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ニンジャスレイヤーを第4部-AoM-から読みはじめる/シーズン3_14「ナラク・ウィズイン」(後)

こんばんは、AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。 

【ナラク・ウィズイン】前半の感想にて、「マスラダはいつからタキを呼び捨てにしていたのか」と盛り上がっていた件ですが……直近のエピソードドリームキャッチャー・ディジタル・リコン ♯6にて「タキ=サン」と呼んでいたのを見つけました。

(応答しろ、タキ=サン)『おう。バッチリだ』無感情なタキのIRC音声が返った。一通りの文句は既に聞き流した後だ。
(「ドリームキャッチャー・ディジタル・リコン」 ♯6 )

つまり……どういうことなんでしょうね。

<可能性1> リコナー谷からハリマ離宮に向う間になんやかやあって、呼び捨てにしだしたパターン。この場合、物理的距離が離れている間に心の距離を詰めてるお前らはいったい何なの?ってことになるわけです。はい。

<可能性2> 「喧嘩中のふたりが無駄に丁寧な口調で会話するアレ」を二人してやってるパターン。わざわざ「サン」づけで通信リクエストするマスラダと、無感情に最低限の応答だけをするタキという構図の……可能性が……いやそれ何なの? そうだとしたらお前ら何なの??

シーズン3のマスラダは、タキを話題に出すときは常に「タキ」と呼んでいるので、個人的には<可能性2>を推したいところです。……まあマスラダが気分次第で呼び方変えてるだけかもしれませんが! 公式情報で確定されない限りにおいて、可能性は無限! だから世界は広くて優しくて自由なんです!!(やばい! 淀んだ瞳だ!!)


前回の感想はこちら。


【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識

・7年前に書籍第一部を3巻まで読んだところで中断。だいぶ忘れてます。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・2019年11月~2020年3月にかけてAoMシーズン1を読了。
・2020年5月~10月にかけてAoMシーズン2を読了。
・実況は一度だけ参加しました(20年2月の3部野球回再放送)。

【前提2】感想の方針

・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の知識はあえて入れないようにしています。情報を与えずそっと見守っていただければ幸いです。

◇◇◇

今回のエピソードはこちらです。

シーズン3「ナラク・ウィズイン」(後)

「ギンカクを見つけ出す。そこにおれの力がある。取り戻す」……長い長い旅の果て、ようやくライディングマウンテンに辿りついたニンジャスレイヤーたち。そこでは、既にケイトー・ニンジャの奸計により、ギンカク・オベリスクから力を引き出す邪悪な儀式が執り行われていた!

 ♯6

「太古の昔にはダイコク・ニンジャを計略にて討ち取り、ついこの前も高慢ちきなブラド・ニンジャを手玉に取りし生ける伝説。それがケイトー=サンよ。(略)」

ケイトーさんがブラドおじいちゃんを詐欺に引っかけた件を言いふらしていることが判明した。やめてあげて。守秘義務違反だよ。胸が痛む。

ケイトーの口車に乗ってしまったニンジャさんも「閣下の塾生」とか名乗ってますが、授業料持ち逃げされることがほとんど確定しているので……これまた胸が痛みます。


ケイトーは訝しみ、空を振り返って、ボーを引き寄せた。
再びボーを手にした彼は、黒炎のわだかまりの前でアグラする朧な銀の姿を前に、顔をしかめた。

シルバーキー氏じゃありませんか!! ホントどこにでも現れますね!?

シルバーキーは口の端を歪めて不敵に笑った。「あンたの相手なぞ、遠隔で事足りるかもよ」

時流に乗ってリモートワークしている。やはり1児の父になったから……子育てと両立しなければならない男のためのリモートカラテですね。

シルバーキー氏、世が世なら気軽にリモート飲みしてそう。銀の浜辺から呼びかけて、世界の果てにいるフジキドさんと電子飲み会するシルバーキー氏とか見たいな。できないのかな。

「ASAPと言ったか?」(略)「同感だ。おれも急いでいる」「アバババーッ!」「イヤーッ!」サッカーボールキック!

踏んだ頭をグリグリ踏みにじりながら「おれも急いでいる」とか言っちゃう不遜さがあまりにもTHE・マスラダって感じで最高でした。無慈悲すぎる! 好き!!


 ♯7

「ナラクの黒炎」を激しく奪い合うニンジャたち。謀略者ケイトー、ソウルを渇望するジョウゴ親王、そして本来の持ち主であるニンジャスレイヤー=マスラダ・カイ。 そこに突如として現れたのは、アケチ・シテンノが一人、ザンマ・ニンジャであった。永き時を生きてきた巨躯のニンジャは、ニンジャスレイヤー殺しに異様な執着を見せ、マスラダの前に立ちはだかる!

その横に風が吹き、コルヴェットが倒れ込む!「ゴボッ!ゴボーッ!」傷を押さえ、のたうち回る!「ニンジャスレイヤー=サン!黒炎は……貴公に属する力……力を以て……」

コルヴェットさんすぐ無茶するから心配!
満身創痍でのたうち回りながら「俺は平気だ」っていわれても説得力なくて不安になるんですよね。デジ・プラーグでも同じようなことしてたし……。死にかけても必ず誰かが助けに来てくれるのはコルヴェットさんの人徳だと思うんですけど、この冒険魔術師、いつか笑顔で死に飛びこみそうな危うさがあるので戦闘に参加するたびに怯えています。死なないでくれ……。


ニーズヘグさん、キョート城に帰れなくなっていたんですか。あらあら。それは大変だ。

ネクサスさんは……ええと、「ザイバツ・シャドーギルド」で一度お会いしていましたね。ダークニンジャの側近で陰気、マスラダくんの手足を捥いで監禁発言が今も記憶に鮮明なあの……「銀英伝」のオーベルシュタインみたいな立ち位置をイメージすると近いのでしょうか。苦労性の参謀さんかな?

「見ての通りのリアルニンジャ。間違いなく手練れ。名はザンマ・ニンジャと言うた。これ殺らずして何の為の右将軍か」『その状態でか。待つのだ、そしてあれは……ニ……ニンジャスレイヤーでは!?』

よくわかりませんけど、とにかくすごく苦労していそうなことだけはわかったので同情した。ニーズヘグさんの帰還に備えて待機していたのに直前で「やっぱナシ」って言われるわ、家出息子がニンジャスレイヤー(標的・生け捕り必須)に飛び掛って「殺す!」って叫んでるわ、胃液が修羅場ダンスって感じでかわいそう。大根おろし鍋とか食べてね……胃に優しいよ…

「ザンマの敵は、常に一人」ザンマ・ニンジャは刃越しに低く言った。「一人を仕留め、一人を仕留め、一人を仕留め、一人を仕留めるもの也」

フジキドさんと相性良さそうだなって思った。言っていることがだいたい同じだぞ?

面倒ながらも一応黙って言い分を聞いてたら泣き出して自分語りを始めたヘラルドくん。いったい何をしに来たんだ。あからさまにうざったそうな態度を取るマスラダくんは酷いですが、気持ちはわかるので責められない……突然泣かれても困っちゃうよな……。

そしてまたヘラルドくん負けちゃいましたね。かわいそう。元気出してほしい。


 ♯8

ケイトーの邪悪な意志が、ヘラルドの首元に絡みつく。ジョウゴ親王の眼は赤黒の光を湛えている。黒炎溜まりに手を差し入れ、ニンジャスレイヤーはナラクを呼び続けている。ギンカクの力を巡る三つ巴の戦い――事態はいよいよ混迷を極める……!

トムさんを助けるコトブキちゃん、かっこよくて頼もしいです。
「ガンバロ!」もかわいい! 勇気が出る!

マスラダくんの面頬も赤黒に光った! 徐々に戻ってきた! 

なのに単純ヘラルドくんがケイトーさんの術中にいともたやすく嵌められていてつらい。ヘラルドくん、「私は騙されませんよ」とか言いながら高額の商品に投資しちゃうタイプだから……あ~あ……どんどんかわいそうなことになっていく。どうなっちゃうんでしょうね。

ヘラルドを唆し、目的を果たしたケイトー・ニンジャ。彼は五重塔の破壊によって力を削がれたクセツをいともたやすく撃破し、ザンマ・ニンジャの足止めにかかった。崖下に落下したクセツは……

美しい若者の唇が震え、一筋の血が流れた。彼は言った。「我が名は……ランマル・ニンジャ。逆賊アケチ・ニンジャのムーホンにより、主君オダ・ニンジャを失い……ネザーを彷徨い……あ、貴方様の存在を知り……僭王への忠誠を誓いし……つまらぬニンジャ……」

森蘭丸だ……。

森蘭丸を……ここで出すのか。うわ……。
「小姓を侍らせている」というジョウゴ親王のパーソナリティからして予想できてしかるべきだった展開なのに完全に意表を突かれました、これはすごい。そうか。いやマジで感心しています。すごいですねボンド&モーゼズ。はぁ……すごいな。

(ところでクセツ、ずっと小姓と親王のアレやソレを後ろに控えて見ていたんですよね。包帯の下でどんな顔をしていたんだろう……妬み嫉みで染めあげられたネザーの包帯が、、大変ですよこれは)

「貴方はネザーにおいて、オダの魂なき死骸から生み出された。ゆえに貴方は魂の欠落に苛まれておられた」

やっぱりオダのソウル抜きだったんじゃないですか!! そしてここで歴史を反転させ、「敵は本能寺にあり」を森蘭丸が織田信長に教唆する。本能寺の明智光秀を、織田信長が襲撃する。マジですごいな、いや本当にすごい。素晴らしいです。感動した。いやー面白いですね!!


◆◇◆

(大切なお詫び)


!死人に口なし!

このあとの展開でしんだので、感想はここで終わりです

!死人に口なし!


◆◇◆

 ♯9

同上

 ♯10

同上



~「ナラク・ウィズイン」の感想・完~

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堕天作戦はいいぞ

ごめんなさい。


◆◇◆

だってむりなんですよ!!
当時の感想を再現しようとしても無理!!!!!!!!!

読了後一発目の感想がこれです!!!!!!!!

念入りに念入りに私の急所にナイフをぐりぐり刺すような真似を!されて!!! さらに棺桶まで丁寧に灰まで残さぬように焼かれて! もう日本語なんか喋れないんですよ!!!!!!!

いやでも頑張ります。神様じゃないですけど、七日間も感情をこねくり回してたら語彙はそこそこ回復してきたので……なんとか頑張ります。日本語おかしくても許してください。


 ♯8(つづき)

いやそもそも私は……ええと、前回更新した音声配信の中でも喋ったんですけど、

「ネオサイタマが、ネザーキョウの攻撃を受け、焦ったマスラダがタキに『逃げろ』と叫ぶ」ところまでは知っていたんですよね。どのタイミングで来るのかはわからないものの、まあ、そういうイベントがあると。破壊力だなと。だからイメージトレーニングはしていた。備えてはいたつもりだったんですよ。

でもだめですね、だめですよ、もうだめ。


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この時点でもう無理。

まず端末から全力で目を逸らして目を閉じて、現実から逃走した。

額を覆って心の準備をし、それでも無理で、というか読むのが怖くて、だって目の前に必ず死ぬ道があるのに通れるわけがないじゃないですか!?
スーサイドさんみたいに強い男だって勇気を振り絞らないと通れない道なんですから、それは困難きわまりない選択ですよね!?

1ツイート読むごとにわりと必死で、ですね……その、なんかもう、そもそもネオサイタマへの矢を見つめて、「手が届かない、助けられない絶望」を最初にぶつけてから、タキとの通信を開くとかそういうことするなんて思わないんですよ……なんてことを。なんてことを。しぬ。

あと「逃げろ!タキ!」を大声で叫ぶのも無理だった。なんでマスラダ。そんな。ねえ。わかっていましたけどマジか。

AoM開幕時点では自暴自棄で不安定だったマスラダ・カイ。しかし、シーズン3の冒頭。復讐を終えて記憶を取り戻したマスラダは、確固たる目的意識を持ち、ほぼすべての力を失いながらも前を見つめて歩いていました。

恐らくマスラダを無意識ながらも支えていたのは「ピザタキに帰ればタキがいる」事実だったと思うんですよね。
もっとも不安定だった時期のマスラダが、偶然助けたアホなハッカー。そいつが住んでいる汚いピザ屋。渦巻く自殺願望をナラクが強引に黒炎で焦がし、復讐に明け暮れ、独りで苦しんでいたマスラダの前に、脳内で呼びかければいつでも返事をしてくれる男が現れた。呼べば返事が来る。これは大きかったんだと思うんですよ。

マスラダの精神がもっとも安定する場所はピザタキであり、これは私の妄想ではなくローカルコトダマ空間がはっきりと事実を確定しているわけで、なんと驚くべきことに公式である。いえーいやったね。やったぜーうわーいひゅーひゅーパフパフ(精神が不安定だ!)

ごほんごほん(咳払い)、というわけで。
事実を反転させて仮定を導き出すのなら、マスラダ・カイの安定を何より損なうのはタキを失うことだと思うのです。しかしマスラダは常にツンツンしているので、決してその事実を表に出そうとはしません。そうなんですよ……そうなんですよ!! マスラダ、タキを失いそうになりでもしないとこういう態度取ってくれないので!!!!! あああああああああああああああああああああああああああああああやったああああああぁぁぁああああああああああ!!!!! 見事にしにましたが本望です。

いやあとマスラダがめちゃくちゃ怒ってるのもやばいですよね、「ふざけるな返せおれに全部」という怒り、おそらくこれ、矢を見た瞬間、力が及ばないと思った空虚な心にタキの声が割り込んで、さらに通信が途切れた瞬間、「おれのものが盗られた」と強烈に感じたんだと思うマスラダは!! そのさなかに振り返ればアイツもアイツもおれのナラクの力を勝手に盗っている!!ふざけるな返せ! おれから取ったおれのものを! 全部返せ!! という怒り……死(あっまたもなかさんのHP/MPが0に!! )

べそべそ泣いてる……もうむり、正気がダメ。
なんどよみかえしてもむり。

あとさ~このさ~~「手が届かないところで相棒を失ってしまい、呼んでも呼んでも返事が来ない」絶望が、きれいにシーズン1ラストの反転になってるのもさ~~~~~~ごろごろと床に転がる。酒の瓶を寝たまま煽る。

シーズン1のラスト、『オラクル・オブ・マッポーカリプス』。ナスカの崩壊。タキはここで一度、手の届かない場所で、マスラダとコトブキを失いました。呼びかけても返事がない。いくら待っても連絡がない。そこではじめて、二人がどんなに大切だったのかを思い知らされた。シーズン2以降、なんだかんだ文句を言いながらも力を貸してくれるのって、タキが己の心に素直になったっていうのもあると思うんですよね。

だからマスラダもね! 今こそナスカの後に何か月も音信不通にしてたことの罪深さを思い知るべきだと思うんですよ! 音信不通自体は仕方なかったとしても、その後の第一声がアレなのは駄目だったことくらいは今ならわかるでしょ!? わかったかこいつ! わかったか!! 反省しろ!!! 

 ♯9

ネザーキョウから放たれた四本の矢。通信の途絶したタキ。止められない。力が足りない。なぜなら、ニンジャスレイヤーの手にあるべきナラクの力が、奪われているからだ――怒りの炎を滲ませ、ニンジャスレイヤーは吼える。走れ、戦え、すべてを取り戻せ、ニンジャスレイヤー!

「おれにナラクの力があれば、おれは、くだらん矢を止められたのか」

過去の選択肢を後悔するのも、それをポロッとシルバーキー氏にこぼしちゃうのもさぁ~普段のマスラダらしからぬ、この、、…………!!

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(心象風景)

◆◇◆

視界がまだらに霞み……00100101……ニンジャスレイヤーは己を、ピザタキの店内で見出した。

追撃をやめてくれ!!!!!!!!!!!!

やめてよぉ……やめてやめて………もうしんでるから私……死体蹴りやめて………二人の幻影を出して、これ、この再現度さ、マスラダがいつもタキさんとコトブキちゃんのやりとりを心の中で動き出すほど見て覚えていたっていうことでさぁあああああああああああああああもうむりなんですけどおぉ!? 

タキは仰天し、マスラダの横を通ろうとした。ジョウゴ親王はタキの首を無雑作にチョップで刎ねる。だがその手は途中で止まった。マスラダがジョウゴ親王の手首を掴み、止めたのだ。

あ゛~~~~~~~~~~~~~もうやめてやめてやめて!!!! うそですありがとうございます。いくらお支払いすれば? 英世を十枚? それとも諭吉の方が好きですか? お財布全部持っていきますか?

唯一の故郷と呼べる場所!家族と呼べるものがいた場所!かつてアユミが、カノープスが守ろうとしたもの!

家族…………

マスラダは首を横に振った。記憶が重なった。「賞金稼ぎだろうが何だろうが、多少汚いカネだろうが、おれの知っているお前が納得して稼いだカネなら、信用するさ。……お前はニンジャで……おれの……
「エンター・ザ・ランド・オブ・ニンジャ」♯2

……答えが………ここで回収され……うううう……

シーズン3、1話目の感想でこんなことを書いたんですが、

復讐を果たしたマスラダにとって「ニンジャスレイヤー」という名が今後、どういう意味を持つのか。「重荷」どころか、むしろ捨てたくなさそうだったのは印象的でした。弱体化しながらも名乗りに拘っていたところからして、きっと何か彼なりの想いがあるんでしょうね。その名を捨てたらアユミの記憶ごと捨ててしまうみたいな感情でもあるんだろうか、アユミにもらった命の証……ヴッ……。
「エンター・ザ・ランド・オブ・ニンジャ」感想より)

何かマジでそれで……私は……しんだ……

ところで、ネオサイタマを「アユミが、カノープスが守ろうとしていた」という点についてはまだ回収されていないんですよね。

かつてマスラダは、アユミの行動に疑いをもち、その正体を調べようとしていた。その記憶はその後の絶対的な悲劇によって引き裂かれていたが、今この時、彼はうっすらとそれを思い起こす。(お前は、ニンジャとして何を為そうとしていたんだ)
エッジ・オブ・ネザーキョウ♯2

マスラダが「ネオサイタマに帰り、彼女の遺志を継ぎたい」と思ったきっかけは、おそらく蘇った記憶の中にある。アユミはどんなニンジャだったのか。これについては、ぐるぐると考えていることがあるのですが……まずは最新話に追いつきたいです。うむむ。

ジョウゴ親王とのローカルコトダマ空間での戦闘。
ニンジャスレイヤーとしての日々、かつての「ただのマスラダ・カイ」だった日々、アユミとの思い出、それは苦痛を伴うものも含めたマスラダ・カイのすべて。彼の尊敬する人が、彼自身が愛したもののすべて。暗闇のなか、ネオンの海に浮かぶのはマスラダの故郷、混沌の都市、ネオサイタマ。

マスラダ・カイが、ニンジャスレイヤーが、辿り着いた答え。
素晴らしかったです。感無量です。

「ネオサイタマに帰る」というのは彼の切なる願いであり、文字通り、マスラダの生きる目的そのものだったんですね。

黒炎が沸騰し、手をおろせば、顔を覆う新たなメンポあり。双眸が火を噴き、メンポの表面に熱が駆け、「忍」「殺」の漢字が焼きついた。

カ、カッコイイ~~~~~~~~~~~~!

ヘラルドくん(かわいそう)からも力を取り戻し、ニンジャスレイヤーは復活。メンポも新しくなり、ナラクちゃんのKYうるさい解説も復活。あのうるさい解説にこんなにホッとする日がくるだなんて……

(((この滅多になきフーリンカザンで下手を打つような事あらば、儂は呆れ果てオヌシから身体を取り上げる。そしてイクサがこのような機ばかりとたかをくくるべからず、オヌシの……)))「そろそろ黙れ。ナラク」

とはいえ高飛車チョーシコキ姫にもほどがあるので笑ってしまった。さすがのマスラダくんも「黙れ」しちゃいますよね。「そろそろ」というあたりに、しばらく黙って懐かしい罵倒を聞いていたんだろうな~という空気を感じて嬉しくなります。

ヌンチャクも復活するの最高……かっこいい……フジキドさんに託されたヌンチャクが………(というか何度思い返しても、ニンジャのヌンチャクをもらって大喜びしていた亡き息子トチノキ × 命がけで取り戻したヌンチャクを次世代ニンジャスレイヤーに託したフジキドっていう、この文脈、ズシッときますよね……はぁ~)


 ♯10

ついにナラクの力を取り返したニンジャスレイヤー。対するは狂気のリアルニンジャ、ザンマ。ヌンチャク・オブ・デストラクションを構え、ギンカク・オベリスク中央で、鬼狩りと忍殺鬼の死闘が始まる。

((((略)儂に身体をよこせ。つまらぬザンマ如き容易く引き裂き、そののちこの地を草木二度と生えぬジゴクに変えてやるゆえに!)))(黙れ。もう一度やる)(((バカ!左様な二度三度という考えがブザマなイクサを生むのだ!)))

ナラクちゃん、なんでそんなに態度がツインテールなの? 

ハッ! ヒロインの座はこの儂よ! 誰にも渡さぬわ!!(CV.ツインテール少女)って感じですよね。

ザンマとの闘い、両者一歩も引かない乱打戦で、手に汗握りました。すごい。でもついにヌンチャクが届いて、勝った、やったーーーー……

そして……「応えろ。タキ!」ニンジャスレイヤーは叫んだ。応答はない。「……タキ」

ちょ、あの、不意打ちを、や、やめ

わ、私は今、ザンマ戦の余韻に、ひたろうって思って……ちょっと……あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

嘘でしょ……何度読んでもここ……むり……

いや戦闘が終了したとたんに「応えろタキ!」って叫ぶのさあ、これまでのマスラダはずっと、戦いが終わるたびタキと通信を繋いで報告し合って、タキの軽口に「黙れ」って言って指示を仰いでさぁ……それがマスラダにとって当たり前だったわけで……、でも、その「当たり前」が、ナラクを取り戻しても返ってこない………(という現実に打ちのめされているマスラダに、私は打ちのめされているんですが……はぁ……これは現実か……なんということだ……)

ところで気づいてしまったんですけど。

マスラダの中に占めるタキの存在が大きくなるにつれて、徐々にタキのピンチにマスラダの手が届かなくなっているし、タキからの応答も遠くなっているという事実に。

【タキのピンチ一覧】
S1-Ep6「ストーム・イナ・ユノミ」(タキからSOS、片腕骨折、救助成功)
S1-Ep11「ウィア・スラッツ~」(応答の遅れ、病状の悪化、間接的に救助成功)
S2-Ep4「ポッシブル・ドミネイション」(応答なし、一瞬の脳死、チート級の助けを借りて救助成功)
S3-Ep7「ナラク・ウィズイン」(応答なし、安否不明、救助不可能)

「ポッシブル・ドミネイション」では、応答がなくなったタキを探していたところ、シルバーキー氏が助けてくれて、タキの元に辿りついたんですよね。

今回の「ナラク・ウィズイン」では、「タキの応答がない」+「シルバーキーが来た」という組み合わせを再演しているのに、それでもタキに届かない。あのときは届いたのに、今度は助けられない。

鬼みたいな構成してるな~! 最高だな~~~!! ヒューッ!!

連続カンフーを受けたゲニンが池に転落し、人食い鯉に生きたまま食われた!「まあ!」

人食い鯉なんていません!!!!!!

「タイクーンのせいですよね?ファック野郎です」

コトブキちゃんの明るさに救われる。ありがとう。

あと、そこな魔性の男、少年とバイクでタンデムをしてはならない。レーティングが上がっちゃうじゃありませんか。自重してください。

取り戻すのに「手間をかけさせられた」って主人公に言われるナラクちゃん、めちゃくちゃヒロインで笑ってしまいますね。姫だな……。

ヘラルドくんはこれからどうするのでしょうか。

俗なことを承知でいうならば、好きな人とか見つけて平和に暮らしてほしいんですけど。平凡な幸せの中でこそ得られる強さってあると思うよ。

「……勿論、わたしも一緒に行きます」コトブキが言った。マスラダはコトブキを見た。マスラダは、今更それについて聞き返しはしなかった。「そうか」「ガッとやっつけて、胸を張って帰りましょう。タキ=サンも、きっと無事です」「ああ」

コトブキちゃん!!!!

たくましくて明るくて強くて、本当に救われる。マスラダにコトブキちゃんがいてくれて良かったです。

はぁ……すごかったですね……。言語化するまでに一週間もかかってしまいました……めちゃくちゃ頑張ったので褒めてください……今回ばかりは褒めてください……。

このあとすぐ続きを読みたい気持ちと、タキを失ったかもしれないという思いを抱えたまま旅をするマスラダを一分一秒でも長く味わっていたいという気持ち(ひどい)と、二つの想いで引き裂かれているので、どうしようか悩み中です。ホンノウジに向かう途中、ぐちゃぐちゃになったピザタキのリアルな夢を見て起きるマスラダ……休憩のたびにタキにIRC通信を試みるがつながらず沈思黙考するマスラダ……最高…………もっとくれ……もっと、もっとだ……!!

ともあれ、まだネオサイタマへの旅は続きます。
それではまた、次回の感想でお会いいたしましょう。


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次の感想はこちら。


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