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ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読む/S4_20「ビースト・オブ・マッポーカリプス◆前編」(前)

こんばんは、本編の感想ではお久しぶりです!
AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。 
ついにシーズン5が始まりましたね。それまでにシーズン4の感想記事を上げておこうと思ったのですが、間に合いませんでした。そう、人は思うように生きられず、無様にあがき、何度でも転び、後悔しながらも前に進む愚かで愛おしい生き物なのであります……我らがネオサイタマのように! つまり私もその同類ってこと!だから気にせずマイペースで書いていきます!! 

前話の感想はこちら。
1年ぶりですね。

なお、AoM時系列/Twitter連載の前回感想はこちら。スシ対決の話です


【前提】望月のニンジャスレイヤー知識

・書籍第一部を3巻まで(中断)
 →6年経過(ほとんど内容を忘れる)
 →『スズメバチの黄色』読了
 →AoMシーズン1〜3読了+後、PLUS加入
 →AoMシーズン4以降はリアタイ+旧三部物理書籍14巻(今ここ)

◇◇

今回のエピソードはこちら。

「ビースト・オブ・マッポーカリプス」 - ニンジャスレイヤーWiki*

シーズン4:「ビースト・オブ・マッポーカリプス◆前編」(1)

「ニンジャスレイヤー狩り」の儀式は大詰めを迎える。リアルニンジャ・セトは儀式エネルギーを簒奪し、始祖カツ・ワンソー復活を実行に移そうとしていた。狩人アヴァリスもまた、カツ・ワンソーの影たる正体を顕わにし、ネオサイタマを邪悪な緑で覆いつくす。ニンジャスレイヤーたちは、ダークカラテエンパイアの企みを阻止すべく参戦したサツバツナイト一行とともに、各々の戦場で奔走する。神話的リアルニンジャを相手取る一大合戦。火蓋は今まさに、切って落とされようとしていた!

 ♯1

開幕とともにお出しされるシナリイとフィルギアの加湿器カップル。
こわい。

「貴方はニンジャスレイヤーのもとへ行かれるか」

「貴方はかつて私の友であり、師であり、憧れであった。今や見る影もなし。悲しい」

言葉選びと感情がいちいち重いんですよね。十二単でも羽織っているのか?
友であり師である男の髪に、どういうつもりで再会直後に触れたのか。友であり師であり憧れであったフィルギアがビクッとして身を離したのはなぜか。読み返しながらひととき思いを馳せます。
やはり関係が…おありだったのではないでしょうか。

崩壊しながら宙に浮かび、留まった瓦礫が雲に入り混じり、金色と赤黒、二つの太陽がせめぎ合うように互いの光を遮り、異形の緑が繁茂する。

この世ならぬ光景を4K高画質で描きだし読者に想像させる巧みな文章! 良すぎる~~~!

心身ともにボロボロなのに、次の鐘が鳴るまでの五日間を休息に当てず働きまくっているマスラダくんが心配です。そっけなくされても懸命に追いかけていくフィルギアさん、健気だよね……。シナリイさん見てる? 今あなたの憧れが、羽を打ち振って若い男を追いかけているよ。


◇◇

 ♯2

ジグラット・フジの出現から5日。赤黒の謎めいたニンジャがネオサイタマを跳び駆け、クロヤギ・ニンジャの分身を爆発四散せしめては赤黒オリガミと炎の軌跡を残して去っていく。クロヤギの分身元たるアヴァリスは、マルノウチスゴイタカイビル屋上に陣取り、星辰の巡りを待ち受けていた…

アヴァリスの黒く長い蓬髪は、風もないのに揺らぎ、ざわついている。その奥には山羊角らしきものが垣間見える。彼の纏う黒緑色の衣の表面は、絶えず沸騰している。

えっちすぎる。
セトさんもクソ運営なのに白々しすぎます。

オールドカブキチョの安全地帯に逃げてきた市民をかくまう、自警団のニンジャ達。このオールドカブキチョ(旧歌舞伎町?)ってトリロジー三部作でいうところのニチョームがあったところですよね。十年後は別の地域がネオカブキチョ(新歌舞伎町?)って呼ばれているのでしょうか。時代の変遷を感じます。

「イヤーッ!」「グワーッ!」背中から飛び出した副腕で鷲掴みにする!「ほしがっちゃいけねえ」彼女は凄惨に目を細めた。

ブライカンさんかっこいい~~~~!!!
つい数日前に読んだ年末年始プログラムで、ピザタキでの醜態を見たばかりなのでトキメキがすごい!!ギャップ効果で倍率ドン!



ブライカンさんの醜態はこちら

「(略)コイツ倒したら、ローンの組みかたも教えてやるからね……」

だめだった

キャーーーーー!!!! ネザークイーンさん!
まだ私は三部の最初の方までしかも読めていないのですが、経営しているお店の名前が変わっていたり、♯3で殴りつける腕がサイバネ・アームになっていたりと、この十年でいろいろあったんだろうなあ。でも元気な姿でお会いできてすごく嬉しい!

◇◇

 ♯3

オールドカブキチョで、ニンジャスレイヤーは「昔のニンジャスレイヤー」の知己と言葉を交わす。アヴァリスの分身はネオサイタマの各所で有用なジツ使いのニンジャを喰らい、奪っているという。

「そうだ。そのサマナだ。名前……」ネザークイーンの蹴りを受け、だが倒れず、クロヤギ・ニンジャは不明瞭な声を発した(略)「覚えて01001いるぞ。当たりのジツだからな」ネザークイーンは愕然とした。

興味のままに喰らったニンジャの名前を「アヴァリスが記憶していて」「口にする」ことで因縁を発生させることができるの、アイサツシステムという設定の効用であり、地味に感心しています。ちょっと興味深く印象的だからといって、通りすがりに喰らうような相手の名前をいちいち聞きだすプロセスって、他の作品だとほぼないですから……話の流れも阻害しますし。読めば読むほど「ニンジャは互いにアイサツせねばならない」と「クローンヤクザ」は素晴らしい発明だと思わざるを得ません。

「彼は……サツバツナイト=サンとは関係が?」「ンンー」フィルギアは口の端を歪めた。「目下、構築中ッてとこか。……じゃあな」

イヒヒヒヒヒヒヒヒwwwww
構築中! そうだね!!
ニヤニヤが止まりません。

「モシモシ、こちらは稲妻みてェに迅速な移動ピザ屋、ピザタキでござい。腹減ってるんじゃねえか?」(略)「こっちの調子は上々。必要なら、ピザを届けてやってもいいんだぜ?

ピザワゴン対決事件以降、タキ→マスラダへの「ピザ食べさせたい圧」が明らかに強くなっていませんか? もなかは訝しんだ。

やはり……コトブキ&ザックのピザは食べたのに「オレのピザだけは拒否している」事実を突きつけられ、タキさんも傷ついているのではないでしょうか。少なくとも気にはしているのでしょう。ふふ。ふふふふ。ふふふふふふふふ。

タキは助手席を見た。「オレらの共同作業の伝え残しはネエよな?」

調子に乗っているな?
タキの背後に暗い影が落ちた。彼は冷や汗がじっとりと背を伝うのを感じた。振り上げられる棍棒。浴びせられる罵声。

ユンコちゃんとの共同ミッションで舞い上がってるタキさんを脳内で打ち据え、額の汗を拭う。

さすがに調子に乗りすぎですよタキさん。
まあ、ユンコちゃんって年上だしサイバーだしイケてるし、ピンクなべイブとはまた違った方向性でタキさんの好みなんじゃないかな? という気がします。一方のタキ→ナンシーさんの感情は明らかに「姉貴」を重ねているので憧憬パラメーターがかなり高く…それはまた別の栄養が……オホホホ…!!

「ザック=サン、ガッチリ行けるかな?」(略)『任せてくれよ!』

笑顔でグッドサインするザック少年の健やかさに、みるみる魂が浄化されていきます。少年、それは未来。ありがとう。

◇◇

 ♯4

ニンジャスレイヤーとの通信はままならず、マルノウチに潜入したコトブキも連絡を絶った。……だが、タキにはナンシーに与えられた役割がある。磁気嵐に覆われたネオサイタマ下で、セト子飼いのエネアド社付近に潜み、Wi-Fi接続を確保するのだ。電子戦こそが儀式破壊の鍵となる。店員の少年ザック、ハッキング支援に駆り出されたユンコとともに、ハッカーチームが動き出した!

ユンコ・スズキ。ナンシー・リンの弟子、あるいは義理の娘

義理の娘ェ!?
はぁ、はぁ、興奮してきた。父親はフジキドさんなのか。いえそこに何らかの感情が介在しているとは思ってもいないんですがフジキド&ユカノに狂っているのを観測された方はご存じの通り私は疑似家族に弱くて……
実際【レプリカ・ミッシング・リンク】で彼女がフジキドの佇まいに亡き父を重ねて窘められる一幕があったことを思い出し、私は、私は

(なんでこういう事になっちまったかな)タキは自問する。ハンドルを握る己の手。その指先は黒い。バイオイセエビの殻を剥いて育ち、ハッカーをやってドン詰まり、死ぬような目に遭った挙げ句、ニンジャスレイヤーに助けられた。そうこうするうち、今度の相手は都市を緑に沈めた半神めいた存在だ。

ア゛ーーーーーーーーーーー!!
あの日、ニンジャスレイヤーと運命の出会いを果たしてしまったばかりに、なし崩しに半神的存在と敵対することになってるタキ……! 冴えない情報屋だったのに、今やネオサイタマの命運をかけた戦いの最前線にいて……でもそれは、お人好しでぐうたらで口喧しい、ピザタキの店主タキでなければ座れなかった席なんだってことを思うと私は私は私は……!!

無関心を装ってるくせに内心ではめちゃくちゃコトブキちゃんを心配しているのも最高で突っ伏してしまいます。コトブキちゃんを案じるタキさんからしか得られない興奮物質、あります

ナンシー=サンはタキを信頼して、このミッションを任せた。

彼女に信頼されて任されたんだから頑張らねばマインドになってるタキさんからあふれ出る弟みに溺れて窒息しそうだよ!!!助けて!!!!

エネアド社前の廃ビル地下はヨタモノの巣窟になっていました。
通信を確保してインターネットに潜るユンコちゃん、ピザワゴンを取り囲むヨタモノたち。絶体絶命と思われたそのとき、「ピザ」の文字を見た彼らがざわつき始める……タキは腹をくくり、彼らに笑顔で語りかけた!

「そうだ、ピザだぜ! 移動店舗だ、スゲエだろ? サ……サイバネでも腹は減る! ピザ食いてえだろ!?」

「どうもこうもあるかよ。ピザを焼くんだよ、ザック!」タキはやけくそで言った。「できンだろ! お前とコトブキが用意させたピザワゴンだろうが、このクルマは!」

あ゛ああぁぁぁううあうあう、、、
もうだめです。
もうだめだよ。

だいたい「お前とコトブキが用意させた」って言ってますけど金はタキさんから出てるんじゃん!!!! 二人が「やりたい」って言うから、その分タキさんが頑張ってカタナを強請って、ゲットした賠償金で買ってくれたんじゃん! それをさぁ! ここでさぁ!!
タキさんのそういうところが本当に……本当に好き!!!!

この状況下できっぱりと「こいつらも人間、腹は減る」「こんな非常事態で、まともな飯も食ってねえ筈だ」と言い切れるところにタキさんの好きポイントが、詰まっています。好き。そんなタキさんのやってる店だからこそあんな最低最悪接客でも住民が集って憩いの場になっているのでしょう。マスラダもそう思うよね。みんなでワイワイ、タキと軽口やりあいながら、気を抜いて過ごすひと時、心が安らぐんだよね。わかるわかる。だからローカルコトダマ空間になっちゃったんだよね。なのにどうしてかたくなにピザを食べないのかな? 何を怖がっているのk

「オレはテンサイ・ハッカーだ。タイピングもトッピングも同じだぜ」「そうなのか! スゲエ!」

そうなのかなぁ?!

エビのトッピングに複雑な気持ちになるタキさんにウワーーーッ!!(泣)となり、突然ワンオペを任されても泣き言いわずに腹をくくって何とかしようとするザック少年に感極まる。

ユンコちゃんのピンチにヴェルヴェット・ソニックして必死にネットワークダイブするタキさん!! 格好なんか二の次で、とにかく思いついた武器みたいなもの(ピザカッター)で「TAKE THIS!」するタキさん!!!
必死なタキさんだいすき~~~~~!!!

ナンシー・リンは現在、二人に守られ、しめやかに通路を移動しているのだ。赤い龍装束の女。そして黒橙の装束を着た男。即ち、ドラゴン・ユカノとサツバツナイトである!

ハァハァ、共闘するドラゴン師弟姉弟、お、おれの精神が風前の灯

ネットワークがつながると同時に音信不通だったコトブキを思い起こすタキさんに顔を覆ってしまう。そういうところが。そういうところがね。LOVE。

タキはナンシーとの接触をユンコに任せ、エネアドの妨害網に穿たれた通信路を辿り、ニンジャスレイヤーとのIRC通信をあらためて確立。

おっ、謎の無線IRCが確立した! よかったねマスラダくん! これで少し精神的に落ち着いたよね? そうだよね。ネオサイタマ中をせわしなく駆け回りながらも常に後ろ髪をじりじり炙られているようだった焦燥感、拭いきれない汚れのような不安感、それらが今、蠟燭を吹き消したように、フッと掻き消えたような感覚が今……あったでしょう。わかるわかる。えっ幻覚? なんのことですか?

タキさんの通信がコトブキちゃんに届いたところで♯5に続く!

長くなってきたので、いったんここで区切ります。
一気に更新したかったのですが難しいですね。短くまとめる文章技術を身につけたいものです。
それではまた次回。読み終わっているのであまりお待たせしないで書けると思います!

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次の感想はこちら。


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