見出し画像

ニンジャスレイヤーを第4部-AoM-から読みはじめる/幕間_2「ア・デッカーガン・イズ・マイ・パスポート」(後)

こんばんは、AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。

 シーズン3突入前に、ひとつお願いがあります。私、「ノーガードで不意打ち食らうのが最高の娯楽」なタイプの読者なんです。なのでシーズン3でも「次のエピソードはヤバいよ!」的なふんわり予備知識すらなしに、身構える前に衝撃を全身で受けたいと思ってます!

「シーズン3後半がピザタキ的にヤバい」という話だけは聞いているので、これ以上詳細なタイミングを知ってしまったらどうしよう……と不安になってきまして……そわそわ……。コメントやリプライをいただく際は(いつも嬉しいです、ありがとうございます)、よりいっそうのネタバレ防止にご協力をいただけますようお願いいたします!

◆ご協力特典◆望月の派手な散りざまが見られる◆

(あと、感想記事の中でたまたま「惜しい!」「教えてあげたい!」みたいなこと書いていたとしても、あまり追加情報を与えず、そっと見守っていただけると助かります……! いつかPLUSかトリロジーで読む日のために、なるべく事前知識を入れたくないのです。単に私の趣味嗜好の問題ですが…)

よろしくお願いします!

-----お願いはここまで!-----

ではでは「デッカーガン」、後編の感想です。

前回の感想はこちら!

【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識

・6年前に書籍第一部を3巻まで読んだところで中断。だいぶ忘れてます。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・2019年11月~2020年3月にかけてAoMシーズン1を読了。
・2020年5月~10月にかけてAoMシーズン2を読了。
・実況は一度だけ参加しました(20年2月の3部野球回再放送)。

【前提2】感想の方針

・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の知識はあえて入れないようにしています。情報は与えず、そっと見守っていただければ幸いです。

◇◇◇

今回のエピソードはこちらです。

プレシーズン:シーズン3「ア・デッカーガン・イズ・マイ・パスポート」(後)

甘い理想も、空回りの信念も、デッカーガンを握るノボセ・ムギコの中にある。祖父、ノボセ・ゲンソンを救出し、全面戦争を回避せよ――トコシマ地区、新米デッカーの誇りを賭けた闘いが今、はじまる。

 ♯6

ノボセ老を捕らえたニンジャは、昔の部下みたいですね。
会話の端々から、遠い過去の片鱗を感じます。

「ザゼンする老人」に議論を振るニンジャ、という絵的に動きの少ない会話劇なのに、ノボセの仏頂面に大画面オイランの蛍光ライトが反射した。など、壁のパネル映像を効果的に使いながら映像的に描く手腕に感心しました。小技が効いてるなぁ。

サツガイの件はマスラダの復讐完了と同時に終わったのかと思っていましたが、まだ余波がありそうですね。サツガイの出現すらも、カツ・ワンソー復活の兆しのひとつにすぎないのであれば、まだ戦いは始まったばかりなのかもしれません。

サメムラは重サイバネのバウンティハンターで、同時に凶悪犯罪者……賞金首でもある。その両腕は狂暴なメタル・サメに置換されている。

意味がわからない。

ト・キコさんが登場したりノボセ老について色々話したりしているのに、両腕サメ男の言動が気になりすぎて話に集中できない……。心の栄養とか体の栄養とか何を言ってるのか全然わからない。なんだこれ……


更にはオジゾウ交差点に面した場所に炊き出しサービスセンターが24時間営業で常設され、温かいオシルコやオニギリを得る事が出来た。これは暗黒メガコーポ戦争が最も苛烈であった時代にソウカイヤが欺瞞的に行った炊き出しサービスを故事めいて常に大衆にアッピールする為の仕掛けである。

へ~! 果物ももぎ放題だし、いいですねソウカイ地区。比較的住みたい街。

炊き出しサービスセンターもすごくいいなー! 欺瞞的だろうが何だろうが、そのサービスで命をつないだ人々は確実にいるはずなので……。ひとつの策で複数の効果を出すタイプの仕掛け、全体的にすごくチバさんっぽいアピール方法でニコニコしちゃいます。(こういう施策に『スズメバチの黄色』の火蛇たちが関わっていたりしたらもっとサイコー)(シーズン4あたりで出てこないかな~)

そして程なくして、ゴウランガ!ラオモト・チバ本人が無雑作に進み出たのである! 37

ギャーー! チバ=サンご本人! ご本人!! ご尊顔を拝ませていただきありがとうございます……美しいね……一市民として極めて迷惑とかいけしゃあしゃあと言ってのけるところすら魅力的でずるい。

無雑作に敵の真ん中に御身を晒しているわけですが、チバさんは何の意味もなく行動したりしないので安心します。
睨み合いのなか、へたに代理ニンジャを派遣して、売り言葉に買い言葉のままどちらかが手を出してしまったら、戦争は止められないですもんね。トップが自ら出てくることで両者の暴発を抑えつつ、「長官が人質にとられている」というキモンの主張に対し、自らを差し出すようなかたちにすることで牽制もできる。わりと効果的なんですよね、ちゃんと意図があって登場しているところがすごくいい……。

睨み合いが続くなか、シンゴ&タバタは長官のいる工場へ潜入。

彼らは素体と、ボンサイの鉢植えの間を進んだ。

さっきト・キコさんが「ボン・サイもいるし」って言ってませんでしたっけ。まさか文字通りボンサイが敵なわけがないよね。はははまさかね。

……わかっています、現実は非情なんだって。私の常識に配慮などしてくれないって。


 ♯7

シンゴたちが潜入した工場の二階には、両腕がサメで心の栄養がどうだとか言い始める意味の分からない存在がいるらしい。忘れて眠りたい。


闇に浮かぶ……ボンサイ!

思わず……端末を伏せてしまった。深呼吸。オーケイ、落ち着こう。

だめだ……何度画面をオフにしてロック解除しても「闇に浮かぶボンサイ」って書いてある……消えてくれない……。なぜ……。

ナムサン!だがそれは厳密にはボンサイそのものではない!立体的ではあるが、平面の図像!それは屈強な胴体に施されたボンサイのホロ刺青なのである!

…………な~にが刺青じゃい谷崎潤一郎の世界にでも引っこんどれやぁ!!(ちゃぶ台ガシャーン)

谷崎潤一郎は日本が世界に誇る最高の変態です

これをハサミで!じゃないんですよ。ふざけるなよ。剪定して整えてやるってうるさいよ!このボンサイ野郎燃やすぞ!!

シンゴさんの片腕が銃と合体してガコンと外れて巨大武器になるやつ、あまりにも格好良くてテンション上がりました。うわ~うわ~! 大好きなやつですよ! はっそうです、せっかくサイバネ使うならこういう素敵ギミックにしてほしいんですよね銃とか義手とか刀とか! 剪定鋏やサメじゃなくて!!

「だが、化け物とデッカー、比率で言うとな、後者のほうが少し多いんだ、この俺は……!」

うっわー! いいな~!!
この台詞回し、すっごく好きです!

「じきにアタシはサンズ・オブ・ケオスを自由にする」なる発言が飛び出しましたが、サンズ・オブ・ケオスってまだあるんでしょうか。創設者のブラスハートさんは消えたし構成員の大半はマスラダくんがブチ殺してしまったので、有名無実化しているのかと思っていました。ト・キコさんの把握している情報が古いだけなのかな~。それにしては、妙に丁寧に「サツガイ」「サンズ・オブ・ケオス」「カツ・ワンソーとヌンジャ」というシーズン1のキーワードを丁寧になぞっているのが気になります。サツガイが滅びた直後のエピソードでわざわざ書く以上、今後の展開に関係してくるのかもしれませんね。

穴にハーフ・ガイジンの顔の上半分が見え、また引っ込んだ。「協力者のタキ=サンです」ムギコは説明した。

タキさんここまで一緒に来てくれたんだ!? 現場仕事向いてないのにわざわざ危ない橋を……優しい。好きだ……。

「グワーッ!?」アゾットは怯んだ。耳から血が流れた。液晶オイランに粗末なドット絵のハーフガイジンが重なり、「カート・コベイン」とカタカナの吹き出しを発した。

タ、タキさん……!!!

この、ムギコちゃんの魂の尊厳みたいなものが嘲笑され踏みにじられかけたジャストタイミングで遮るように攻撃かましてくれるところ……お約束だけどあまりにも最高すぎる。着実にフラグが積み重なっている。(ところでアゾットさんがムギコちゃんのこと「肩車してやった事もある」「なんでデッカーなんかになっちまう」って言ったのはちゃめちゃに興奮してしまいました、ああぁ)

ムギコちゃんはおじいちゃんを逃がすためにとにかく頑張っていますが相手は手練れニンジャだしムギコちゃんは新人なので…痛そう……頑張って……。

というタイミングでクロスカタナのニンジャ!! ガーランドさんでしょうか!? というかこの場を荒立てずにコトをおさめられるシックスゲイツがガーランドさん以外に思いつかない!!

 ♯8

政治的緊張の走るネオサイタマで可能な限り早くターゲットを探り当て現場に辿り着き、事を荒立てず的確に仕事をこなし、繊細なバランスを見極めて動けるのがシックスゲイツの中だとガーランドさんしか思いつかないので、なるほどね……ってゲンドウポーズになりました。

「このクセ、アダナスのフレームだな」ガーランドは呟く。 7

サイバネティスティングもしちゃうのwww

 爆笑しちゃった、サイバネ相手にも卑猥なんだからガーランドさんはまったくもう……えっちですね。アゾットさんの「気持ち悪りィな、お前」に(そうだね!)と深く頷いてしまいました。たぶん本当に仕事だからひとつひとつ丁寧にかぎ分けているだけなんでしょう。やろうと思ってもできないことを確実にこなすからこそのシックスゲイツ。ガーランドさんは真面目で優秀だね。成人向けニンジャだとか思ってごめんね。

でもマスラダくんを監禁した件はどう考えても趣味だったような気がする。縛って顎クイしてたし……あと初対面のアゾットさんと数回切り結んだだけで、カラテの流れといくつかの情報から「この男は外部からこの力を得たのでは、それもそう昔の話ではない」というところまで情報をつなぎ合わせちゃうのはやっぱりちょっと鋭すぎてあの……余暇に戯れるペットにもその観察眼を最大限に発揮していらっしゃるんですよね? さぞやプレイがはかどることでございましょう。えっちですね。

サメムラの地獄のクロールが迫る!

端末の画面をオフ。

ノボセ老人、強~~~~ッ!! ベテラン! スゴイ!!

 ♯9

ムギコは自分を囮にしてノボセ長官の解放に成功した。ラオモト邸前でソウカイヤと睨み合うキモンがノボセの無事を確認すれば、戦争は回避される。だが、ことはそううまく運ばない!

大量のオイランドロイドが一斉に暴走! こわい!!

まるで、10年前のあの日だ。あの月破砕日、オイランドロイドが一斉に怒り、市民暴動に加わった。

そうだったんだ……。ウキヨの誕生と月の破砕、これから徐々に明らかになって行くのでしょうか。今回の暴走はト・キコさんの仕業なのでしょうけれど、それにとどまらない深い謎が隠れているような気がします。

その時だ!異形オイランドロイドがバールで殴られ、首を捻じ曲げて痙攣!(略)崩れ落ちたオイランドロイドごしに、薄汚い金髪の男が荒く息を吐いてムギコを見た!タキである!「畜生この野郎!」

うわあああああああああああああああぁぁ!! フラグだ、タキさんなんでこんな、こんな完璧なタイミングでどうしようどうしよう表情筋が死んでしまう……!! にやにやしすぎてもうだめ。うわーうわーうわー!!

恐怖と照れ隠しがないまぜになった表情すばらしすぎる……照れ隠しっておまえ……心配して残ってくれたの……良すぎる……。あ~……というかそもそもタキさんは終始ムギコちゃんの見守りしてますもんね、タキさん本人には何の得もないのに完全にムギコちゃんのためだけに危険を冒してついてきてくれている。

はぁ、あまりにも最高すぎて何度読んでも頬が緩んでしまって全然元に戻らないな、どうしてくれるんですかこれ。もう。しかもデッキなしのIRCダイブ、マスラダくんと出会ったときのことが蘇って感極まって感情がバカになってしまうんですが。SAIKOU……THANK YOU……。

しかしタキさんがほとんど命を代償にしてようやく訪れることのできるコトダマ空間を、散歩でもするみたいなノリでどこにでも何度でも行き来できてるシルバーキー氏って、改めてとんでもない人だったんですね。しかも他人の空間にも自由自在に出入りできるし介入できるし、よく考えなくても最強だったのでは? 


 ♯10

オイランドロイドが暴走し無限に襲い掛かってくる! 手負いのタバタとムギコはハッキングができない、タキがやるしかないのだ。タキはエメツ粉末を吸引しコトダマ空間にダイブするが……そこに浮かんでいたのは底知れぬ巨大な電子球体……表面に浮かび上がる文字は「オイランマインド」……

すぐにコトブキちゃんを連想するタキ~!! 好き!!!!

手がかりは探り当てたものの肝心なところでは締まらないの、タキさんだなあ。いいなあ。そして肝が据わっている。

イータはUNIXモニタの前で欠伸をし、高級チェアに深くもたれた。快適な椅子はハイクラス社員の証である。「テンション落ちるな……」

ちょっとwww 卑猥な社風のアダナス社社員のイータさんじゃんwww
お元気そうでなによりですね!

というかあんな目に遭ったのに長期休暇も取らず元気に働いておられる。すごい。まだシトカの戦いからそんなに日数経ってないのに社内政治まで駆使して責任逃れまで完了してるのヤバいですね。さすがニンジャを調教できるだけのことはあります。

イータさんまた出てこないかな、面白いから。

理想は理想、自分の心と握りしめた銃の中にしかない。誰かが共有してくれるわけでもない。それでもデッカーとしての誇りをもって、ネオサイタマでこれからも戦う決意を捨てないムギコちゃん。カッコイイな……。これからも頑張ってほしいです。

ムギコは言葉を噛みしめる。タキを見る。寝ている。「……有難う。本当に」彼女は呟く。

タキが寝ているとはいえ、素直にお礼を言えただけマスラダよりリードしてるな……というところまで考えて(リードってなんだ?!)と冷静になってしまった。リードってなんだ。猫の寵愛競争か。

いやでも実際、今回の事件でムギコちゃんは本能レベルでオイランドロイドに対する警戒感と不信感を抱いちゃったと思うんですよね。ト・キコさんの件を経て、ウキヨ含むオイランドロイド全般は今後もデッカーの警戒対象になるんじゃないかと思う。治安的にはかなりの不安要素ですからね……。

となるとですよ、憎からず思っているタキさんのところにムギコちゃんが「見回りだから」とか言い訳付きで訪れたら、ある日とつぜん住人が増えていて……その内の一人は自我のある美しいオイランドロイドで……、もう一人は別人のくせにニンジャスレイヤーを騙る男で、タキさんのベッドで勝手に寝ていて……なのにそいつらと一緒にいるタキ=サンは今まで見たこともないほど生き生きとしていて嬉しそうで、まるで家族みたいで……立ち尽くすムギコちゃんの心の中は、修羅場で……はぁ……わくわくしてきた……早く読ませてほしいそのエピソードを……!!!

実際、ムギコちゃんとマスラダくんが同時に調べ物を依頼したら、タキさんがどっちを先に選んでくれるのか気になりますね。ふふふ。


ではでは、今回はここまで。
また次回の感想でお会いいたしましょう!

-----------------------------
次の感想はこちら。


この記事が参加している募集

読書感想文

楽しいことに使ったり楽しいお話を読んだり書いたり、作業のおともの飲食代にしたり、おすすめ作品を鑑賞するのに使わせていただきます。