずかしながら私、10……10年前のカタストロフィを……思い出す次第でございますが、空が……!」

なんと。10年前にもこんなことが? 第3部案件でしょうか。

ナムサン! マークスリー!? ギャラルホルンは今、この美少年をマークスリーと呼んだのか? だが実際、他の者ではありえぬ美少年!

地の文さん白々しいよwww
爆発四散したと100%信じ切って決して疑わなかったじゃあないんだが……

「クキキ……世界は過酷だ。差し伸べられる手の中から、真の友を選び取り給えよ……即ちそれは清濁併せ呑むこの私だ」

今回はマーくんが詐欺のカモなんでしょうか。マスター・オブ・パペッツエピローグで、マークスリーを川から引き上げた態度には本音が紛れていたようにも思いますが。

ところでケイトーさんの詐欺カモ遍歴が、(1)レッドドラゴン→(2)クセツ&ジョウゴ→(3)ヘラルド→(4)マークスリーと、好みの男があからさますぎることに気づいてちょっと引いた。

ガラスのプライド持ちで、かつ打たれても這い上がってくる美しい顔面の貴族が好きなんですか……? あっじゃあフジオくんとかどうですか? 生まれが貴族じゃないから無理かな、執念一つで泥水啜って這い上がってきた男だから騙されなさそうですしね。こうして書き出してみると、フジオとマスラダって意外と相性悪くないのかも。少なくともフジキドさんよりは話が合いそう(かわいそうな幻覚を見るんじゃないよ!)

「決まっておろう。カツ・ワンソーは現世に在らず、キンカクに座し、眠り、時を待つ。(略)父祖のまどろみを僅かにでも中断せしめ、偉大な凝視、力の片鱗の開帳に、与ろうとしたのだ。調子の狂ったテレビを叩いて、つかのま光らせるようにな。クキキキ!」

急に俗っぽい表現してきたので笑った。
一方で、ケイトーがカツ・ワンソーへ抱いている尊敬の程度が見えたようにも思いました。リアルニンジャすら言葉ひとつで手玉に取るケイトーが、なんの意味もなくこの表現を使うでしょうか。正直…「調子の狂ったテレビ」に喩える相手を、復活を切望し敬愛しているとは思えません。

YotHもそうですけど、ケイトーの目的もまた、ダークニンジャと近いところにあるのでしょうか。それとも、力を掠め取って何かを為したいなどの利己的な狙いがある? うーん……。
登場以来、道化めいた策動を続けるケイトー・ニンジャですが、その根底にどよめくものはカツ・ワンソーに対する一筋縄ではいかない感情なのでは?と感じることがあります。例えば、KOLから飛び出したマークスリーのように、ケイトーもまた、父祖カツ・ワンソーのくびきを脱しようとしているとか。何らかの何かがありそう。

ブラックティアーズさんの水晶球ギミック好きです! 超かっこいい!

水晶球が反応した。球体がブルブルと震え、表面を泡立たせたと思うと、不意に多面体に変化した。そして、開いた。カシャカシャと音を立て、多面体はパズルめいて展開されていった。

何よりこの文章がいい。
勉強になります。本当にすごい。こういうのをですね、私は、意識的に書けるようになりたいです。頑張ります!

マスラダくんの作品だと知る前からオリガミを(いい作品だ)って思ってくれたザナドゥくんに投げ銭したい。ありがとうね。

「かまわん、続けろ」ニンジャスレイヤーはアクビして、座り直した。

ハッ マスラダくんのアクビ!!!!(ガタッ!)

貴重なものを見せていただいて私は……私は、手がそわそわしております。我ながらくだらないことをしに来ちゃったマスラダ~~~! ザナドゥくんの桃をほめるマスラダ!! ああぁぁもぉおぉ! ジタバタしてしまう!!

ザナドゥくんとマスラダくんの若きアーティスト同士のぎこちない会話が醸し出す空気が、この治安最悪クソビルの屋上を温かなリスペクト&ラブ&リスペクトな感情で満たしており、暮れ行く日の短さに乾いた心が潤うのであります。はぁ。最高。おにぎりいいよね。同じ部活(?)の仲間と並んで、黙々と食べるおにぎり、それは青春の味……でもピザを食うのが先では?

◇◇

 ♯2

廃墟と化したポンポン・ビルディング屋上。壊された照明の影から進み出たのは、アブストラクト・オリガミの製作者……ニンジャスレイヤーであった。防壁にもたれて夜風に吹かれ、オリガミとネオングラフィティを眺めながら、ザナドゥとニンジャスレイヤーはオニギリを二人で分け合うのだった。

ピ ザ を 食 う の が 先 で は ?
(2回目)

「まあ、いいだろう」「マ?」ザナドゥはやや緊張した。「ホントは腹立ててねえか?」「何故だ」

ザナドゥくんが(学校一ヤバいと噂の不良同級生を勢いで1on1マックに誘っちまった!)みたいなビビり方をしてるシーンが可愛い。

マスラダくんがオリガミを捨てる必要は全然ないと思っているので、シーズン4を経てまた向き合ってくれるようになると嬉しいな。ゆっくりでいいし、アユミさんの遺志を継ぎたいのは本当だと思うし、それでも、あなたはやってもいいんだよ。と思います。

垂れ下がった電子配線が火花を散らし、水溜まりにシュッと音を立てる。異色の空に似た色彩のオイルが浮いた水面に、「電話王子様」のネオン看板が逆さまに映り込んでいる。

ここの文章好き!

ナンシーさんがフジキドさんの無茶無謀作戦に少し眩暈を覚えたあと「高揚」したのでいやそれおかしいよ!?ってなった。しないでくれ。そんな。そんなだから貴方たちは大気圏を突き抜けるタイプの暴走列車になってしまうんだ。わかってる、貴方たちはそれがいい……それがいいところなんだけど……!でもおかしいよ!!!

ナンシーはほつれた前髪を撫で付けた。「それまで、マスラダ君に耐え続けてもらう事になる……。凌げるかしら。彼も随分無茶をする子のようだから……」

ナンシーさんの口から「マスラダ君」って出たのにめちゃくちゃ興奮しました。無茶をする!! 気分は最高にハイってやつですわ!!!

「黙れ」デスロールはナイルワニ拳の構えをとり、アヴァリスの動きに警戒した。

おお!?ナイルワニ拳! 実在していたんですか!? コトブキちゃん良かったね!

(スレイト🐊店内でナイルワニ拳の練習をするコトブキちゃん)

◇◇

 ♯3

儀式の主催者・セトは、狩人アヴァリスを資格なき妨害者であると断じた。命を受けたブラックティアーズは、秘宝を持たせた手勢を派遣し、異物排除にかかる。

アヴァリスは、神秘的な古代ナイルワニ拳の使い手、デスロールの頸動脈を掌握し、ドクドクと流れる血の勢いを指先に感じていた。

ナイルワニ拳すぐ死ぬ。
コトブキちゃん残念だったね……。

アヴァリスは目を細め、既にイクサが始まっているがゆえに特段不要な名乗りを、敢えて返してやる。彼は穴だらけの装束を脱ぎ捨てて上裸になると、背中に宿したネオンタトゥーを闇に輝かせた。そして呟いた。「出ろ」

ドえっちじゃん!!!!!!
白いネオン虎を侍らせてるのもドドドドえっち!!!

黒い三角帽(トリコーン)を被ったニンジャは、ニューロン速度で跳ぶ銃弾に、アイサツを込めた。『ドーモ。ハイウェイマンです』

かっっっ……こいい………

実況当時も震えましたけど、狙撃弾丸にアイサツ込めて来るハイウェイマンさんの登場シーン、マジでかっこいいですよね……はぁ…

◇◇

 ♯4

悠々と刺客を翻弄したアヴァリスは、次々と手勢が爆発四散するのを知りながら冷徹に戦況が整うのを待ち続けた男……ハイウェイマンに隙を突かれた。弾丸をまともに額に受け、倒れこんだ「儀式異物」に、ハイウェイマンは歩み寄る。

理解できぬものは理解する必要がない。ただ有利に働き、イクサの助けとなれば充分だ。

はぁ…プロだ……めちゃくちゃカッコいい。

LAN直結ライフルも仕込みライフルもゼロ距離カラテミサイルも、すべてがかっこよすぎですよね、とにかくひたすらカッコいいです。はぁ……クール。ハイウェイマンさん、たった1セクションで読者の心を鷲掴みにしてくる。

ハイウェイマンは目を見開いた。アヴァリスはハイウェイマンにメンポを接触させ、囁いた。「喰らい損ねちまったぜェ」

イヤーーーーッ!? R-18パルプ賞助演男優賞!!!? 卑猥すぎますわよ!! 飢えとは生への渇望であり、子孫を残したがる性衝動と容易に結び付けられるなんかえっちなあれでありダメでしょ!!?

卑猥すぎて「スペクトル」という単語すら一瞬「スケベ」に空目してしまうのでもう駄目です、でもこれは私じゃなくてアヴァリスさんが悪いよ!! なぜかエロスビキニな相手に驚いて、こっちが気を遣って顔を両手で覆うから視界がおぼつかないみたいな状況ってわけ!

ハイウェイマンはザンシンした。滅びたのか。何百回と繰り返した機械的な動作で、彼は銃弾を込め直した。ここまで彼を追い詰めた者は過去に一度だけだ。この包囲戦の指揮官であり彼の友……あの男

急に激重感情をやめて!!!!!?

「彼の友……あの男。」の真ん中の「……」という部分におそらく感情の重力の一番数値が大きいところがぜんぶ込められていますね。装填されてるの。わかりますか。「彼の友。」でこの文章を終わりにすることができたにもかかわらず、敢えて追加された一節である以上、ここの三点リーダと「あの男」という言い換え表現には必ず意味があるのです。いいですかみなさん。ここが激重感情単元のテストに出るところですよッハイッ重要!(チョークで書きつける音)

アヴァリスはハイウェイマンを押さえつけ、組み伏せた。
「欲しかった。お前のカラテミサイルのジツは素晴らしかった。もう少しだった……」もがくハイウェイマンにのしかかり、そのまま、

ヒッ………

◇◇

 ♯5

(あらすじ)体内を強引に押し広げた相手を逆に押さえつけ組み伏せてのしかかり「欲しかった」と呟くドドドドエッチネオンタトゥー男の一幕を見せられたもなかさんはあまりの光景に絶句していた。

だ、だって、だってアヴァリスさんが、

ハイウェイマンさんがここで退場だなんて残念すぎます。1セクションに収まる器じゃないのに…でもこれがニンジャの世界だから…あーー、でも惜しいよ!!もっと戦ってるところ見たかったよ! もったいないよ〜!!!

アヴァリスさん→ブラックティアーズさんへの宣戦布告。

「ならば、お前の対ニンジャスレイヤー挑戦権を奪う為に、決闘を挑んだ事にする。お前の挑戦順はどうせ最後だろう。それを頂く。挑戦順を巡る決闘は許されるだろ。

コンヴァージさん爆発四散に関する物言いの結果、ムカデの狩人が一番最後、ということになってましたけど…この時点での順番ってどうなっていたんでしょうね? コンヴァージさんは儀式開始前だったことで特例が許されましたけど、儀式開始後であれば、狩人同士が争って爆発四散した場合はもう補充できない? ルールが曖昧なんですよね、クソガバ運営なのでルールなんてしょっちゅう変わってるっぽいですが…運営最低仕事して!

「応えよ、妖刀ベッピン。幾度でも」

おや、ブラックティアーズさんの刀ってベッピンの破片から鋳造したものだったんですか。だとすると、近いうちキョート城の皆さんも参戦しそうじゃないですか?
シーズン2ラストでは、シトカにも「奪われたベッピンの破片奪還」という名目で全面介入してましたよね。ネオサイタマに破片の一部があると知ったら普通にまたやってくるかもしれない。シーズン3はネザーキョウという国土そのものがキョート城の在り方と相性悪かったようで来られなかったみたいですけど、今のネオサイタマだったら親和性は高そう。

「わかるかよ。俺が、サツガイを、贄にするんだ!

はい。
つまりアヴァリスさんもまた……ってことですよね。サツガイさんとアヴァリスさんはそこそこ類似性があると思うんですけど(享楽主義的なところとか)、ゾーイちゃんだけぜんぜん性格違うのは割と不思議です。性別も違いますしね。カツ・ワンソーの多面性ってやつなのでしょうか。

S2の描写によれば、影は重なり合うことでより濃さを増す、つまり、カツ・ワンソーの影は喰らいあう(別の影を吸収する)ことでより力を強められるんですよね。

サツガイさんはいったん滅びましたが、アヴァリスさんを退けない限り、ゾーイちゃんも平穏無事に暮らしていけるわけではないってことになってしまうのかな。困りますね。ゾーイちゃんに他の影を喰らえというわけにもいきませんし。
やはりマスラダが影的存在を片っ端から殺!していくしかないのかもしれない。がんばれマスラダセコム。


とりあえず、いったんここで区切ります。
ではまた、後半の感想でお会いいたしましょう!

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次の感想はこちら。


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