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出戻り初心者ヘッズが、ニンジャスレイヤーを第4部から読みはじめる/シーズン1_20「ウィア・スラッツ、チープ・プロダクツ、イン・サム・ニンジャズ・ノートブック」(中)

こんばんは、望月もなかです。
毎週日曜日は、息子と一緒に『騎士竜戦隊リュウソウジャー』を観ています。来週がついに最終回。壁を素手で割りドラム缶を投げ拳で大地を陥没させ(←変身前の生身で)、ラッキーピタゴラスイッチで心を読む巨大怪人を撃破し、ラーメン5㎏を完食し焼き肉を手づかみで食べる可愛い可愛いリュウソウピンクのアスナちゃんともう会えないかと思うと私は……私は……。落ちこむこともあるけど私は元気です!

前回の感想はこちらです。

【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識

・ニンジャスレイヤーは第一部の書籍3巻で止まっています。中断してから6年、内容はだいぶ忘れてしまいました。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・忍殺用語にはいまだにビクッとします。

【前提2】感想の方針

・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・読んだ日だけ感想を書きます(翌日に分割することもあります)。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の前知識はあえて入れないようにしています。よって、単語がわからずよく混乱していますがそっと見守っていただければ幸いです。

◇◇◇

今回はこちら。三分割でいきます。

シーズン1「ウィア・スラッツ、チープ・プロダクツ、イン・サム・ニンジャズ・ノートブック」(中)

急性自我希薄化症の特効薬「ニューログラ」を製造するシンケンタメダ社。デシケイターの差し金で「ニューログラ」の値段は228倍に暴騰し、薬を入手できなくなった一般庶民は成すすべなく倒れていった。デシケイターを暗殺するため、ニンジャスレイヤーたちはムンバイに潜入する。コトブキは、タキにも急性自我希薄化症状が出てきたのでは、と心配しているのだが……。

 ♯4

デシケイター、ネチネチしていて生産性の向上に一切寄与しないあたりほんとクソCEOですね。滅びればいいのに。ちっ。

デシケイターは花瓶に活けられたオレンジの花を手に取った。たちまちその花は彼の手の中でしおれ、朽ちた。(略)デシケイターはもう一輪手に取った。やはり枯れた。「体質でね。ま、環境作りは好きにやれ」 

花を枯らす体質……死神坊ちゃんですか? 

ドレイン系の能力とかなのかなあ。


「岡山県の磨かれた水」

いや……あの……岡山県ってほんとなんなの。

それはそれとして、

デシケイターは社内冷蔵庫に用意された「岡山県の磨かれた水」を飲みながら、左目を閉じて、右目の網膜に映し出されるリアルタイムの株価チャートに集中した。スケジュールを伝える秘書の声が遠くに聞こえる。それを並列処理しながら、左手では手首から投射されるホロ・キーボードをタイプしている。

この描写がいかにもサイバーパンクって感じでお気に入りです。

実際ヘイトをバラまきまくっているデシケイターは敵に襲われますが難なく撃退。強いです。秘書さんがサイボーグ護衛かと思いきやウキヨだったのには驚きましたが、『ダメージド・グッズ』に「用心棒やって暮らしているウキヨもいる」って書いてあったのを思い出しました。

ここですね。

「プロの企業傭兵です」のフレーズをスッと消化できるようになってきた自分、ネオサイタマ用に体質改善が進んでいるなと思いました。

彼は膝下に蛭めいてまとわりつくメタリックな無数の物体に怖気をあげた。動けない。足元の地面にまるい穴が幾つも開いていた。そこから……ナムサン……更に金属の虫が這い出して来る!
「こいつはニンジャソウルを追って、喰らいつく。しつこいぞ」デシケイターは言った。

デシケイターさんのジツ、搾取大好き&離れたところから嫌がる姿を高みの見物するだけっていう性格が出ててほんとどうかと思います。きもい。引くわ~。マスラダさんヤッチマエですよ。

◇◇

 ♯5

デシケイターのジツは凶悪にして無敵、仕留めるどころか近寄ることも難しい。対策の必要を感じたマスラダはタキに連絡を取るが、反応がない……まさかコトブキの心配が的中しているのだろうか?


帽子を目深に被る男の方はどこか浮世離れしたアトモスフィアを持っていたし、対面のオレンジ髪のオーエルとの組み合わせがその言葉にしづらい奇妙さを倍加していた。

うん、アーティストだからね……。労働者でもサラリマンでもない人間ってやっぱり独特の雰囲気があるし、マスラダさんもそうなのかもしれない。

スシ・コンベアに乗って運ばれてくるカレー・スシの皿

「カレー・スシ」とは。。

もうスシの概念がよくわからないよ…個人的にはカリフォルニアロールはアリだと思ってる人ですけどカレー・スシはなに? 一口大に丸めたナンの上にキーマカレーでも乗ってるんですか?(それはそれでおいしそうだけどスシじゃなくてカレーでは)
それとも刻んだピクルスを液ごと混ぜこんだ洋風酢飯にタンドリーチキンを乗せ……いやこれこそ前回私を悩ませたタンドリー・スシなのではってことになってしまう。じゃあカレー・スシはなんなのかって話になっちゃうし、ますますスシ概念が迷子になってきたぞ。くっ。惑わせよる。

コトブキちゃんがしょっちゅうヨーグルト飲料(おそらくラッシー)飲んでいるのに癒されます。なんかラッシー飲みたくなってきたな。

「急性自我希薄化症状?奴が?」「ここのところの様子はおかしかったのです。薬価が228倍になった事で彼はおそらく服薬が滞っており、応答にすら支障が出ているものと」
「……」ニンジャスレイヤーは沈思黙考した。

ハ……………、、、、、、


(10分くらいここで頭を抱えて静止した)


頭の中をぐるぐるとさまざまな語彙が分子運動のようにぶつかり合っては消えていくのでもうなにを言えばいいのかわからないのですがマスラダくんがタキさんの症状にまったく気づいても思いあたってもいなかったことをコトブキちゃんに真正面から気づかされて沈黙しちゃうの……………あの………………。

はぁ…………。

(顔を覆う)

沈黙したマスラダさんをコトブキちゃんが「励ます」ところ、なによりも雄弁に今マスラダがどんな顔して黙りこんでるかを表しているようで望月さんの正常な表情は遁走して地平のかなたに消えた。ああああああぁぁ……。すごくグッとくる……。しかもしかもそこでカイくんがつないだ言葉が

「タキはともかく、お前は何故ついて来る」

なのほんと、ほんとさああああああぁぁ……!!!

脈絡なさそうに見えてめちゃくちゃ「俺のせいで(タキの次に)危ない目に合わせている身内枠」としてコトブキちゃんをカウントしているからこそ出てくる質問なところ~~~~~~~~マスラダ・カイ~~~~~~~~~~~~~!!! しかもマスラダ自身、己の感情をそこまで自覚していないでこういう質問しちゃうところが不器用で情緒がめちゃくちゃになりますね、あっこの場合の情緒は望月さんの情緒がですね、めちゃくちゃになりますね!!!!!!!

いやだってマスラダさんは出会って以来ずっとピザ・タキに居候し、渋るタキさんを無理やり復讐劇につきあわせているわけですが、二人の間にあるものはもう「貸し借り」だけじゃないはずなんですよ。『ソウカイ・シンジケート』でピザ・タキをもう巻き込まないようにと配慮している様子が描かれたくらい、マスラダは今の居場所に「情」を感じてしまっているわけですよ。もはや最初の「貸し借り」なんて言葉だけなんですよ。二人の間には「情」がある。友情か腐れ縁か、どのように名づけていいのかわからなくても、確実に「貸し借り」以上の関係性になってしまっている。マスラダ・カイは頑固だけれどバカじゃないので、それを薄々自覚してもいる。でも認めると復讐心が鈍りそうだから「あいつには借りがあるから、そういう約束だったからつき合わせてもいいんだ」って自分に対して言い訳しつづけてきたんだと思うんですよね!! 私は! そう思うんですよ!!!

でもそのタキが病気かもしれないと気づいて動揺してしまい、同じように行動を共にしているコトブキちゃんにも「なんで俺についてくるんだ」と訊いてしまうくらいには、その言い訳は脆くて薄いものでしかないしすぐ風穴があいちゃうんですよ、そういう甘いところがあるんですよマスラダ・カイにはさあああああぁ!! 好き!!!! ふぅ……いいね、おいしいね……ねこにとっての煮干しやちゅ~るのようにおいしいね……もっとくれ……もっとだ…………!

「わかります。貴方の、とても……すごい敵なのでしょう。復讐の戦いです……!」「復讐?」「言わずともわかります」コトブキは頷いた。「貴方はとても執着しています。ならば、復讐でしょう」「……」

コトブキさまのマスラダ氏への理解力……あなたが女神だ……。

いくら払えばいいのだろうか、女神にお布施をさせてほしい

「サツガイに連なるニンジャ達が何をしていようが、おれの標的だ。慈善事業をしていようが、どこかのボンズだろうが、おれは殺す」

どこかのボンズってなに?(急に冷静になる)

まさか「坊主」? 聖職者のことを指しているのか? まさかな??


「せっかく立てた計画です!」「暗殺のな」「……暗殺の計画です」コトブキは神妙に頷いた。

ここにもうマスラダの性格が出てる……。「暗殺のな」が明るいコトブキちゃんを一瞬止めるツッコミのセリフとして機能するとわかって発言するのって善性の持ち主じゃないとできないことですよ。「暗殺はよくないこと」っていう常識(?)が共有されている前提でこういう会話をするところ、いくら復讐鬼ぶったところでコトブキちゃんがまっすぐ見つめてくれるのは君のそういう善の心を感じ取っているからなんだよ。

物理肉体が植物状態になっているとか「非致命!ダイジョブ!」とかコトブキちゃんのセリフがいちいちカワイくて笑っちゃいます。センス。

っていうかデシケイターさんの金属虫、ジツで具現化してるんじゃなくてメーカー製なの……しょぼ……。

「でも、急がないとタキ=サンの自我が……命が危ないんです!」「そんな事はねえ!オレはたまたまありついた新種のキノコとペーパー・アシッドで……いや違う、自我が……」「キノコ関係ありません!」

キノコwwwwww
爆笑してしまった。

でもこれコトブキちゃんの心配が杞憂で本当にキノコのせいだったら愉快でたまんないな。それはそれでいいな。

二人は会計を済ませ、ストリートに出た。夜空は地上の光を吸い込んだスモッグによって、ほの白く濁っていた。割れた月の影はそれでもよく見えた。

空でつながっているからねネオサイタマと!!! これ『ダメージド・グッズ』のコトブキちゃんのセリフを受けての描写だとすると最ッ高にワサビがきいてる、スーッと鼻に抜けて爽やかに悶え苦しむ。

これです……タキ=サンとは同じ空の下にいるんですよ……テストに出るから復習シテネ……!!(泣きながら教卓に崩れ落ちる)


◇◇

 ♯6

デシケイターを倒すには、ネオサイタマにいるタキの協力が必要だとコトブキは主張する。タキもまた、デシケイターの買収による薬価高騰で、急性自我希薄症状に苦しんでいた。彼は彼自身のためにも立ち上がらなければならないのである!

公式さんのあらすじ。

だがデシケイターにはニンジャソウルに自動反応する金属虫と己の危険な超乾燥のジツをシナジーさせた無敵の攻撃手段があった。

デシケイターのジツは、ドレイン的なものではなく「超乾燥」であると。なるほどなるほど……。だから花が枯れたのか。あ、【desiccate】には「乾燥させる」という意味があるんですね。名前通りのニンジャだったのか。

タキとて他人事ではない。彼は急性自我希薄化症状に罹患している……少なくともコトブキはそう見立てている!

こんな風に書かれたら(やっぱりキノコのせいなのかもしれない)と思ってしまいますね……。タキさんはどんなキノコを食べたんだろうか……。

まったく、奴らときたら。頭のおかしいニンジャ。あいつは必死だ。頭のおかしいウキヨ。やらせてくれない。あいつらに巻き込まれてオレの人生計画は狂った。

「あいつは必死だ。」

マスラダさんのことちゃんと見てるんだねタキさん……ありがとね……。君にも人生計画とかあったの?とか思っちゃってごめんね……。

コルヴェットさんの登場シーン颯爽としてて惚れちゃう。なんでそんなに素敵な助っ人ができるんですか。おじさん超いけてる。


ケンドロイド(ケンドー機動システムを取り入れたセキュリティ・オートボット)

あの、括弧書きで説明されてもね、わからないものはわからないです。

「ケンドー機動システム」ってもう入力するだけで自我が希薄になる単語の組み合わせなので初心者には厳しいですね。まだまだネオサイタマに体質が適応できていないなって思いました。

そしてまた出てしまったよワータヌキ像……。なんなんだワータヌキ像…。とりあえず信楽焼の狸の置物を想像していますが合ってるのだろうか。

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こういうの?

アンキタおねえさんにコトブキちゃんの正体がばれてしまいました、あわわ……。

「オフィスに花を飾ったり、メンテナンスしたり、そうやって騙したの?」
「これは……」「どうなの!?」アンキタの目は見開かれ、口元は笑顔めいて傾き、歪んでいた。「騙したの!?」

アンキタおねえさんが本当にショックを受けてそうな言葉の数々が胸に来る。「話せばわかる」の言葉通りまっすぐに事情を話して、悲しそうに「みなさんが大好きです」っていうコトブキちゃんもすごくよかった……。

コトブキちゃんは本当にいい子だね。だからこそ真心が(「ウキヨ」の真心!)アンキタおねえさんに伝わったんだろうと思います。「大好き」を受け止めるだけのお皿がまだ欠けずに残っていたアンキタさん、素敵な人ですね。

「ヒラタ主任は、ニューログラの開発者」アンキタは言った。「薬の製法が彼の脳にある限り、彼が解放される事はない。社外に製法が拡散すれば、薬価を維持できない。

おおおお! そうか、そうですよね。

開発者がいて、製法があって、それが秘匿されているからこそ薬価の吊り上げが可能なわけです。あっという間に敵対的買収されてしまうほどの暢気な会社なのに、薬の製法が漏れていないというのは確かに不思議な話ではありました。へー。面白いなあ!

アンキタさんの協力を得て、戦いの目的が定まり、勝利条件も明確になってきました。いよいよイクサも本番って感じですね!

ではでは、今日はここまで!
次回の感想でまたお会いいたしましょう!

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次の感想はこちら。


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